マゾであること――“M”という性癖は、比較的世の中によく知られている性向のひとつだと思います。けれど、一口に“M”といっても、あまりに範囲は広く、その願望は千差万別。そこで今回は“M”の性癖を持つという沙由美さん(仮名、24歳、滋賀県)にお話を聞かせていただきました。
「私は性癖としてはMに分類されると思います。無理やりレイプみたいにされるのが好きなんです。暴力とセックスで隷属させられることに非常に興奮します。けれども、言葉責めだったり、いわゆるボンデージなどの、SMっていうんでしょうか。なんというか、初めから相手が、精神的に優位に立っている行為には興奮できないんです。あくまで対等というか、むしろ自分の立場が上の状態で、犯されて、精神的に屈服させられることに興奮するんです」
沙由美さんが「暴力とセックスで隷属させられること」に目覚めたのは14歳。放課後、数学教師に質問していた時のこと。言葉の行き違いで喧嘩になり、カッとなった教師に胸ぐら掴まれた際、死ぬほど興奮していることに気がついたのがキッカケだったそうです。現在、その密かな願望をいったいどうやって叶えているのでしょうか。
河川敷での「理想のシチュエーション」
「最初は、彼氏に『首絞めて』って言うところから手探りで始めて、後に付き合った人が格闘技の経験者だったので、関節固めてもらったまま、して欲しいってお願いしたこともあります。そのあたりから、男性にある程度頼めるようになりました。形式だけでも興奮するために、男性に『今から抵抗するから、無理やり犯す形でセックスしてほしい』とか。ただどうしても予定調和になってしまうのがジレンマなのと、基本的に皆さん、困惑するんですよね。『痛そうだし、申し訳ない』とか言われます」
相手の男性の困惑にも負けず、ビンタやグーパンと噛みつきあり、というルールでのレイプごっこを楽しんだりもするという沙由美さん。
「もちろん、実際にレイプされるとなると、命の危険への心配が先に来ちゃうんですけど……実は、理想のシチュエーションが一つありまして。以前ネットの誰かの投稿で見たのですが、夜の河川敷とかで『今から10秒全力で逃げろ、そのあと俺がお前を追いかけてその場で犯す』っていうプレイをした芸人さんがいたらしくて、それを一度はやってみたいです。逃げたいし捕まえられたい。そのまま好きにされたいです」
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今回、話を聞いていて思ったのは、より満足度の高いセックスをする手段のひとつとして、自分の性癖を相手に伝え、率直に欲しいことを告げるのがすごく有効だということ。パートナーに赤裸々な願望を告げるのは、なかなかハードルが高いと感じる女性もいるかもしれませんが、それを乗り越えれば、より豊かな性の世界が広がるのです。
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