【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」
自転車で日本各地を旅するNHK-BSプレミアムの人気番組「にっぽん縦断 こころ旅」のレギュラーを13年にわたって務め、今年8月公開の満島ひかり(38)主演映画「ラストマイル」にも宅配ドライバー役で出演した俳優の火野正平さん。11月14日に75歳で亡くなったことが20日に所属事務所から公表された。
火野さんと言えば「昭和のモテ男」「稀代のプレーボーイ」。20代の頃から数々の女優、タレント、歌手と浮き名を流してきた。
「1949年生まれの火野さんは、12歳から劇団に入って芸能活動をスタート。ブレークしたのは、73年1月から放映されたNHK大河ドラマ『国盗り物語』の豊臣秀吉役でしたが、すでに71年に結婚していたにもかかわらず72年には女優の新藤恵美さんとの親密交際が明らかになり、次いで、小鹿みきさん(女優)、77年には紀(きの)比呂子さん(同)、ホーン・ユキさん(歌手)、りりィさん(同)と続き、78年には女優の望月真理子さんとの妊娠騒動。さらに81年には、歌手の仁支川(当時 西川)峰子さんとの恋仲がスクープされました」(ベテラン芸能記者)
平成に入ってからもセクシー女優の染谷まさ美さんとの密会が話題となるなど、テレビのワイドショーをはじめ、芸能マスコミの格好のターゲットだった。
「火野さんが凄いのは、男女の仲になる相手はジャンルを問わず誰もが当時の人気美女だってこと。もちろん、他の女性とのワンナイトラブもあったでしょう。でも昨今の人気芸人や俳優が、素人に手をつけてトラブルになるのとは大違い。ご本人は"11股交際"を冗談半分で公言されていましたが、真相はそれ以上だったんじゃないかなあ」(前出のベテラン芸能記者)
歴代の恋人、愛人とされる中で、最後を看取った女性の次に同棲歴が長かったのが、73年から78年まで足掛け6年余りを過ごした小鹿(こじか)みきさん(75)だ。
「お前が好きや」と押しまくられているうちに「彼無くしては」の状態になっちゃって…
訃報を知り、動揺冷めやらぬ彼女に火野さんとの思い出を話してもらった。
「初めてお会いしたのはNHKの『国盗り物語』の現場でした。彼は豊臣秀吉役で、私は伊賀のくノ一(くのいち=女性忍者)・木さる役。何度かNHKのリハーサル室で話してるうちに食事に行くことになり飲みに行くことになり、ある日突然、『お前が好きや』と。当時はまだ23歳で純情でしたし、そんなストレートに告白されたことなんてなかったから、押しまくられてるうちに彼が私の家に転がり込んできたんです」
恋は盲目というが、まさにその状態だったと振り返る。
「既婚者だなんて全然知らなくて、もう一途も一途。彼無くしては1日が始まらないし終わらないくらい、大好きでした」
だが、しばらくすると火野さんは帰ってきたり来なかったり。それでも人気俳優だけに、「映画やドラマのロケで外泊するのは当然のこと」と、あまり気にしていなかったと言う。
「困ったのは、マスコミの方々の突撃取材。自宅にまで押しかけられるもんだから、同棲解消まで、南青山、白金台、麻布十番、世田谷新町など、都内を転々。しかも彼が大の犬好きで、多い時はドーベルマンにボクサー、ダックスフンド、チワワなど6頭も室内飼いしてましたから、簡単に転居先が見つからない上に、どこも家賃が高額。引っ越し費用も含めて、ぜーんぶ私が出してたので、引っ越し貧乏になっちゃいましたよ。アハハハハ」
小鹿さんとの同棲中も、既婚で2人の子持ちであることが発覚したばかりか、先述のように紀比呂子さん、ホーン・ユキさん、りりィさんらと浮気三昧。芸能マスコミに追いかけられると小鹿さんの家に逃げ込むように舞い戻り、ほとぼりが覚めると、また外泊が続くような生活が繰り返された。
しかし、望月真理子さんに妊娠が発覚した時、別れるべきだと覚悟したという。
「だって、望月さんは私の友達でしたから…。裏切られたって気持ちより、『大好きな火野さんと望月さんが幸せになるなら、それでいいや』って、私からあっさり身を引いたんです」。
血を見るような修羅場がなかったのは、逆に小鹿さんの愛情の深さだったとも言えよう。
不倫同棲でレギュラー番組とCMが全部吹き飛んでも…「憎めませんでした」
だが、6年に渡る同棲と度重なるスキャンダル報道の代償は大きかった。
「レギュラー番組13本、片手以上も抱えていたCMは全部吹き飛んでしまい、芸能界から一時干されてしまいました」
それでも、「火野さんは憎めない元彼」と小鹿さんは言う。
「母性本能をくすぐられるっていうか、放って置けないっていうか、一緒にいると楽しいし男としての色気もあるもんだから、外で悪さしようが浮気しようが、帰ってくると一度や二度は怒りますけど、ついつい許しちゃうんですよ」
妊娠後、一人娘を出産しながら入籍できないまま2000年4月に鬼籍に入った望月さんも、かつてこう語っている。
「あの人が真理子という女と暮らして、よかったと思ってくれるだけでいいんです」
小鹿さんが続ける。
「ずいぶん前ですけど、テレビロケの合間に(仁支川)峰子ちゃんと話してる時に火野さんの思い出話になったことがあったのね。ひとしきり、『散々浮気されて…』って共通の話題で盛り上がったんだけど、二人の結論は『でも火野さんだもん。憎めないよね』でした。」
人徳といえばそれまでだが、今は名古屋に住み、1995年から2022年まで27年間も東海一のネオン街・錦で高級クラブのママをしていた小鹿さんが、水商売のプロとして火野さんを見ると、こんな視点もある。
「火野さんって、女性だけじゃなく男性からも好かれるんですよ。映画や時代劇で一世風靡された勝新太郎さん、藤田まことさんら大御所をはじめ、映画界・テレビ業界のやり手プロデューサーの懐にも、スッと入り込んじゃう。ちょっぴりヤンチャで、ウィットに飛んだ冗談を言い、お茶目なところもあって敵を作らない。しかも仕事は想定以上にキッチリこなして、オファーを裏切らない。後輩の俳優でも、『兄貴、兄貴』って慕ってる方は多いと思いますよ。男が男に惚れられる、一目置かれるって、男冥利に作ると思いませんか? それが火野さんの人たらしの極意なんじゃないかしら」
火野さんは、所属事務所の公式ホームページによると「自宅で家族に見守られ 穏やかな最期でした」。
名バイプレーヤーとして昭和、平成、令和を駆け抜けたスターが、また一人、星になった。
(取材・文=高鍬真之)
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