座席収容率「100%で飲食なし」「50%で飲食可」どっち?

更新日:2020-09-25 17:03
投稿日:2020-09-25 17:00
ある平日夜のTOHOシネマズは客入り上々(C)日刊ゲンダイ
ある平日夜のTOHOシネマズは客入り上々(C)日刊ゲンダイ

 全国の観光地が賑わいを取り戻した4連休のシルバーウィークだったが、映画界は直前に混乱せざるを得ない事態に直面した。政府や関係省庁による映画館のチケット制限販売の緩和の方針が揺れ動いたからだ。

 全国の映画館は5月下旬から順次再開したが、新型コロナウイルス感染防止のため、座席数を50%以下に間引きしチケット販売を行ってきた。それが、9月19日からのイベントなどの観客制限緩和措置に伴い、映画館も一気に100%までのチケット販売が可能になるかに見えた。しかし、そうはならなかった。政府、関係省庁の方針が一定せず、映画界は振り回されたのだ。

 映画館の関係団体である全興連(全国興行生活衛生同業組合連合会)は同14日、座席100%までのチケット販売を可能とする指示を加盟する興行各社に通達した。この時点で大手のTOHOシネマズやイオンシネマなどを除く興行会社は、19日から各シネコンで全席販売を行えるように動き出し、各作品上映の3日前あたりから座席予約が可能なように準備を始めたのである。

■今年最大クラスの話題作「TENET」に期待

 ちょうどタイミング良く、今年最大クラスの話題作である米映画の「TENET テネット」が、18日から公開の運びでもあった。邦画の大ヒット作は何本か登場しているものの、依然として厳しい興行状況が続いている。座席50%以下のチケット販売は、その大きなネックになっていたため、各興行会社は全席販売可能に加え、「インセプション」などで実績のあるクリストファー・ノーラン監督の新作公開に大きな期待をかけた。

二者択一を迫られる映画館

 ところが数日後、厚労省からある通達が全興連側にあった。座席50%を超えて販売する場合は、飲食を控えるようにとの指示である。これが混乱の原因となり、映画館側は二者択一を迫られた。「100%以下の販売で飲食なし」か「50%以下の販売で飲食可能」か。その後、飲食のうち飲み物のみが持ち込み可能になったが、各興行会社が対応に追われたことに変わりなかった。この時点では飲食に関する制限を設けず、全席対応で9月19日のチケットを販売しているシネコンもあった。実のところ、当初の方針からの変更によるこの二者択一は、興行側にとって売り上げを左右しかねない重要な選択だったのである。

 理由の一つとして、映画館にとって飲食販売は非常に大切な収入源であることが挙げられる。シネコンでは売り上げ全体(興収含む)の約20%がコンセッション(売店)によるものだという。全席対応にして飲食の売り上げが減少する場合と、50%以下で飲食を可能にする場合、どちらが映画館にとって全体の売り上げ増につながるか。この判断はなかなかに難しい。

 上映作品自体の興行力も影響する。観客側からすれば、映画館での映画鑑賞は飲食とともにあるという考え方もあろう。映画を見ながらマスクを外しての飲食に不安を覚える人もいることだろう。コロナ禍での営業再開以降、50%以下だから安心して映画館に行くことができたと感じていた人も結構多いと思われる。

 換気は十分でマスク着用、会話もない映画館だとはいえ、隣に人がいることに不安感を覚える観客も当然いるということだ。逆に「TENET」クラスの作品であれば、座席が満席でも大丈夫という人もいるだろう。まさに人それぞれというわけだが、当分の間は興行会社あるいは映画館ごとで対応が違う状態が続くと見ていい。どこを選ぶかは観客の自由だ。

 とにかく混乱のシルバーウィークは、揺れ動いた緩和の方針に振り回された結果である。秋から冬に向かって感染の先行きは今のところ不透明だ。全国的な映画館の休業があり、再開の見通しが立ったものの、限定的な興行を強いられ、変則的な興行の形が続く。もちろん、以前に戻れないのは映画界だけの話ではない。コロナ対策を最優先するとした新政権だが、前政権の継承のまま、その対策はいまだ手付かずである。ミニシアターの現状には触れなかったが、映画界は今回のケースを一つの教訓にもっとさまざまな声をあげていいのではないか。

エンタメ 新着一覧


FILM
 キャスターの唐橋ユミ(46)が自身の誕生日でもある22日、都内で新著「会話は共感力が9割」(徳間書店)と歌手デビュー曲...
2020-10-24 17:03 エンタメ
FILM
 大みそかの「第71回紅白歌合戦」の総合司会に「ウッチャンナンチャン」の内村光良(56)が内定したと一部スポーツ紙が報じ...
2020-10-24 17:03 エンタメ
FILM
「大丈夫、大丈夫」と、明石家さんま(65)が励ましてくれたとし、俳優活動を再開した小出恵介(36)は「婦人公論」でのイン...
2020-10-24 17:03 エンタメ
FILM
【芸能記者稼業 血風録】#84  東京・青山にあった竹下景子の自宅マンションに前日の夜に入った広告カメラマン・関口照生...
2020-10-24 17:03 エンタメ
FILM
【奇妙?単純? 韓流の方程式】#2  韓国が「BTS(防弾少年団)」の兵役問題で揺れている。BTSといえば、いまや世界...
2020-10-24 17:03 エンタメ
FILM
【芸能界ぶっちゃけトーク】  先日、出演映画の舞台挨拶に、8月に杏と離婚した東出昌大(32)が登場した。  この映画...
2020-10-24 17:03 エンタメ
FILM
【今週の「エール」豆知識】  第19週で古山裕一(窪田正孝)は劇作家・池田二郎(北村有起哉)や長崎の医師・永田武(吉岡...
2020-10-24 17:03 エンタメ
FILM
 今月18日深夜、欅坂46から改名した櫻坂46の新冠番組「そこ曲がったら、櫻坂?」(テレビ東京系)内で、1stシングルの...
こじらぶ 2020-10-24 10:31 エンタメ
FILM
 菅野美穂(42)が来年1月期ドラマ「ウチの娘は、彼氏ができない!!」(日本テレビ系)に主演する。夫の堺雅人(46)の主...
2020-10-23 17:03 エンタメ
FILM
 女優・宮崎美子のビキニ写真が世間を一瞬のけぞらせ、拍手喝采を浴びている。 「1958年生まれ、61歳でビキニ姿を披露...
2020-10-23 17:03 エンタメ
FILM
 活動休止まで約2カ月。いよいよカウントダウンに入った嵐。その嵐のリーダー、大野智(39)の元カノと、“口止め”誓約書の...
2020-10-23 17:03 エンタメ
FILM
 27日にスタートする連続ドラマ「姉ちゃんの恋人」(フジテレビ系)で有村架純(27)が女優として新境地に挑戦する。有村が...
2020-10-23 17:03 エンタメ
FILM
 又吉直樹の小説「火花」のヒット以降、出版界は“二匹目のドジョウ”探しに力が入っている。  芸能プロ側もタレントや芸人...
2020-10-23 17:03 エンタメ
FILM
【それでも物書きになりたい君へ】#4  作家になりたいという大学3年生の青年とメールでやりとりするようになり、改めてた...
2020-10-23 17:03 エンタメ
FILM
 女優の長澤まさみ(33)が“CM長者”になりそうな勢いだ。  発売中の「週刊ポスト」の「最旬女優CMギャラ(秘)ラン...
2020-10-23 17:03 エンタメ
FILM
【スリムクラブ「僕らでもナンクルなりました」】#29  みなさんお元気でしょうか? 真栄田です。世の中、急にキレる人っ...
2020-10-23 17:03 エンタメ