「半熟!味付きうずらの卵焼き」極意は“お湯で温めておく”

コクハク編集部
更新日:2021-10-04 06:00
投稿日:2021-10-04 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の鳥割烹「鳥田中」の田中惣一郎さんに、心も胃袋も幸せに満たされる「半熟!味付きうずらの卵焼き」のレシピを教えていただきました。

濃厚な黄身が口の中でとろけ出る

合うお酒=日本酒、焼酎、ビール(C)コクハク
合うお酒=日本酒、焼酎、ビール (C)コクハク

 うずらの卵の処理で専門店の極意を2つ。

「調理する前にあらかじめ、お湯に漬けて温めておく。そうすると割れにくくなるんですよ。加熱後の殻むきは完全に冷やしてから。半熟卵でも破裂せず、きれいにむくことができます」

 うずらの卵の味は鶏の卵に比べるとさっぱり。6時間から半日ほど漬け汁に漬け込んだものをそのまま頬張るのも、もちろんいいですが、串に打って、ほんのりと温めると味わいがより際立ちます。

 あれ! よく見ると串は2本使い!

「むかしは1本だけで刺してお出ししていたのですが、お客さまが食べる際、心もとない様子だったので、それ以来、お店のうずらは串を2本使っているんです」

 そんな話を聞きながら食してみると、濃厚な黄身が口の中でとろけ出て……ああ、心も胃袋も幸せに満ちていきます。

材料

・うずらの卵  1パック

【A】
・濃い口しょう油 200㏄
・みりん 200㏄
・上白糖 40グラム
・水 440㏄

レシピ

(1)うずらの卵はお湯をはったボウルに入れ、温めておく
(2)鍋にたっぷりのお湯を沸かす。菜箸などでかきまぜて渦をつくり、1を静かに入れる
(3)時折、木べらなどで静かに卵を回しながら、1分30秒茹でる。ざるに上げ、氷水に取る
(4)完全に冷えたら殻をむき、表面についた水気をふき、【A】の漬け汁に漬ける
(5)串に打ち、オーブントースターで温めて出来上がり

本日のダンツマ達人…田中惣一郎さん

▽田中惣一郎(たなか・そういちろう)
 1962年、東京生まれ。高校卒業後、東京の下町で料理人としての修業を始める。23歳の時、新橋「京味」へ。ふぐ調理師職人として板場に立ち、故・西健一郎氏から仕事を学ぶ。37歳で独立し恵比寿に「和食 ごっ惣」を開店、2017年に現在の地で、京都の地鶏と野菜を中心としたおまかせのコース料理屋「鳥田中」をオープンさせた。

▽鳥田中(とりたなか)
 京味の技法を生かしながら、西氏から常日頃聞かされていた「素材の持つ味を大切に」を実践する予約困難の超人気店。できるだけ邪魔せず、できるだけ丁寧に、「選んだ素材の良さをお客さまへと伝えたい」と、優しい味わいの料理を提供している。コロナ禍で予約販売した「地鶏焼鳥弁当」も即完売。妥協しない味と芸術的な美しさで客を魅了した。東京都墨田区墨田3―25―7。

(日刊ゲンダイ2021年9月29日付記事を再編集)

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