放送40周年『アッコにおまかせ』が終了しますが、長寿番組の止め時はどうやって判断していますか?

更新日:2025-11-14 17:03
投稿日:2025-11-14 17:00

【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】

 そうなんですよね…「いよいよ」って感じですよね。これは以前にも別のところに書かせてもらったのですが、かつてTBSの週末は「老人大陸」と呼ばれるほどに高齢化が進んでいました。『報道特集』の金平さん、『世界ふしぎ発見!』の草野さん黒柳さん、『サンデーモーニング』の関口さん、そして『アッコにおまかせ!』の和田アキ子さん。さらにそのあとに『噂の!東京マガジン』なんていう番組もありましたよね。この番組がまた森本さんはじめ高齢の方てんこ盛りでした。「いったいいつの時代のテレビやねん」という状況だったわけです。

 いまや『アッコにおまかせ!』以外の番組は、出演者が若返るか終了するかBSに移るかのいずれかで、だいぶん現代化が図られているわけですが、いよいよ「最後の砦」が姿を消すということで、感慨深いものがありますよね。

 やっぱり高齢者ばかりが出演している長寿番組は、もともとは大人気番組でも次第に視聴率が右肩下がりになるのは必然なわけですが、まあ視聴者の方もかなりの勢いで高齢化が進んでいますから、それはそれで岩盤支持層がいるので安泰と言えば安泰なわけです。もし若返らせて新番組にしたところで、その番組がヒットする保証はないわけですし、むしろ「若者向け番組」などというのは、いまやテレビ業界にとってはほぼ「空想上の生物」に近く、若い人はテレビなんか見ていませんから、限りなく「無理ゲー」って感じです。

■高齢出演者とコンプライアンス的な問題

 となればズルズルご長寿番組を引っ張っておいたほうが得策、という考え方も十分成立しますし、そんな感じで来たわけですが、やはり限界は来てしまったというのはあると思います。

 ただ、それよりもなんとなく、もうひとつ「高齢者番組が終了する大きな理由」として考えられるのは、「コンプラ的な問題」ではないのかと私は思います。つい最近の田原総一朗さんの問題発言と番組終了などを思い出しますが、残念ながら高齢の出演者には時代の変化にどうしてもついていけない面が否めません。その結果、ご時世に合わない発言をしてしまい、炎上・社会問題化する可能性がどうしても若年出演者よりも高いのではないでしょうか。

 そういう意味ではフジテレビ問題が起きてコンプラ強化が喫緊の課題となっている現在の地上波から高齢の出演者が退場されていくのは、ある意味仕方のないことかもしれません。ただ、高齢の局関係者も同時に退場しないとあまり本質的解決にはならない、ということは忘れてはいけない気がしますけど。

(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)

  ◇  ◇  ◇

 未解決の事件報道が減ったのはどうして? 関連記事【こちらも読む】『名古屋主婦殺害事件は発生から26年で犯人逮捕…未解決事件を扱う番組が減ったのはなぜですか?』…では、事件を取材する報道関係者の本音とともに解説しています。

エンタメ 新着一覧


ドラマ『しあわせな結婚』の奇妙な違和感。松たか子らの“ちぐはぐさ”は計算どおりなのか?
『光る君へ』『ふたりっ子』『大恋愛』などで知られるベテラン脚本家・大石静さんの完全オリジナル作品として、夏ドラマの中でも...
「あんぱん」六原永輔=永六輔の“言葉”に違和感が…。いせたくや(大森元貴)らの記憶力も凄すぎる
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は互いに隠していたことを打ち明け、新たに前を向く。それから7年の歳月が流れ――、未だ漫...
桧山珠美 2025-08-13 18:06 エンタメ
【芸能クイズ】ヒントは有名コンビ!「佐藤嘉彦・粋子」が本名な芸人は誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
空前のオカルトブーム! 大人も楽しめる「夏のホラーアニメ」3選。平成の“トラウマ級”作品が令和にリメイク
 近年、小説や映画を中心に巻き起こっているホラーブーム。Web記事から単行本化された小説を原作とし大ヒット映画となった「...
ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ
 日本を代表するYouTuber・HIKAKIN(以下、ヒカキン)が、パクリ動画を公開したことで炎上しました。  ...
堺屋大地 2025-08-14 10:37 エンタメ
「あんぱん」のぶの不器用設定はどこへ? ボツ原稿を持ち歩く嵩…まだまだあるクエスチョン
 独立した嵩(北村匠海)は独創漫画派という集団に所属し、そこで割り振られた仕事をこなしていた。だが、決して順調とは言えな...
桧山珠美 2025-08-11 17:03 エンタメ
キンプリ岩橋玄樹、A.B.C-Z戸塚祥太ら夏の深夜ドラマ、極上イケメン4選。“フェミ男”の二世息子も俳優デビュー
 常夏の国、ジャパン 日本列島沸騰中です! 連日、熱中症警戒アラートが発令し、無駄な外出はしないようにと呼びかけます。コ...
1位の道枝駿佑を抜いた!2025年上半期「国宝級イケメン」を検索数でランキング。最も調べられた日の出来事は
 7月15日、「ViVi国宝級イケメンランキング 2025年上半期」(以下、「ViViランキング」)が発表されました。N...
こじらぶ 2025-08-10 11:45 エンタメ
「あんぱん」手嶌治虫(眞栄田郷敦)と運命の出会い…だけど。“靴紐”シーンは何かの伏線なの?
 嵩(北村匠海)はカフェで打ち合わせをしていた手嶌治虫(眞栄田郷敦)に声をかけられる。いたたまれない気持ちで会社に戻った...
桧山珠美 2025-08-09 10:38 エンタメ
山田裕貴、“気持ち”を考え続けて撮影に挑んだ。W主演の堤真一に「恥ずかしくて聞けないこと」とは?
 太平洋戦争末期の沖縄で、アメリカ軍に追い詰められて木の上に身を潜めた日本兵が、終戦を知らないまま2年間にわたって潜伏生...
望月ふみ 2025-08-08 11:45 エンタメ
「あんぱん」健太郎(高橋文哉)闇市→ディレクターへ謎すぎる大出世。スピンオフに期待していい?
 嵩(北村匠海)の漫画が入選し、大喜びののぶ(今田美桜)。嵩はのぶの笑顔がうれしくてたまらない。そんな中、蘭子(河合優実...
桧山珠美 2025-08-05 16:53 エンタメ
お受験界隈が「神回」と絶賛。藤本美貴、澤部ら芸能人はなぜ私立を目指す?『しくじり先生』で語られた“二世”息子の壮絶エピソード
 実業家の岸谷蘭丸(24)さんが7月25日深夜に放送された『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(ABEMA・テレビ朝日...
「あんぱん」ミセス大森、キター!! 誰もが知る名曲がどう生まれるのか? のぶのパヤパヤ感はちょっと不安
 のぶ(今田美桜)は鉄子(戸田恵子)の秘書として多忙な日々を送っていた。嵩(北村匠海)も三星百貨店の宣伝部で一目置かれる...
桧山珠美 2025-08-04 21:25 エンタメ
高野洸は同郷の大スター“藤井フミヤ”を追いかけたい。実は過去2回の紅白出場、3度目を目指す目標とは
 ミュージカル『刀剣乱舞』の主演や、近年では帝国劇場での舞台『キングダム』主演など、舞台を中心に、歌手やダンサー、俳優と...
望月ふみ 2025-08-05 12:03 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)初めてのチュウ、少しズレてなかった? 2人の“長屋生活”でいろいろ気になる点も
 朝田家、柳井家の女性陣が集結し、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の結婚のお祝い会が開かれる。にぎやかに宴会が進む中、お...
桧山珠美 2025-08-02 13:13 エンタメ
「あんぱん」嵩の“三星百貨店 包装紙”誕生秘話にそうだったのか!プロポーズよりそっちに感心
 就職した嵩(北村匠海)は、複雑な表情ののぶ(今田美桜)に漫画は描き続けると言って安心させる。一方のぶは、法の整備が進む...
桧山珠美 2025-07-30 16:25 エンタメ