お正月飾りっていつまで飾るの? 片付けるタイミングと方法

斑目茂美 開運花師
更新日:2022-01-05 06:00
投稿日:2022-01-05 06:00

まもなくお片付けのタイミングでございます

どうすればいい?
どうすればいい?

 お正月に飾ったお花や門松、しめ縄、注連飾りなど、毎年のことながら片付けるタイミングはいつなのか、どうやって処分をしたら良いのかと、迷ってはいらっしゃいませんか?

 お正月に飾った生花はそろそろ劣化が始まっていたりするのでわかりやすいですが、枯れることのないしめ縄や注連飾りなどについては、片付けるタイミングがわからずにモヤモヤしていらっしゃる頃かと思います。

 とはいえ、そろそろそんなモヤモヤごと片付けるタイミングの時期が近づいてまいりました。

 なんとなく縁起が悪そうな予感がしながらも、「わからないからゴミ箱に捨ててたわ」というアナタ。えぇ、お察しの通りそれは縁起が悪いのでござんすよ~。

 ということで今回は「今の時代に合ってます? お正月花の片付け方」の解説でございます。

お正月飾りを片付けるタイミングっていつですか?

枯れるまで飾ってもいいんでないかい?
枯れるまで飾ってもいいんでないかい?

 お正月飾りは、絶対にこの日に片付けなければいけない“決まった日”というものが実はございませんが、ある程度の目安になる“片付けタイミング”というものがございます。

 正月飾りもお正月花も片付けるなら「松の内」という考え方が、一番オーソドックスでございます。「松の内」とは、実は大きく分けて関東と関西では日にちが違います。関東では松の内は1月7日まで、関西では1月15日までとされております。

 地域によってはそれ以外の日にちもございますが、だいたいの目安はこんな感じでございます。

 ですが、関東での「松の内」が明ける1月7日となれば、お正月に飾った生のお花などはまだまだ元気で、処分するにはちょいと気が引けます。

 私としては「処分するのは枯れたらでいいんでないかい?」と思っておりますが、花屋などワタクシのようなお花に携わる者にとって、お正月の花は「小正月」まで(1月15日)とされており、それ以降は「若干恥ずかしいことである」という認識がございますので、店内商品も15日にはすべて取り換えるのでございます。

「小正月」ってなんですか?

猫缶をチンしてくれたけど、ヤケドして正月早々病院行きでエライ目あったわ byさぶ店長
猫缶をチンしてくれたけど、ヤケドして正月早々病院行きでエライ目あったわ byさぶ店長

 そういえば、「小正月」といわれてもご存じない方が多いのですが、1月1日を「大正月」、1月15日を「小正月」と呼びます。地域によっては、1月14日から16日の3日間を指す地域もございます。

 かつて日本では月の満ち欠けを1カ月の基準として暮らしていたため、新月の日を1日、満月にあたる日を15日、次の新月の日までを1カ月としておりました。

 満月には特別な力があると考えられており、旧暦の1月15日は新年はじめての満月にあたることで、この日を一年の始まりである正月として祝っていたんですね。

 小正月である1月15日は、歳神様をお迎えして祝う1月1日の大正月と比べると、さまざまな行事がございます。

 たとえば、五穀豊穣を祈る(小さく切った紅白のお餅を柳や枝に差した“餅花”の枝を、神棚や室内、玄関に束にして飾る)、吉凶占い(粥占いなど)や悪霊祓いで無病息災を祈る(厄祓いの赤い小豆を使った小豆粥やぜんざいを食べること)など、地域による民俗行事も含めれば、たくさんの行事がございます。

お正月飾りを燃やす「どんど焼き」の思い出

お飾りを燃やした煙で…(写真:iStock)
お飾りを燃やした煙で… (写真:iStock)

 その中でも、比較的なじみのある全国行事として「左義長(さぎちょう)」がございます。これは「どんど焼き(どんどん焼き)」のことであり、これは書き初めやお正月飾りを燃やす行事のことでございます。

 この煙とともに歳神様は天にお帰りになると考えられており、この聖なる炎で焼いたお団子やお餅を食べることで、無病息災と厄払いを祈ります。そしてお守りや門松などの玄関飾りや注連飾りなどは、このタイミングに片付けて燃やすのでございますのよ。

 ただ、今は環境問題や運営者不在などさまざまな理由から、そんな日本古来の行事が少しづつ姿を消してきております。

 ワタクシが子供の頃は、「どんど焼き」が当時地域ごとに存在していた子供会や自治会主導での年明け最初の行事として、やたらとポピュラーでございました。

 お飾りや門松を積み上げ、キャンプファイヤーのように燃え盛る山で焼くのは、地元のおじいちゃま&おばあちゃま軍団が張り切って作ってくださった赤や白、緑など枝に付けたカラフルなお団子。枝の先に付いているとはいえ、微妙に短い枝を炎に近づけると、炎の勢いが凄すぎてお団子が焼けるのが早いか、自分の前髪が焼けるのが早いか、ある意味命がけの恐ろしい燃えっぷりだった記憶がございます。

 確かに楽しくもありましたが、「もう少し枝の選定を考えてくれ! 頼む!」と、子供心に毎年感じていたことを今でも思い出すのでございます。

「どんど焼き」がない場合は…

お焚き上げをしてもらえるか確認を(写真:iStock)
お焚き上げをしてもらえるか確認を (写真:iStock)

 “私の地元では「どんど焼き」はやらんのじゃ”というアナタ。

 そんなアナタにはお焚き上げをしてくれる神社がお近くにあれば、そちらでお納めくださいませ。その際は、針金を使ってある造花や装飾品は取り外してからがベター。お焚き上げをしてくれる神社か否か、事前に確認をしてからをオススメ致します。

 また、それすら困難というアナタ。

 地域の分別ごみのマナーに従って、分別後、しめ縄など燃える物は広げた白い紙や布などに置いて「右・左・中」と塩でお清め。その後は丁寧に包んで、ほかのゴミとは分別した袋で処分すればOK。お正月に飾った生花も、同じ方法で処分すれば問題ございません。気になるようなら、お神酒を振りかけてもOK。これで、罰当たりな処分にはならないはずでございます。

 ご安心くださいませ。

 どうです?「処分タイミング」のナゾは解けましたか?

 素敵なお正月飾りにてアナタのお家にお迎えした歳神様に、ご満足して天上にお帰りいだたきたいものでございますな。

 今年一年がアナタにとって素晴らしい年でありますことを……遠いお空の向こうでお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
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開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

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