「ポークソテー」どどーん!厚さは2cm以上、噛むほどにうま味が♡

コクハク編集部
更新日:2022-03-29 06:00
投稿日:2022-03-29 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・人形町のビストロ「ラ ブーシュリー グートン」の郷卓也さんに、ジューシーに仕上げる「ポークソテー」のレシピを教えていただきました。

焼くなら厚さ2センチ以上で!

合う酒=赤ワイン(C)コクハク
合う酒=赤ワイン (C)コクハク

 この店のトレードマークは、向かい合った2頭の豚の向こう側にそびえる富士山で、店内の黒板には、L=ランドレース、Y=中ヨークシャー、B=バークシャー、D=デュロック、H=ハンプシャー、W=大ヨークシャー、と豚の6原種が書かれています。そう、自慢は豚肉料理なんです♡

「富士山の麓で豚の品種交配をしている生産者さんと出会い、日本の豚肉のおいしさを知りました。それを多くの人に伝えたいなと」

 スペシャルな豚肉料理の1品目は、豚肉そのもののおいしさを味わうポークソテー。ランドレース、バークシャー、中ヨークシャーの交配種、LYB豚のロースのソテーは、美しいロゼ色で、たっぷりの脂身の甘さ、しっとりとしてきめ細やかな肉質はさすが。噛むほどに顎の奥からうま味が湧いてきて、たまらなくおいしい!

「ポークソテーは少し厚みがあるほうがおいしいので少なくとも2センチ以上のもので。ジューシーに仕上げるポイントは、火が完全に入りきる直前に肉を引き上げ、アルミホイルに包んで余熱で火を入れること。豚の脂をたっぷり吸った付け合わせのキノコとタマネギのソテーをソース代わりに召し上がってください」

 バターのコクと風味が赤ワインと実によく合います。

「タンニンと果実味のバランスがちょうどいい、マルベックという品種の赤で、シェフが修業した南仏カオール地方のワインです」

【材料】(2人前)

・豚ロース肉(厚さ約2~3センチ=1枚200グラム) 2枚
・新タマネギ 1個
・キノコ(お好みのもの。今回はシメジ、マイタケ、エリンギ) 120グラム
・ニンニク 1片
・バター 10グラム
・シェリービネガー(または赤ワインビネガー) 大さじ2
・塩、こしょう 適量
・パセリ(みじん切り) 適量

【レシピ】

(1)豚ロース肉は室温に戻し、焼く直前に塩、こしょうをふって下味をつける。

(2)新タマネギはくし切り、シメジとマイタケはほぐし、エリンギは食べやすい長さに切ってほぐす。ニンニクは包丁の背でつぶす。

(3)大きめのフライパンを中火で熱し、豚肉の脂身を下にして、トングなどで立てて焼く。空いたところに②を入れ、豚肉の脂を吸わせるようにしながら同時に焼く。
※豚肉に脂身が少ない場合はサラダ油(またはオリーブオイル)を適宜加える。

(4)脂に軽く焼き色がついてきたら、豚肉を倒して両面を焼く。タマネギとキノコもさらに焼く。

(5)豚肉の表面がふっくらとし、触ってみて弾力が出てきたら、フライパンから豚肉を取り出し、アルミホイルに包んでしばらく休ませる。取り出すタイミングは、まだ豚肉の中心まで火が完全に入り切っておらず、あともう少しかなという状態で。

(6)5のフライパンにバターを加え、タマネギとキノコを炒めて塩、こしょうをふる。仕上げにシェリービネガーをまわしかけてさっと炒め、刻んだパセリを加え、まぜ合わせる。

(7)皿に6を盛り、5の豚肉をのせ、こしょうをふる。

本日のダンツマ達人…郷卓也さん

▽郷卓也(ごう・たくや)
 1982年、東京都出身。高校卒業後、洋食店での勤務をきっかけにフランス料理を志し、20歳のときにフランスで2週間食べ歩く。帰国後、東京・丸の内「ブラッスリーオザミ」のオープニングスタッフとして入社。3年間の修業後、渡仏して2年間修業。帰国後、六本木「ブーケ・ド・フランス」で研さんを積み、恵比寿「ル ビストロ」のシェフを経て、2015年に人形町に「ラ ブーシュリー グートン」をオープン。

▽ラ ブーシュリー グートン
 店名の「ブーシュリー」は「肉屋」、「グートン」は「食べる」を意味するフランス語。古代種豚の中ヨークシャーのほか、交配種のLYB豚、希少な満州豚や国産のマンガリッツァ豚など、常時3~4種類の豚肉料理が楽しめるビストロ。ワインはすべてフランス産で、ワインのセレクトとサービスを担当するマネジャーの藤田一さんの軽妙なトークも楽しい。

東京都中央区日本橋富沢町10-15 勢州屋本店ビル1階

(日刊ゲンダイ2020年2月11日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


中華の定番!「トマトの卵炒め」はケチャップと火加減でプロ級の一皿に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・富士見ヶ丘の「HONGKONG DININ...
生○○の罪よ…もうウブな舌には戻れない!美味すぎる「生胡椒」の塩漬け
 終わりが見えない物価高と値上げラッシュの一方で、上がる見込みがとんとないマイ給料。  家計のスリム化のため、泣く泣く...
KALDI不動の人気NO.1白ワインの実力を調査! あっ失敗しちゃった…?
 年越しそばにおせち料理、お雑煮など、年末年始の「和」の味わいを満喫して、そろそろザ・洋食的なクリーム系のものを欲してい...
市野瀬瞳 2024-01-17 06:00 フード
餅チーズカレーうどんは中毒性あり!ジャンク上等、つゆまで飲み干したい
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れる、まんぷく連載「およねの爆速!...
およね 2024-01-15 06:00 フード
【2023年人気記事】ハリボーのクマに洋酒を吸わせたらプルンプルン!
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...
2024-01-02 11:44 フード
鍋とワインで1000円以下!無印「養生鍋」にはセブンの辛口ロゼが最適解
 あったか~い鍋で身体を温めたくなる季節。毎年この時期になると市販のいろんなスープで自宅鍋を楽しむ私ですが、先日『今シー...
市野瀬瞳 2023-12-27 06:00 フード
【個包装の鉄板手土産3選】220円~購入可、ちょっとしたお礼にも重宝
 お世話になった方へのお礼、ホムパの手土産、実家・義実家への帰省、女子会の集まり…。年末から年始にかけて、ちょっとした贈...
生麺ゆでずに水洗い!? 即席わかめラーメン、基本ノンオイルver.が旨ウマ
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れる、まんぷく連載「およねの爆速!...
およね 2023-12-18 06:00 フード
飛行機が見える「上島珈琲店」で意識高い系朝食→足りずに追い注文!
 一日の計は朝ごはんにあり。今日は、「上島珈琲店」にお邪魔しましたよ。
ドイツはワインの宝庫!カルディで1000円台前半で買える“神旨”ゼクト
 北海道よりも寒い世界北限のブドウ産地、ドイツ。今ここで造られるワインが、地球温暖化の中、ワインラバーたちに注目されてい...
市野瀬瞳 2023-12-13 06:00 フード
マックのハンバーガーは冷凍一択!? 強者に聞く正しい方法と解凍後のお味
 世界100カ国以上の国で展開するマクドナルドは「マック」や「マクド」の愛称でも親しまれ、老若男女問わず、世界中の人々か...
2023-12-08 06:00 フード
「牡蠣のブルスケッタ」溶き卵に守られたぷりぷり食感が絶品
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・芝大門の「都映」の水谷大輔さんに、海のエキ...
冷凍野菜で爆速トマト汁ペンネ。ズボラの完全めし、カップスープ越え!
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れる、まんぷく連載「およねの爆速!...
およね 2023-12-04 06:00 フード
チリ産ワインはなぜ安い? ワンコインで買えて、ポテサラにも合う衝撃!
◇  じゃがいも料理の王道といえば? みんな大好き♡ポテトサラダ。  ご家庭でイチから作る方もいらっしゃ...
市野瀬瞳 2023-11-29 06:00 フード
「芹と蟹 蟹味噌和え」調味料不要!芹は冷水に浸して2度絞ると色良くなる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・麻布十番の「可不可」の宮下大輔さんに「芹と...
あの店を超えた!? 明太クリームうどん。調味料1つ+レンチン5分で完成
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れる、まんぷく連載「およねの爆速!...
およね 2023-11-20 06:00 フード