二宮和也は結婚相手の名前非公表 女性ファン心理への配慮

城下尊之【芸能界仕事術】
嵐の二宮和也(36)が結婚を発表した。公式のファンサイトに、ファンへの報告という格好でコメントをしたが、記者会見などは行わないとしている。
ジャニーズのタレントは結婚を明らかにする場合、コンサート会場のトークであったり、ファンクラブ会員のところへ封書が届いたり、また今回はサイトでの表明と手法はさまざまだが、ファンを一番にしてほぼ同時に、いつも取材に来ているマスコミに知らせるという慣例になっている。
二宮の結婚については芸能マスコミの間では既定路線ではあったが、時期がいつになるのかだけが分からなかった。僕は嵐の無期限の活動休止となる2020年末が過ぎ、明けて21年のそれぞれのメンバーがソロ活動に入って落ち着いた頃に違いないと思い込んでいたので、今回の発表には驚かされた。
まぁ、相手の年齢が二宮より2歳年上の38歳で、子づくりのことを考えると、結婚を決断したのなら「なるべく早く」と考えたのかもしれない。
ただ、今回の発表、二宮のコメントには、相手について何の記載もなかった。一般人なので名前は記載しないという立場を取ったわけで、それを事務所の圧力と邪推する声もあるが、スポーツ紙も2歳上の元女子アナという表現にとどまった。
実はこれ、男性アイドルの結婚発表の仕方としては、この方がいいと僕は考えている。男性アイドルと女性ファンというケースは、“疑似恋愛”をしている意識が根底にある。楽曲が好き、演技が好きだからファンになったという次元を超えている。簡単に言うと、すべての憧れの存在だ。それが、急に恋人が遠くへ行ってしまった感覚になってしまうと、「〇〇ロス」という言葉になる。
少し前も福山雅治の熱狂的なファンに聞いたのだが、「アイドルも一定の年齢になれば結婚するのも当たり前。結婚してもファンはやめない」とさも当然とばかり話していたのに、本当に結婚してしまうと、「ファンクラブはやめないけど……、妙にシラけている自分がいるのね」と熱量が変わっていた。それまではコンサートツアーに何日間連続しても行きたかったのが、「今年は1回行けばいいかな」と変化してしまったそうだ。特に相手が女優だったりすると、その顔が思い浮かんで圧倒されてしまうという。
二宮の場合も、多くのファンが相手のことを知ってはいるが、公表しないという体裁を取れば、よほどの問題でもない限り、顔写真入りの報道などはされない。実体をなるべく薄れさせることが、実は重要だったりすると思う。
無論、嵐は国民的アイドルでもあり、たとえ二宮クンのファンであっても、「全メンバーが大好き」という子が多いから心配は無用だろうが、それでもなお、危機管理的には相手のにおいを消す動きが重要になってくると思う。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)
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