SNSでは「令和ロマンさえいなければ…」の声も
M-1の戦績でいえば2015年から2021年まで、1~3回戦でとどまっておりパッとしない。2019年になんとか3回戦に進出しているが、2020年には1回戦で落ちてしまっている。前年度の成績を下回るのは、芸人の感覚でいうとかなりつらい。
成功のビジョンが見えなくなり、芸人を諦めたくなるほどしんどい。実力主義の吉本では、この戦績では居心地もあまり良くなかっただろう。
一方、令和ロマンは2017年に初参戦し、2018年には準決勝まで駒を進めている。これだけでも令和ロマンのバケモノ具合が分かる。
バケモノじみた後輩の結果を近くで見ながらも、エバースは腐らず数多くのネタを作り、無骨にネタを磨いた。着実に実力を身に着け、それが今年花開いて数々の賞レースに出場。しかし立ちはだかったのが、また「令和ロマン」だ。
ABCグランプリではエバースは3位にとどまり、令和ロマンが優勝。満を持して参戦したM-1決勝でも令和ロマンに阻まれ、4位となった。
X上では「今年令和ロマンが出てさえいなければ、エバースが繰り上がりで予選3位になって優勝のチャンスがあったかもしれない」というポストが多数のいいねを集めていた。
エバースが「圧倒的な天才」を倒す瞬間を見たい
令和ロマンが主人公だとすると、エバースは裏主人公だ。圧倒的な才能の光の影に隠れて努力を重ね、結果が出ず挫折も味わった。それでも実力をつけて挑んだ賞レースで、目の前で後輩である令和ロマンに2度も優勝をかっさらわれる。きっと叫んでしまいそうなほど悔しいだろう。
令和ロマンのような鮮烈な天才もよいが、エバースのような泥臭い秀才を応援したくなるのが人のサガではないだろうか。エバースが令和ロマンを倒す瞬間をいつか見てみたいし、きっと来るだろうと思う。
エバースは近いうちに裏主人公ではなく、お笑い界の主人公になってほしい。エバースが2025年以降のお笑い界をもっと盛り上げてくれると信じている。
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