“森下脚本”にハズレなしでも…オリジナルドラマが減る事情

更新日:2019-08-22 17:03
投稿日:2019-08-22 17:00
桜井ユキ(C)日刊ゲンダイ
桜井ユキ(C)日刊ゲンダイ

〈さすがは森下さんの脚本〉ともっぱらだ。現在放送中のNHKの連続ドラマ「だから私は推しました」。主演は女優の桜井ユキ(32)で、地下アイドルを応援する、いわゆる“ドルヲタ”の沼にどっぷりとハマっていくOLの物語が描かれている。原作はなく、脚本家の森下佳子氏のオリジナル作品だ。

「ネット上で〈さすがは森下さん〉と評判になるのも、当然といえば当然でしょう。森下さんはこれまで、話題作を何本も手掛けているヒットメーカーですからね。〈この人が書いているなら見てみようかな〉〈ハズレがないだろう〉と視聴者に思わせられる数少ない人気脚本家のひとりです」と話すのは、ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏だ。

 2004年のドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」、09年の「JIN―仁―」(いずれもTBS系)や、13年のNHKの朝ドラ「ごちそうさん」、最近では18年の「義母と娘のブルース」(TBS系)など、数え上げればキリがない。「ごちそうさん」以外は原作アリだが、原作を超える人気ぶりだ。

 その森下氏が手がける「だから私は推しました」の放送は毎週土曜夜11時30分~。“よるドラ”と呼ばれる、毎回攻めたテーマを選択することで根強いファンがいる枠だ。前出の山下真夏氏が言う。

「よるドラの第1弾はゾンビもの、第2弾はゲイの少年と腐女子の恋ときて、今回は地下アイドルとドルヲタです。特に前作の『腐女子、うっかりゲイに告る。』はリリカルで素晴らしい作品でしたから、〈よし、次は何だろう〉と次作への注目度も高かった。今回の森下脚本はその高いハードルを軽々と越えてきた、という印象ですよね」

 舞台の戯曲を書くこともあるというフリーライターの源祥子氏も「だから私は推しました」に夢中とのことで、興奮気味にこう話す。

「キラキラ女子を装うことに疲れたOLが、地下アイドルにハマっていく物語ですが、それだけでは終わりません。女子同士のマウンティングや、ひとつのことにハマっていく人間の心理状態、さらに運営会社に搾取される地下アイドルの日常などを綿密に書き込み、リアリティーがある。さらにミステリーの要素もあり、いい意味で予想を裏切られる感が満載。とにかく30分がアッと言う間に過ぎていきます」

 これだけ盛りだくさんの内容でも、とっちらかることなく視聴者を引っ張っていけるのは、確かに“森下脚本”の力が大きいだろう。

 加えて主演の桜井をはじめ、アイドルを演じる白石聖の演技もかなり評価が高く、キャスティングの妙もありそうだ。

「ネット上では〈こういう作品を待っていた!〉という声も多い。民放も見習うべき点が多そうですが、スポンサーを説得するために、原作コミック、小説の人気に頼らざるを得ない部分もある。オリジナル作品が減っているのはそのせいで、それでは脚本家も育ちませんが、民放にはなかなかリスクを取れるテレビマンがいませんからね」(在京キー局関係者)

 皆さまのNHKに頑張ってもらうしかないか。

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