畑芽育には12歳にして風格が…その予感通りに親しみやすい「国民のいとこ」のような女優になった
【2025秋ドラマ 注目美女の魅力と素顔】#4
畑芽郁
(終活シェアハウス/NHK BS)
◇ ◇ ◇
畑芽育は、この1~2年で主演級女優に大きく躍進した若手女優のひとり。今や同世代の上白石萌歌、清原果耶、浜辺美波、山田杏奈らと並んで連ドラ主演のローテーション入りを果たした。
令和時代の人気女性タレントのトレンドともいえるタヌキ顔系のルックスが、抜群に愛らしい。
今秋はプレミアムドラマ「終活シェアハウス」(NHK BS・毎週日曜午後10時)で城桧吏とダブル主演。シルバー世代が暮らすシェアハウスに迷い込んだ、ツンデレ系あまのじゃく女子を演じている。
2002年4月10日生まれ、東京都出身。2016年には日曜劇場「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)で香川照之の娘役を演じて注目を集めた。2023年に「最高の生徒~余命1年のラストダンス~」(日本テレビ系)で連ドラ初主演。
最近は芦田愛菜、桜田ひより、原菜乃華、福原遥ら子役出身でありながら新鮮な魅力にあふれている女優の活躍が目立っているが、畑芽育も子役出身で、1歳のときに芸能界入りした。
子役時代の畑芽育(当時12歳)にインタビュー取材したことがある。同じ日に取材した3人の子役の中で、彼女が一番落ち着いていて既に女優の風格があり、「この子は覚えておいたほうがいいな」と心の中で思った記憶がよみがえってくる。
その予感通りに、畑芽育は、親しみやすくて等身大な庶民派の役を得意とする、すてきな女優になった。
出演中の「終活シェアハウス」で演じている美果も、母親がダブルワークをしながら女手ひとつで育ててくれた、決して裕福ではない家庭に育った女の子で、11月2日放送の3話では「夕食でアクアパンツなんてうちは出てこなかった」というセリフがあった。ちなみにアクアパンツとは、アクアパッツァを美果が間違えて覚えたものである。
演じる役が視聴者目線に近いことを象徴するものとして、畑芽育は登場人物の「心の声」を演じることが多い。恋に不器用な主人公を演じた「パティスリーMON」(テレビ東京系)でもドキドキする心の中を語るシーンがたびたび登場したし、今回の「終活シェアハウス」も心の声がとても多い。
視聴者の気持ちに寄り添った役を的確な演技力で演じ、しかも一生懸命な役が多いので、ネット上の反応を見ても多くの人が彼女の演技に共感していることがわかる。
畑芽育は多くの視聴者にとって、親しみやすくて、ずっと昔から知っているかのような気持ちにさせる、「国民のいとこ」のような魅力を持った女優だ。
(高倉文紀/女優・男優評論家)
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