放送40周年『アッコにおまかせ』が終了しますが、長寿番組の止め時はどうやって判断していますか?
【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】
そうなんですよね…「いよいよ」って感じですよね。これは以前にも別のところに書かせてもらったのですが、かつてTBSの週末は「老人大陸」と呼ばれるほどに高齢化が進んでいました。『報道特集』の金平さん、『世界ふしぎ発見!』の草野さん黒柳さん、『サンデーモーニング』の関口さん、そして『アッコにおまかせ!』の和田アキ子さん。さらにそのあとに『噂の!東京マガジン』なんていう番組もありましたよね。この番組がまた森本さんはじめ高齢の方てんこ盛りでした。「いったいいつの時代のテレビやねん」という状況だったわけです。
いまや『アッコにおまかせ!』以外の番組は、出演者が若返るか終了するかBSに移るかのいずれかで、だいぶん現代化が図られているわけですが、いよいよ「最後の砦」が姿を消すということで、感慨深いものがありますよね。
やっぱり高齢者ばかりが出演している長寿番組は、もともとは大人気番組でも次第に視聴率が右肩下がりになるのは必然なわけですが、まあ視聴者の方もかなりの勢いで高齢化が進んでいますから、それはそれで岩盤支持層がいるので安泰と言えば安泰なわけです。もし若返らせて新番組にしたところで、その番組がヒットする保証はないわけですし、むしろ「若者向け番組」などというのは、いまやテレビ業界にとってはほぼ「空想上の生物」に近く、若い人はテレビなんか見ていませんから、限りなく「無理ゲー」って感じです。
■高齢出演者とコンプライアンス的な問題
となればズルズルご長寿番組を引っ張っておいたほうが得策、という考え方も十分成立しますし、そんな感じで来たわけですが、やはり限界は来てしまったというのはあると思います。
ただ、それよりもなんとなく、もうひとつ「高齢者番組が終了する大きな理由」として考えられるのは、「コンプラ的な問題」ではないのかと私は思います。つい最近の田原総一朗さんの問題発言と番組終了などを思い出しますが、残念ながら高齢の出演者には時代の変化にどうしてもついていけない面が否めません。その結果、ご時世に合わない発言をしてしまい、炎上・社会問題化する可能性がどうしても若年出演者よりも高いのではないでしょうか。
そういう意味ではフジテレビ問題が起きてコンプラ強化が喫緊の課題となっている現在の地上波から高齢の出演者が退場されていくのは、ある意味仕方のないことかもしれません。ただ、高齢の局関係者も同時に退場しないとあまり本質的解決にはならない、ということは忘れてはいけない気がしますけど。
(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)
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