蕁麻疹と息苦しさで救急搬送…医者に見逃された“薬の副作用”

めりぃ(つけものがかり) 編集者
更新日:2020-02-18 18:03
投稿日:2020-01-29 06:00
 女性ではおよそ30〜60人にひとり、男性ではおよそ50〜100人に1人がかかると言われている甲状腺疾患。圧倒的に女性に多い疾患として知られるバセドウ病は、甲状腺機能が亢進する病気で、動悸や発汗、めまいや悪心(おしん)、体重減少に筋力低下など、その症状は全身に及びます。
 現代医療での治療法は投薬・アイソトープ・外科的手術の3種類とされ、多くの患者は投薬治療で寛解を目指します。
 これは、投薬治療の末に、手術で甲状腺を全摘し完治に至った筆者が、2年間の闘病生活を振り返るドキュメンタリーです。

全身に広がる蕁麻疹、慌ててクリニックを訪れるも…

医師には問題ないと言われたけれど(写真:iStock)
医師には問題ないと言われたけれど (写真:iStock)

 ポツポツボツと出ていた蕁麻疹が、全身に広がるのには、そう時間はかかりませんでした。

 調べてみると、メルカゾールの副作用に蕁麻疹が書かれています。「明後日、温泉なのに! 痒くて何にもできないし、なんとかしなきゃ」と急いでクリニックを受診しました。

「先生、蕁麻疹がひどくて、つらいです」

「ずいぶん派手に出てるねぇ。掻いた?」

「いえ、掻いてないのに、腫れ上がってます。熱もあるような……」

「メルカゾール飲むと、発疹が出る人もいるんだよね。塗り薬を出すから、もう掻かないでね」

「(だから、掻いてないってば!)あの~、こんなに蕁麻疹が出ても、メルカゾールを飲み続けるんですか?」

「はい。きちんと飲んでくださいね」

 掻いてもないのに、赤く腫れているのは掻きむしったせいだと決めつけられ、メルカゾールの継続と塗り薬の処方だけで帰された私。「大丈夫なのかな」とさすがに不安になったのですが、医師が言うのだから大丈夫なのだろうと、クリニックを信じることにしました。

 ところが……。痒みはおさまるどころか、どんどんひどくなる一方。全身のほてりもあるし、痒みで何も手につかないし、とても旅行に行く気分ではなかったけれど、ドタキャンは友人に悪いと思い、全身蕁麻疹が出ている状態で、温泉に行くことに……。

痒みに加えて息苦しさも…私どうなっちゃうの?

友人が呼んでくれた救急車で搬送されることに(写真:iStock)
友人が呼んでくれた救急車で搬送されることに (写真:iStock)

 冬だったことや顔には蕁麻疹が出ていなかったため、幸い友人にはそこまで心配されずに済んだのですが、夕食を終え、軽くカラオケに行って戻ってきたあたりから異変が……!

 蕁麻疹がさらにひどくなり、もはや全身掻きむしらないと耐えられないほどにまで悪化。しかも、どことなく息苦しさまで感じます。

「こんなんじゃ、眠れない…」と途方に暮れるも、隣では友人がスヤスヤと寝息を立てているので、起こすわけにもいきません。結局、痒みと息苦しさのせいで朝まで一睡もできず。翌朝、起きた友人に事情を話し、朝食をとらずに東京に戻ることにしました。

 ところが、旅館を出て5分ほど車を走らせたところで、また異変。

 息ができない! 頭がぼーっとする!

 気が遠くなりそう!

 さすがにおかしい!

 運転していた友人も私の異変に気づき、慌てて救急車を要請。このときには、もはや痒みより息苦しさが強く、今思い返してもほとんど記憶がありません。5分くらい待って救急車が到着。「これで、助かる」と、ほっとしたのを覚えています。

 このあと、土地勘のない場所で救急搬送された私に、現地の救急病院の医師は驚くべきことを告げるのでありました。

 命の危険も! 医者のミスでとんでもない目に……。

 次回に続きます。

めりぃ(つけものがかり)
記事一覧
編集者
アラフォー編集者。壮絶な結婚生活による人生の荒波をくぐり抜け、バセドウ病発覚。2019年、甲状腺全摘手術を経て、完治。つけものを作らせたらプロ顔負けの腕前だが、今のモットーは「バセドウ病患者のつらさを、もっと世間に知ってもらいたい」。

ライフスタイル 新着一覧


大谷の“一平ちゃん騒動”で不安 友人との金銭トラブルQ&A~弁護士解説
 ドジャースの大谷翔平(29)の専属通訳を務めていた水原一平氏(39)が、違法賭博に関与したとして球団から今月20日、電...
【スナック超入門編】どんな場所?若葉印のホステスが実感する5大特徴
 みなさんは、そもそも「スナック」がどんなところかご存知でしょうか?  キャバクラやガールズバーとは何が違うの?...
高級クラブのホステス→ギャラ飲み嬢に 面識なしで突然10万円ギフトが…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「正しくないこと」が「美しくない」とは限らないと知った
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
松田聖子まさかの中大法学部を卒業! 通信制の学び直しで成功する人は?
 先日、歌手の松田聖子さん(62)が中央大学法学部の通信教育過程を卒業したことが話題になりました。近頃、通信制大学で学び...
瞬き厳禁! 春到来の歓びを表現する黒“たまたま”を見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スタレビの名曲が聞きたい!仏教と深い関係のある「木蓮」とその仲間たち
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ただいま卒業式や送別など春特有のイベント仕事で、いつにも増して花まみれの毎日...
“炎上常連”麻生さん級の「ルッキズム失言」していませんか?
 最近、よく耳にするのが「ルッキズム」という言葉です。政治家や芸能人が、何気なく言った一言で「ルッキズム発言だ」と叩かれ...
女の敵は女だから?忘れた頃にぼっ発する「専業主婦論争」をガチで考える
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  X(旧Twi...
職場の同僚ランチが苦痛すぎる…一人の時間を確保する4つの冴えた処世術
 業務内容へのストレスより、職場でのランチタイムが苦痛という人は多いですよね。正直、仕事で疲れているのに、休憩時間まで同...
離婚→シンママになり、心底よかったこと4つ 我慢は美徳っていつの話?
 世間では、離婚してシンママになった女性に対して「かわいそう」「大変そう」といったイメージがあるかもしれません。  で...
春まであと少し?
 残雪の甲斐駒ヶ岳を背にすっかり葉も落ちた葡萄畑  春まであと少しが意外と長い
春のお花と記念撮影にゃ! ウサギみたいなしっぽの“たまたま”
 きょうは、ウサギ君みたい! しっぽの短いにゃんたま君に出逢いました。  しっぽが短い猫は長い猫と比べると、臆病で...
ほっこり癒し漫画/第70回「すぷりんぐファミリー」
【連載第70回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
男と女の物語、だからこそ「娚」の当て字が使われた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「場所代は200円いただくわ」堅実というかケチ!名目別に徴収するママ友
 ママ友と仲が良いといっても、子どもありきの関係。価値観や金銭感覚など、すべてが合うとは限りませんよね。  中には、マ...