識者が見た吉本社長会見 退陣こそ視聴者が今求めていること

更新日:2019-07-23 17:04
投稿日:2019-07-23 17:00
吉本興業の岡本社長は頑なに辞任を拒否(C)日刊ゲンダイ
吉本興業の岡本社長は頑なに辞任を拒否(C)日刊ゲンダイ

影山貴彦氏(同志社女子大学教授/メディア学・メディアエンターテインメント論)

 ◇  ◇  ◇

 宮迫さんや亮さんは笑いのプロ。会話が冗談なのか恫喝なのかは誰よりもわかる“プロ”が話の間や目つき、全てを感じとった上で、縮み上がるほどの恐怖を感じているのだから、状況から察するに恫喝です。関西弁のノリではないし、冗談にするなら、最初から緊迫した空気をつくらないでしょうし、言い方が下手な人が“お笑い芸人をつくるプロ”というのもありえない話です。

 根本的な問題を考えた時に、会見で象徴的だったのは社長が所属芸人に“さんまさん”“松本さん”と敬称をつけていたことです。その昔、横山やすしさんが不祥事で会見をする際、吉本側は「やすしが」と身内として表現をしていたのに、今回はさん付け。つまり2人に対してはイエスマンで、加藤浩次さんが言っているように下の芸人、社員には恫喝する、相手によって手のひら返しをするのもありうると感じとれました。松本人志さんの“芸人ファースト”発言に便乗し、社長が芸人に「僕たちに(直接)言って下さい」というのも、マネジメントが機能していないことの証しで、健康な組織とは言い難い。

■危機的状況を上層部は自覚するべき

 教育事業や政府との連携など目先のカネに飛びついて、昔ながらの吉本の“ファミリー体質”“お笑い愛”の貯金を現在の上層部が使い果たした結果でしょう。

 今必要なことは、上層部を一掃して、組織再編を図ること。ここ数年、吉本は視聴者が求めてきたことをハズしてきたのは事実で、その原因は上層部にある。今、吉本興業がそれほど危機的状況にあることを自覚すべき。そして、岡本社長はかたくなに辞任を拒否するような発言をしていましたが、社長の退陣こそが視聴者が今求めていることであり、ひいては吉本興業のためになる、ということを自覚すべき時ではないでしょうか。一部の権力者が取り繕っていると業界が衰退してしまう、膿を徹底的に出すことが、エンタメ界の「笑える未来」につながると私は思います。(談)

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