夫への情を振り切り離婚を決断…子持ち女性の実録エピソード

東城ゆず ライター・エディター
更新日:2019-08-08 06:00
投稿日:2019-08-08 06:00
子供と2人で生きる覚悟ができたから…(写真:iStock)
子供と2人で生きる覚悟ができたから… (写真:iStock)

 突然ですが、「バツイチ・マルイチ」という言葉を皆さんは知っているでしょうか。これは、離婚を経験して再婚に至り、その婚姻関係が継続する女性を表す言葉なのです

 昨今、話題が絶えないのが、“夫婦の関係を維持することの難しさ”でしょう。近年の離婚率の高さは、月日が流れるほど上昇傾向にあるのが今の日本です。

 筆者も一度離婚を経験しています。今となっては平凡そのものの生活ですが、離婚を決断するまではげっそりと痩せてしまうほど“あらゆる消耗”をした離婚問題。近ごろは「過ぎたこと」と思えるくらい表情も明るくなった私ですが、そんな私に対し、周囲は「離婚を決断した時、怖くなかった?」「愛はなくても情はあるでしょう?」といった質問をしてくるようになりました。

 そこで今回は、筆者が離婚を決断した実録エピソードをコクハクしましょう。

離婚を決断する時は周囲や環境が厄介!

手続きがやっかいすぎる!(写真:iStock)
手続きがやっかいすぎる! (写真:iStock)

 離婚をする時に感じたのは「周囲や環境の変化がとても厄介になる」ということ。そこで、離婚する時に悩みがちなポイントや、不安に思ったことをシェアしましょう。

心ない一言「子供のことを考えていないの?」

 筆者は、認可保育園に0歳から子供を預けています。住んでいるエリアは待機児童が多く、「認可保育園を入れるには0歳での入園が確実」だったからです。その時も周囲からは散々「子供がかわいそう」「若くして子供を産むべきじゃないわ」と、心ない一言をもらいました。

「よその家のことは放っておいてほしい」が、なぜか通用しない。近所の人にも「昔は3歳までは親元で育ったのにねぇ」と非難されたりしました。

 子供は社会的弱者です。だからこそ、地域が一丸となって守るべき存在ですし、小さい子供は他人の子であっても、誰もが「可愛い」と感じるものです。無条件に可愛い子供の存在があるからこそ、母親として離婚という選択肢を考えた際、親族や同僚に「子供のために離婚を我慢しなさい」とか「夫はATMとして割り切りなさい」と言われ、とても傷ついたのを覚えています。

 なかには「シングルマザーの道は険しいから、子供に手を上げないでね」と謎の忠告さえ受けました。19歳で出産していることもあるのでしょうが、今から思えば失礼な話です。離婚を決断する時はただでさえナイーブになりがち。母親は子供の状況や感情を一生懸命に考えているのに、周りに非難されるのは辛いものです。

手続きが厄介すぎる

 母子家庭になるにあたり、日本の手続きの煩雑さにがく然としました。もともと離婚前から正規職員として介護施設に勤めてました。平日はもちろん仕事で、休日は子供を見なくてはいけません。

 離婚して親権を母親がつかんだとしても、戸籍はそのまま夫の籍にあります。それを動かすのには「家庭裁判所」に行かなくてはなりません。あちこち役所に回るのがとても大変でした。生命保険や免許の書き換え、住所の変更なども大変だったのを覚えています。

 名字を婚前に戻した友人は「通帳の名義変更とか、あらゆる名前の書き換えに疲れた」と話してくれました。改めて、結婚で名前が変わる女性は大変です。

親族絡みがうるさい

 離婚する時には、子供の親である夫婦以外に親族も登場します。当時の夫側の親族は「孫に会えなくなるんじゃ……」と、とにかく必死でした。これを説得するのには、とても根気がいりました。

「2人の問題だから」と離婚後に報告しようと思いましたが、当時の夫の会話でバレてしまったようで、「どういうこと!?」と強気でこられるのが、とてもこたえたのを覚えています。

仮にも夫に情はある

 愛情がなくなったとしても、どんなに喧嘩をしたとしても、夫には「これまで一緒にやってきた」という情があるものです。「いなくなったら後悔するんじゃ」とか「かわいそうかな?」と考えるのも女性ならでは。だからこそ、離婚の決断には時間を要するのではないでしょうか。

 育児にまるで協力がなく、家事も手伝ってもらえずという状況でも、「子供の父親」であることには変わりないので、筆者は、半年以上“離婚”について決断がつかずに悩んでいました。

迷いを振り切ってまで“離婚を決断”したワケとは

夫がいてもいなくても変わらない存在に…(写真:iStock)
夫がいてもいなくても変わらない存在に… (写真:iStock)

 そんな悩みを差し置いてまで、離婚を決断したワケについてシェアしましょう。

情で成り立つ夫婦が「かわいそう」

 介護施設に勤めていたころ、そこにはシングルマザーになった先輩がたくさんいました。やはり経済面で苦労したり、ワンオペ育児に音をあげることを心配してくださり、「お金だけでご主人との関係を割り切ってみて」「育児には担い手が多い方がいい」と言われたものです。

 しかし、筆者は「男性を利用することが嫌」でした。冷静に考えられない性格なのかもしれませんが、そんな考えで好きでもない男性と夫婦を続けることなんて、当時の筆者には「悪」だったのです。

 離婚が見えているのに、相手の時間を取るのは「かわいそう」だと感じましたし、その間に「相手にも出会いがあるだろう」と思ったのです。冷たい態度しか取れない妻と結婚生活を続ける方が、よほど子供にとっても当時の夫にとっても「かわいそう」で、私も我慢をするくらいなら「離婚しよう」と考えました。

母親としてのプライドがあったから

 これまで「子供にとっては本当のお父さんだから」と言われたことが何回もありますが、すごくひどい言い方をすると「本当の親が何?」と筆者は思っています。継父や継母と仲良く過ごし、結婚式の挨拶で感謝を述べている友人もいます。それに、他人であっても愛情を注ぐことはできますよね。

 親とワケあって一緒に暮らせない子ども、全てが「かわいそう」なのでしょうか。そうではないと思います。しかるべき相手に注がれる愛情があれば、子供は健全に育つと思いました。早朝に出て、深夜に帰って来る。そんな当時の夫の存在は「いてもいなくても変わらない」と思ったもので、「何がなんでも、いい子に育ててやる」と闘争心まで芽生えました。“いい子”の定義は、今思えば曖昧ですが(笑)。

離婚後の生活が想像できた

 離婚後の生活が想像できたのも大きかったかもしれません。筆者は、もともと介護施設に正規職員で働いていましたので、社会保険に加入していました。年金や子供の扶養については、問題がなかったのです。経済的にも節約が得意なので、母子手当を含め生活できそうでした。

 行政や民間のサービスでも、たくさんの母子サポートがあります。調べてみて「やっていけるかも?」と思えたのなら、その多くはシングルマザーとして生きていけるのだと思います。そのくらい、母は強いですね。

離婚を決断した後の生活とは

「子供が一番」という優先順位は曲げない(写真:iStock)
「子供が一番」という優先順位は曲げない (写真:iStock)

 その後のシングルマザー時代の話をよく聞かれます。離婚の決断について、今悩んでいる友人は「辛くなかった?」と聞いてきます。ニュースでシングルマザーが生活困窮の果てに子供を殺めてしまう悲惨な事件が報じられるのを見て、余計に不安になるのだと思います。

 しかし、筆者は「忙しかったけど、思いのほか楽しかったよ」と答えています。夫がいないことにより夜ご飯の手抜きができたり、帰宅時間を気にすることなく、子供と遊びに出かけられる。

 もともと夫と衝突気味だった日々から、人間関係の争いが一気になくなり身軽になりました。手続きや環境を整えるのは忙しかったのですが、一人で決められることも嬉しかったです。

 その後、シングルマザーの友人たちから「再婚相手の夫とは、どう出会ったの?」と、キラキラ目を輝かせて尋ねられます。ついでにお答えしておくと、出会ったのは「前の結婚からお世話になっていた職場」です。今の夫は最初から、筆者がバツイチであるという事実やシングルマザーということは周知事項でした(笑)。

「子供がいるから……」という理由で、デートをお断りしたり遅刻することができます。シングルマザーが離婚後に恋愛をするなら、最初から子供がいることは“絶対に伝えるべき”だとも実感しました。子供に後ろめたい思いを抱くぐらいなら、シングルマザーで恋愛をするのはやめておくべきです。

 離婚後、しばらくシングルマザーで過ごしてみて、離婚する女性に一番必要なことは「子供が一番」という優先順位を持つことだと思います。決してこの信念を曲げない決意が持てるなら、“離婚をしてもいい”と思います。

離婚を決断して後悔はありません!

 離婚を決断して、後悔はありません。子供が寝静まってから、静まり返るリビングで一人で晩酌しつつ、ゲームにふけった夜もありました。もともと単独行動が好きなので、その時間を活かしてライターという副業を始めたことが、今の筆者に繋がっているのです。

 ネガティブに捉えられがちな離婚ですが、筆者にとってはまさに人生を変えた「ターニングポイント」でもあります。その点においては、離婚した夫に感謝していますよ。

東城ゆず
記事一覧
ライター・エディター
1994年生まれ。11歳の頃からブログを運営。ライターやエディターとして、女性誌メディアや地元新聞のコラム枠まで幅広く活躍中。恋愛やママ友問題、介護士であった経験からリアルな介護問題まで幅広い知見がある。年子兄弟を連れ離婚の経験があり、現在は再婚に至る。

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「推し活の私が韓国男子と交際?」アラフォー女性が告白 #1
 2024年1月からオンエアされ話題となったドラマ「Eye Love You」にハマった女性も多いだろう。  心の...
蒼井凜花 2024-04-12 10:18 ラブ
お育ちのいい男を見極めるポイント6つ 好物件は絶対に逃がしちゃダメ!
 今回は育ちのいい男を見極める基準を解説します。育ちのいい男は自分のことも周りの人のことも大切にするので、結婚するといい...
恋バナ調査隊 2024-04-12 06:00 ラブ
ママ活で小遣い稼ぎする男性が増殖中!彼氏が沼って稼いだらどうする?
「彼氏がママ活のやり取りをしてるかも!?」と悩む人が増えています。熟女と会う日程を決めようとしているメッセージを見つけて...
内藤みか 2024-04-11 06:00 ラブ
職場のバツイチ男性を好きになっちゃった! 社内恋愛成就の最大のコツ
 社内で好きになった男性が、実はバツイチだった…。社会人をしていれば、こんなこともあるでしょう。  今回はバツイチ男性...
恋バナ調査隊 2024-04-11 06:00 ラブ
40代女性実家暮らし「やばい」認定は当然? 恋愛・結婚“対象外”のワケ
 40代女性で、実家暮らしをしている人はたくさんいますよね。でも実は恋愛面においては、「40代女性の実家暮らしはやばい」...
恋バナ調査隊 2024-04-10 06:00 ラブ
離婚後にイチから恋愛できるモチベ残ってる? 年々臆病になる自分に喝を
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  夫との長年の...
まめ 2024-04-09 06:00 ラブ
正論で返してくる彼氏への対抗策 愚痴や不満をこぼすのも許されない…
 彼氏は心を許している身近で特別な存在。そんな彼に、日々の愚痴や不満をこぼすときもあるでしょう。でも、彼氏が正論しか言わ...
恋バナ調査隊 2024-04-09 06:00 ラブ
妻が怒り狂う夫の呆れた浪費先4選 家計は家族みんなのものでしょ!
 今回は「夫の無駄遣い」をテーマに、女性たちの怒りや不満を集めてみました。  使う金額こと以上にその使い道に納得がいっ...
恋バナ調査隊 2024-04-08 06:00 ラブ
2年前の48歳まで処女として過ごした“こじらせ恋愛観”の根源
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。2年前の48歳まで性体験がなかったよもやま話を綴っていま...
mirae.(みれ) 2024-04-08 06:00 ラブ
課長「なにが楽しみで会社に?」の業務LINEで崩壊!不倫きっかけは些細
 不倫カップルがいつどうやって一線を越えたのか気になりませんか? 「ダメだ」と分かっている中、なにがきっかけで盛り上がっ...
恋バナ調査隊 2024-04-07 06:00 ラブ
処女バレは絶対回避!必死過ぎる見栄を張ったあの頃の私たち
 女性なら共感すること間違いなし! 今回は、女性が処女バレしないように見栄を張るときの、あるあるエピソードを紹介します。...
恋バナ調査隊 2024-04-06 06:00 ラブ
モラハラ夫って本気ですか? 再婚妻の態度に我こそ被害者だと主張する男
「冷酷と激情のあいだvol.189〜女性編〜」では、新婚1年にして、すでに夫との離婚を真剣に考えている42歳の美香さん(...
並木まき 2024-04-06 06:00 ラブ
「夜のアッチも前妻と比較され…」再婚1年で離婚を覚悟した42歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-04-06 06:00 ラブ
どこぞの殿様ですか? 出張の準備くらい自分でやって!ダメ夫LINE3発
 夫に対して「子どもより手がかかるわ…」とイラッとした経験はありませんか?  今回は「それくらい自分でやってよ!」...
恋バナ調査隊 2024-04-06 06:00 ラブ
山田裕貴の妻・西野七瀬の“それ”が話題に…夫婦の呼び方は心の声ダダ漏れ
 先月31日に元乃木坂46で女優の西野七瀬(29)との結婚を発表した俳優の山田裕貴(33)。4月3日放送の「めざましテレ...
自分の気持ちを言わない夫にイライラする!…の前に本音を探ってみて
 自分の気持ちを言わない夫にイライラした経験はありませんか? ただ、夫は“言わない”のではなく“言えない”のかもしれませ...
恋バナ調査隊 2024-04-05 06:00 ラブ