ホステスたちに変化が…
ただ、以前と違って店の居心地は悪かったですね。仲良しホステスが他店に移ったり、水商売を上がったり……。そんな中でも、生活のためにとにかく働きました。
毎日のように営業電話をして、同伴、店での接客、そしてアフター。居心地が悪くても、笑顔で接客して、お客のボディタッチにも『こら、悪い手ね』とジョーク交じりに言って……。
で、成績も徐々に上がっていきました。トップ5とはいきませんが、常にトップ10には入ったかな。それを見て、最初こそ私をライバル視していたホステスたちが、少しずつ寄り添ってくれるようになったんです。『R美さん、アフターにご一緒させてください』とか『体調が悪いなら、私がお酒を飲んで盛りあげますよ』とか。
純粋に嬉しかったですね。自分の実力を認められた気がして……。以前も言ったように、私の売り上げや成績は、担当であるNさんの手柄でもあるので、昔以上に飲んで、笑って、精いっぱい接客をしました」
生きていくためには経済力と健康が大事
――良かったですね。息子さんたちは大丈夫ですか?
「息子たちの面倒は母が見てくれたので、本当にありがたかったです。長男も、次男と遊んでくれたり一緒にお風呂に入ったり……。いいお兄ちゃんに育ってくれましたよ(笑)。
ホステスの収入が多い時は、家事代行サービスを依頼して、母に休んでもんらったり……。とにかく、生きていくためには経済力と健康が大事だと実感しました。
Nさんのこともパパと呼んで甘えてくれましたね。あのタバコの火を押し当てた暴虐的な姿が嘘みたいに、子育ても仕事も頑張ってくれました。相変わらず、彼が同居することはなく、息子たちには『パパは別のお部屋でお仕事頑張ってるの』と言い聞かせていましたが……。
再び復帰の誘いが…
そんなある日、アイドル仲間がライブハウスの店長と一緒にクラブに遊びに来てくれたんです。
――ねえR美、ホステスと掛け持ちでアイドルをやらない? もう一度考えてみて欲しいの。
――うん……。やりたい気持ちはあるけど、子育てを考えると無理かな。
ちょうど、長男が10歳になり、次男が小学校に上がる年です。私は32歳になっていましたが、実年齢よりも若く見えるようで、店では20代ということにしていて……。もちろんアイドル活動に復帰すると、ファンは実年齢を知っていますから隠しようがないんですがね(笑)。
ただ、夜の仕事ってやはり心身が疲弊するんです。常にお客様の顔色をうかがい、リピートしてくれるよう笑顔で接して、セクハラまがいのことをされてもお金のために笑って逃げ切って……。
そんな時は、アイドルとして輝くメンバーたちを羨ましく思いましたね。彼女たちは小さな舞台でもやりたいことをやっている。収入は少なくても、人生を悔いなく楽しんでいるって……」
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