フジ「朝顔」最終章へ 昭和世代に刺さる作りに抜かりなし

上野樹里(34)主演の「監察医 朝顔」第2シーズン(フジテレビ=月曜夜9時)は、22日から最終章「家族の時間編」がスタート。いよいよ佳境だ。
「朝顔」は法医学者の朝顔(上野)と、父で刑事の平(時任三郎)を中心にしたヒューマンドラマ。2019年夏に放送された第1シーズンは、世帯視聴率が全11話2ケタの平均12.5%を記録した。“月9”初の2クール放送となった今作も第7話の9.5%以外は2ケタ、15日に放送された第14話も11.8%と好調をキープしている(ビデオリサーチ調べ=関東地区)。
「かつての路線が通用せず、“消滅”の噂も流れた伝統の月9枠ですが、本気で数字を取りにいってきちんと結果を出しているのは、さすが」(広告代理店関係者)
ネット上には〈上野さん、時任さんはじめ出演者の高い演技力に引き込まれる〉〈毎回、必ず泣いてしまう〉など絶賛する声がある一方、〈話が家族の物語に寄りすぎて、法医学ものとしての見どころが薄い〉〈あれもこれも詰め込みすぎなのが残念〉〈月曜から内容が暗すぎる〉など否定的な意見も少なくない。
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「見る側のスタンスによって評価が分かれるのは当然。でも、そんな中で視聴率が高めで安定しているのは、リアルタイムでテレビに向かう年配層に響いている証拠でしょう」と、こう続ける。
「リアルタイムで地上波ドラマを見る層にとっては、“事件・医療もの”は見やすい。そこに“家族”や“感動”が入れば、続けて見たくなる。そして今回、監察医の娘の“バディー”でもあった刑事の父が認知症になってしまうという展開には、上野さん世代、時任さん世代それぞれの心を動かすものがあったと思います」
そういえば、昨年11月2日放送の初回のラスト、朝顔のモノローグは「この時の私はまだ気づいていなかった。私たち家族に残された時間がそう長くはないことを……」だった。つまり、このドラマはそもそも事件より「家族」を描くことに重きを置いていたのだろう。
「『職業+主人公の名前』というだけのシンプルなタイトルもそうですし、第14話のクリスマスの描き方も、ネットよりもテレビが大好きな中高年世代に刺さる作りですね」(前出の亀井徳明氏)
3月の“ゴール”まで2ケタをキープし続けられるか。22日放送の第15話にはダチョウ倶楽部の肥後克広や、ナイツの塙宣之がゲスト出演するなど、「中高年に受け入れられる細かな話題づくりにも抜かりがありません」(テレビ誌ライター)。
まあ、世代に関係なく受け入れられるのは、朝顔の娘つぐみちゃん(加藤柚凪)だけ?
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