女性も楽しめる吉原…遊郭専門の書店「カストリ書房」の魅力

内藤みか 作家
更新日:2019-03-11 16:44
投稿日:2019-03-11 00:00
 お江戸吉原といえば、かつては遊郭街があった場所。でもそこが今の東京のどの辺りかを正確に言える人はあまり多くはありません。位置と合わせ、そのエリアに2016年から遊郭本のみを扱った珍しい書店がオープンし、とても魅力的な本が並んでいることも、ぜひ知っていただきたいです。

浅草から歩いていける吉原

昭和ムード漂う「カストリ書房」店内(撮影:内藤みか)
昭和ムード漂う「カストリ書房」店内 (撮影:内藤みか)

 かつて吉原として栄えたあたりは今は、住所でいうと台東区千束あたり。日比谷線の三ノ輪駅から歩くと10分ほどでたどり着けます。浅草駅からも徒歩20分ほどのどこか昔懐かしいムードが漂うこのエリアに「カストリ書房」ができたのは2016年の秋。店長の渡辺豪さんが集めた遊郭に関する書籍が並ぶ、テーマ書店なのです。

 以前遊郭だったあたりに遊郭の書店を開くという素敵なコンセプトはもちろん、その品揃えに魅せられ、私は以前より何度もこちらに寄らせていただいています。私は女性なのですが、男女の秘め事が行われていた遊郭への関心が以前よりかなり強く、「男おいらん」という舞台の脚本や小説を書いてしまったほど。

現在の吉原には遊郭の名残りが

吉原神社(C)コクハク
吉原神社 (C)コクハク

 以前より吉原には一度行ってみたかったのですが、女の私にはなかなか勇気がいることでした。なぜならば現在の吉原は遊郭の名残りなのか、何軒ものソープランドが並んでいるエリアだからです。そこで働いているお姉さんのフリをして歩いてみることもたくらんでみたのですが、素人だし、すぐに見破られてしまいそうで勇気が出ませんでした。

 けれどこうして書店ができたことで「本を買いに来たんです」という顔をして通りを堂々と歩けるようになり、俄然行きやすくなりました。近くにある遊女たちがお参りした吉原神社にひとりでお参りするのも怖く無くなったのです。なのでこのカストリ書房さんにはとても感謝しています。そしてなによりここでしか買えない本がたくさんあるのが魅力的なのです。

ドキドキな資料がいろいろ!

 カストリ書房にあるのは、以前全国各地に存在していた遊郭街に関する書物たち。新刊も古本もありますが、私が狙って購入しているのは遊郭の資料と、身を売ることについての実態が書かれた本。たとえば4冊セットの『業態者集団地域ニ関スル調』は昭和8年から13年の内務省や厚生省が私娼について調べた統計資料。全国各地のどの辺りに何軒あったかなどが書かれているので、小説を書くときの助けになりそうです。

 他に購入したのは『愛人バンクとその時代』『閉じられた履歴書 新宿・性を売る女たちの30年』など。気になるタイトルがズラーッと並んでいるのだからどれもこれも目を通してみたくて胸が躍ります。私は電子書籍派なのですが、先の統計資料などはおそらくここでしか買えない限定ものだろうし、古本は大抵電子書籍になっていないので、いそいそと買って帰っています。

オリジナル商品も昭和風

オリジナル小物やシールも素敵(撮影:内藤みか)
オリジナル小物やシールも素敵 (撮影:内藤みか)

 この書店さん、芸が細かくて、行くたびに昭和風のオリジナル小物も増えています。今回は、昭和の雑誌の表紙ガチャが! どんなお色気女子を引くかと思ったらまさかの花魁(おいらん)表紙に狂喜してしまいました! 

 さらには昭和の雑誌などで使われていた手書き文字でのオリジナルシールも。実際に書いていたかたを探し当て、描いていただいたというからすごいです。衝動買いしたので、何に使おうか楽しく妄想しております♪

 遊郭専門書店でこのようにウフウフ愉しむ女は私くらいのものかと思っていたのですが、店長さんに聞いてみたら、女性客もかなり来店されるのだとか。しかも20〜30代のかたが立ち寄られているとのこと。彼女らは純粋に遊郭というカルチャーに関心を持っているのだそうです。

 日常ではなかなか目にすることができないものがあれこれ目に飛び込んでくる快感。たまらないお宝発見感覚があるんです。もしかしたら秘宝館に行く時と近い感覚もあるのかもしれませんね。皆様も浅草近くに行かれた際は、ぜひノゾいてみてくださいね。

内藤みか
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作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
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