家庭に帰るのもしんどい
「俺、マジで人と話すのが苦手なんで。
妻の仲間たちと食事に行く機会があるのですが、俺にとっては苦痛以外の何物でもないんです。
だけどずっと黙っているとそれはそれでマズいですよね。だから、夫婦のことを面白く脚色して、ちょっとしたネタを披露するんですよ。
ところがそのネタは、どうも滑っている気がしています。妻からは怒られまくりだし、周りの人も笑ってくれないし…」
話しながら、だんだんと表情が暗くなっていくトシカズさん。今や人と会うのが苦痛なだけでなく、家庭に帰るのもしんどいと打ち明けます。
鬱病かもしれない
「妻が、笑わなくなりました。
結婚をして最初のうちは、ケラケラとよく笑っていたんですけどね。
妻は細かいことに口うるさいだけで、楽しい会話なんてひとつもありません。
俺自身、家に帰る時間が近づくとユーウツですし、このままこんな生活がずっと続くのかぁ…と思うと頭痛がしてきます。
もしかしたら、俺は鬱病なのかもしれないです。セルフチェックをすると、すごく当てはまるんですよ。しかもその原因は、妻。
妻のことがまだ好き
じゃあ事実婚を解消すれば? って思うじゃないですか? 普通に考えたらそうなりますよね?
でもなぁ、妻のことが好きだしなぁ…っていつも悩んでいるんです。冷たくされても、不愉快な表情しか見せてくれなくても、俺は妻のことがまだ好きなんですよ。
たとえ鬱病の原因が妻だったとしても、俺は別れるっていう選択をできないと思いますね。友達もいないから、妻が俺にとって唯一の友人でもありますから。
あっ、こんなふうに話している間に、鬱かどうか診断を受けるために病院に行ってこいって話ですよね? 仕事が忙しくて行けていなかったんですけど、近々行ってみようと思います」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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