乃木坂46秋元真夏が炎上…本当に性的マイノリティをネタに?

こじらぶ ライター
更新日:2022-04-07 09:48
投稿日:2022-04-07 06:00

生田絵梨花と2Sで「式を挙げました」とエイプリルフール投稿

生田との挙式画像投稿で炎上した秋元。本当に「性的マイノリティ」をネタにしたのか/(C)日刊ゲンダイ
生田との挙式画像投稿で炎上した秋元。本当に「性的マイノリティ」をネタにしたのか /(C)日刊ゲンダイ

 今月1日、乃木坂46の秋元真夏(28)が自身のInstagramで、「この度、友人の生田絵梨花と式を挙げました」との一文に「#エイプリルフール」と添え、元メンバー生田絵梨花(25)とのウェディング風のツーショット画像を投稿。これが同性愛をネタにしている、と主に一部の性的マイノリティ当事者から批判を集めた。

 そして、「HUFFPOST」(2022年4月2日配信)では性的マイノリティ当事者である専門家から「マイノリティの特性を一方的に利用し、消費していると言わざるを得ない」と糾弾された。

 エイプリルフールは「嘘をついても良い日」という前提のもとで、専門家曰く、「『嘘』でより多くの注目を集めるためには、『あり得ないこと』が冗談としてネタに利用されやすく、差別意識や偏見が顕在化しやすい」とのことだ。

 また、性的マイノリティではない人が、そうであるかのように匂わせる発信をして世間の注目を集める「クィア・ベイティング」ではないかとも指摘されている。

アイドルGに散見される“カップリングビジネス”

騒動となった秋元と生田の挙式画像/秋元真夏Instagramより
騒動となった秋元と生田の挙式画像 /秋元真夏Instagramより

 そうした見方をされてしまった背景には、アイドルグループではしばしば、ファンの“萌え要素”として「カップリング」が商売的に利用されてきた歴史がある。BLや百合文化が広く市民権を獲得してきた中で、同性メンバー同士がカップルのように「いちゃいちゃ」している様を発信することで注目を集めたり、ファンを喜ばせる手法だ。運営主導のものもあれば、メンバーが自発的にアピールする場合もある。

 これがはっきりとした「商売」である場合には、多くは2人のどちらかがグループを離れると、パタリと交流が発信されなくなる。2人はいわゆるアイドル界隈での「ビジネスカップル」だった、となる。

 仮に秋元と生田が「ビジネスカップル」である場合には、今回の専門家の指摘は当てはまるところも多い。ただ、多くの乃木坂ファンが「2人の関係性を知りもしないで叩かないで」と擁護しているように、2人が「ビジネスカップル」である可能性は低い。

 2011年のデビューから生田が卒業する21年までの10年の間、1期生の2人は屋台骨としてグループを支えてきた。

互いに支え合ってきた秋元と生田の関係

秋元と生田は乃木坂ツートップが卒業後もグループを支えた/(C)日刊ゲンダイ
秋元と生田は乃木坂ツートップが卒業後もグループを支えた /(C)日刊ゲンダイ

 西野七瀬(27)や白石麻衣(29)といった人気初期メンバーが次々と卒業し世代交代が推し進められたここ数年、周りが後輩だらけになった中でも、キャプテンである秋元の重圧を生田がフォローし、「歌のエース」として舞台を中心に外仕事が多い生田を秋元が支えてきた。

 19年に公開された乃木坂46のドキュメンタリー映画舞台挨拶では、秋元が“私、いくちゃんと付き合っているのかな”と錯覚したほどだと生田への愛を語った。

「生田絵梨花 乃木坂46卒業記念メモリアルブック カノン」(講談社)での2人の対談では、生田が愛情表現で秋元に絡みに行くことを“誰かに見せるためのエンタメではない”と断言し、人目やカメラが無いところでそうした絡みをしたい、秋元との関係に嘘をつきたくないと実直な想いを語っている。また生田卒業コンサートでは、秋元のことを「妻」と呼んでもいる。

生田卒業後も“いちゃいちゃ”発信

 生田卒業後も、現役時代と変わらず2人が体を寄せ合い、いちゃいちゃしているツーショットを秋元はInstagramで発信してきた。こうした2人の関係性がビジネス目的のものとは考えにくい。

 トップアイドルとして常人には考えられないほどのプレッシャーを抱え、苦楽を共にしてきた2人は、側から感じとれる以上に深く強い絆で結ばれているのだろう。

 そんな2人でウェディングショットを撮れたら嬉しい、という思いに嘘はないはずだ。ただ、平時にそれを公開したら、それこそ差別や偏見に満ちた悪意ある人々からどう言われるか分からない。だから、嘘であると受け止めてもらえるエイプリルフールにしか投稿できなかった可能性もある。

 多様性というのなら、2人のような“性別を超えた友愛”の延長である表現も認められても良いのではないか。

今回の炎上考察に抜け落ちていた視点

秋元への強い愛を語ってきた生田/(C)日刊ゲンダイ
秋元への強い愛を語ってきた生田 /(C)日刊ゲンダイ

 また、エイプリルフールは必ずしも冗談や悪ふざけといったネガティブな嘘ばかりではなく、「こうなったら素敵だろうな」という願望を含んだ嘘もある。秋元の投稿は後者であると思う。

 そして、前述の専門家が糾弾した中に一点、抜け落ちていた視点がある。それは2人が性的マイノリティ当事者かもしれない、という視点だ。

 秋元康プロデュース系のような多人数アイドルグループでは、ビジネスと関係なく恋人なのではないかと思われる2人組は多い。48グループの中には「恋愛対象に性別は問わない」と公言した人気メンバーもいる。

 またイベントMC中に、「このグループ内で数組カップルがいる」とうっかり口を滑らせたメンバーもいた。この時は、48グループでは異性・同性問わず恋愛禁止の誓約書を書かされていたこともあり、慌ててその発言を無かったことにしようと現場は取り乱していた。

 秋元と生田の関係がそれにあたるかは本人たちにしか分からない。ただ、多くの性的マイノリティ当事者が普段から「当然、異性が好きですよね?」と扱われることを嫌う中、その当事者である専門家が、「2人は当然、性的マイノリティ当事者ではない」との前提で差別と断定していることは気になった。

 2人が性的マイノリティかどうかは別にして、そこに差別的な意図があったとは皆目思わない。秋元は件の記事が配信されて以降も投稿を削除していない。

恋愛ご法度の現役アイドルが挙式投稿の“ジョーク”

 また騒動の最中に行われたファンとのオンライン交流イベント後、動画にて、涙目でファンの心遣いに感謝した。乃木坂46のキャプテンである彼女が、確かに差別的な意図があったと思えば、投稿を削除し謝罪しているだろう。

 秋元の投稿がはっきりとネタであるといえる箇所は、彼女が恋愛禁止の現役アイドルのまま式を挙げているところだ。これだけは、「ありえないこと」としてジョークと受け止めていいだろう。

 ただ、現実に「差別的だ」と感じた当事者がいたことも事実であり、投稿前にそうした可能性まで考えを巡らせ、専門家が提唱したように、性的マイノリティの社会的立場などへの問題提起にも繋げられていれば、伝わり方は異なったかもしれない。

 秋元には、それを踏まえた上で、これからも人それぞれ愛の形があるのだと、生田とのラブラブ画像を投稿し続けて欲しい。

こじらぶ
記事一覧
ライター
ジャニーズ、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ
和田勉が転生したら中村倫也に!? 強烈インパクトで霞んだ礼子娘の初登場
 東京ブギウギのヒットから9年、ブギブームも下火になってきつつある中、スズ子(趣里)や羽鳥善一(草彅剛)のブギは古いとい...
桧山珠美 2024-03-18 14:30 エンタメ
「光る君へ」主人公バージン喪失!大石静氏が描く平安エロ&バイオレンス
 NHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安中期の貴族社会を舞台に、吉高由里子演じる主人公のまひろ(紫式部)の生涯を描くもので...
沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー
 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。  「『残念プロフ...
堺屋大地 2024-03-16 06:00 エンタメ
NHK大阪が誘拐未遂事件をぶち込んだのなぁぜなぁぜ? かつ丼コント?
 誘拐犯が捕まってから、愛子(このか)は3日間も学校を休んでいた。スズ子(趣里)は、学校に行くようにと言うが、愛子は友達...
桧山珠美 2024-03-15 14:30 エンタメ
“テレ朝ドラマ”常連・ホンモノの刑事よりも刑事な内藤剛志、降臨!
 大野(木野花)が受けた電話は、3万円払わなければ、愛子(このか)を誘拐するという脅しの電話だった。そして、警察には伝え...
桧山珠美 2024-03-13 14:30 エンタメ
りつ子スパークのラインダンス必見!ワクワクズキズキと笑顔が溢れる回
 羽鳥善一(草彅剛)作曲二千曲記念ビッグパーティーの日が近づいてくる。羽鳥はスズ子(趣里)たちに、パーティーで余興をして...
桧山珠美 2024-03-11 15:30 エンタメ
“ユーミンドラマ”で見せたクソ女の夏帆、そして金子大地と中島歩に注目!
この投稿をInstagramで見る 【公式】「ユーミンストーリーズ」オムニバス夜ド...
真木よう子“まっけんセクハラ発言”はわざと?昭和の価値観をエンタメ化説
 ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(2007年/フジテレビ系)や『最高の離婚』(2013年/同)などでの演技が好...
堺屋大地 2024-03-09 06:00 エンタメ
第111回ブギウギの“三大なぁぜなぁぜ”…畑仕事する農家の手じゃない!
 梅吉(柳葉敏郎)が亡くなった。葬儀では松吉(木内義一)が号泣しながら、遺影の自慢をする。  そんな中、スズ子(趣...
桧山珠美 2024-03-08 15:50 エンタメ
死の間際までユーモア忘れず、父娘で歌った「父ちゃんブギ」
 久しぶりに香川に戻ったスズ子(趣里)は、梅吉(柳葉敏郎)が写真館を切り盛りし、繁盛していた話を聞く。梅吉が大切にしてい...
桧山珠美 2024-03-07 15:40 エンタメ
NHKさん、経費削減のあおりですか?スズ子の米公演シーンは写真だけ
 アメリカ行きを決めたスズ子(趣里)だったが、愛子(小野美音)は置いていかれることにすねてしまう。  旅立ちの直前...
桧山珠美 2024-03-05 15:35 エンタメ
“電撃婚”大谷翔平の心を射止めた妻はプロ中のプロ彼女。目標はダル夫婦?
 2月29日16時42分のことでした。NHKで衆院政治倫理審査会(政倫審)の中継を見ていたら、<大リーグ・大谷翔平選手 ...
【台湾ルポ】台湾人の祈り方「拜拜」が酔狂的でエキセントリックすぎる!
 日本からのアクセスも良く、週末や連休を利用して旅行が楽しめる海外として人気の「台湾」。台湾グルメを満喫したり、観光スポ...
2024-03-07 18:24 エンタメ
「買い物ブギ」圧巻のステージ!“キングカズ長男”覚醒、スズ子の虜に
 ワンマンショーに向けて稽古や衣装合わせが続く中、スズ子(趣里)は新しいマネージャーのタケシ(三浦獠太)の様子を見て不安...
桧山珠美 2024-03-01 14:30 エンタメ