毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように……。
【今回の女ことば】八方美人
周りにいてやっかいなのが、「八方美人」といわれる人かもしれません。
『八方美人』は、広辞苑(第7版)によると、
①どの点から見ても欠点のない美人で、そのことから②誰に対しても如才なく振る舞う人を転じていう語、だといいます。
『八方』は、四方と四隅。東、西、南、北と北東、北西、南東、南西の八つの方角。転じてあらゆる方面。多方面(広辞苑 第7版)。
他の辞書でも①の説明の次に②が続いています。
「明鏡 国語辞典」(第3版)では、誰からもよく思われようと、如才なく振る舞う人。多くは非難の意を込めて使う。
「用例でわかる 故事ことわざ辞典」(初版)では、上記の②から、そのような人をあざけっていう言葉と説明し、用例として、《八方美人だから、敵も少ないかわりに味方もいない男》を挙げています。
イエスマンで、自主性がないと罵る言葉
朝日新聞出版校閲部長などを務めた奥山益朗氏が編者の「罵詈雑言辞典」(初版)では、①②のあとに、イエスマンで、自主性がないと罵る言葉とも記されています。
例として《この難局を乗り切るには、あの八方美人の指導者ではとても無理だろう》とありますが、今話題のメガネの首相のことでしょうかね。
いずれにしても「八方美人」というのは誉め言葉ではないみたい。
あなたの周りに、上司にはいい顔をして後輩にはキツくあたる人や、あちらこちらでみんなと仲がいいけど、陰で悪口を言う人がいたらどうします?
本人は周囲とうまくやっていくための処世術だったり、まったくの無意識かもしれませんが、あまりにも露骨だと信用できなくなりますよね……。
2024年の「八方塞がり」は…
ちなみに、年の瀬も迫ってくると気になるのが、来年の運勢。「2024年の運勢」なんて文字を見れば迷わずチェックしています。その運勢のお告げで「八方塞がり」はよく見かけますが、どんな意味が?
①陰陽道で、どの方角に向かって事をしても不吉の結果を生ずること、②転じて、どの方角にも障害があって、手の打ちようがないこと(広辞苑)。
「用例でわかる 故事ことわざ辞典」では『経営は八方塞がりの状態で、倒産は必至だ』と説明しているように、何をやってもダメという状況ですね。
2024年は『三碧木星』が…
八方塞がりは9年に1度(数え年で9の倍数)巡ってくるそうです。
来年は中国古来の九星気学の『三碧木星』で、昭和9、18、27、36、45、54、63年。平成9、18、27年生まれの人が該当。なんとワタシもそのひとり……。
先日、「突然ですが占ってもいいですか?」(フジテレビ系)で、日本で唯一「八方除け」が受けられる『寒川神社』(神奈川県)が紹介されていました。
当たるも八卦、当たらぬも八卦――。とは思いつつ、年始に伺う予定です。
(日刊現代校閲/タダ美)
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