どうした!?「スタンドUPスタート」
冬ドラマのなかで、ひそかに期待していたものの、残念な結果に終わってしまいそうなのが、「スタンドUPスタート」(フジテレビ系)です。主演の竜星涼(29)を筆頭に、反町隆史(49)、小泉孝太郎(44)、吉野北人(26)、水沢林太郎(20)といった新旧王道イケメンに加えて、小手伸也(49)、戸次重幸(49)、鈴木浩介(48)、高橋克実(61)、塚地武雅(51)とマニアックにはたまらない個性派イケメンを取り揃え、今期イチのイケメン結集ドラマとして、注目度大だったのです。始まる前までは。
それが、どうしたことでしょう。初回平均世帯視聴率は第1話の4.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)に始まり、3.8%、3.7%、3.2%、3.4%、3.3%、2.5%、3.0%、そして、最新の第9話が2.9%と、驚くような低さ。いくらドラマがリアルタイムで見られなくなったといっても、深夜ドラマよりも低いのですから、もはやお手上げ状態です。
「ちむどんどん」のニーニーのイメージが…
それにしても竜星涼です。あの忌まわしき(!?)NHK朝ドラ「ちむどんどん」のニーニー以来、なんだかついていませんね。先日、ヒロインの黒島結菜(26)と夫役の宮沢氷魚(28)の“お泊り愛”が報じられていましたが、妹はちゃっかり彼氏をゲット、しかも、来年の大河ドラマ「光る君へ」への出演内定も決まって、公私ともにイケイケ状態。
民放に出演するちむどんどんメンバーたち
もうひとりの妹、川口春奈(28)もご存じ、「silent」(フジ系)で大ブレイク。女優としてのランクがアップした感もあります。末妹を演じていた上白石萌歌(23)は今期ドラマ「警視庁アウトサイダー」(テレビ朝日系)に出演。西島秀俊(51)、濱田岳(34)という人気俳優2人の中に入って新人刑事として奮闘していましたが、こちらも凡ヒットの感は否めません。
完全に「ちむどんどん」の呪縛から逃れられないニーニーと歌子(萌歌の役名)が心配でなりません。竜星さんにはぜひパワースポット巡りか、厄除け参りをオススメします。
よくできた人情ドラマだったが…
話を「スタンドUPスタート」に戻します。竜星演じる「人間投資家」の三星大陽が、過去の栄光にすがる中年、就業経験のない専業主婦、就活に挫折した学生など、人生、うまくいかない人たちに投資し、起業のお手伝いをする物語です。
大陽は大胆不敵で男気があり、人間が好きというキャラクターで、本来なら愛される主人公のはずなのですが、その明るさが「ちむどんどん」のニーニーとカブってしまっていて、番宣を見ただけで敬遠した視聴者も多かったのではないでしょうか。
実際のドラマはよくできた人情ドラマなのですが、最初の段階で、「見ない」と選択されてしまったようです。
兄(小泉孝太郎)との不仲、叔父(反町隆史)の裏切りなど、父親の会社をめぐる不穏な動きなど、いろいろ詰め込んでいるのですが、エンタメとして昇華できないところももったいなく……。
草彅剛主演「罠の戦争」のほうが明快だった
嘘や裏切りのドラマは今期、草彅剛主演「罠の戦争」(フジ系)があり、あちらのほうがわかりやすくて、そのぶん楽しめます。
それにしても、「GTO」で正義のヒーロー、鬼塚英吉をやっていた反町隆史が、悪を演じる日が来ようとは。これもイケメンの宿命でしょうか。というのも、イケメンの40代50代は大変なのです。
イケメンの中年期は難しい
子役の声変わり時期と同様、イケメンの中年期は、王道の恋愛ドラマでは使われず、父親役か上司役でお茶を濁すか、映画でアウトローな役に挑むか。イケメンだけで仕事をとるのはそれほど難しいことなのです。
でも、そこを乗り越えれば、いい俳優になれること間違いなし。三浦友和(71)がそのいい例でしょう。
アイドル山口百恵(64)の相手役として俳優デビューし、画に描いたような好青年を演じていましたが、いつまでもその路線でやるのは難しく、石原軍団の刑事ドラマや2時間ドラマで活躍しながら、映画「松ヶ根乱射事件」や「葛城事件」などで問題ある父親を演じ、振り切った演技が話題に。
汚れ役からのイメージ脱却
あの三浦友和がこんな汚れ役を、と“百恵友和”ドラマで育った世代は仰天したものですが、おかげで三浦友和はイケメンなのに芝居もうまい俳優として知られる存在になりました。反町隆史もそうなることを期待しております。
ドラマはあと2回を残すのみ。同時間帯の日本テレビ系ドラマ「リバーサルオーケストラ」もめでたく終了したことですし、有終の美を飾っていただきたく、最後まで見守りましょう。
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