新宿立ちんぼ女性に異変…進む売春のフリーランス化、コスパと開業の裏側

ミクニシオリ フリーライター
更新日:2023-06-14 06:00
投稿日:2023-06-14 06:00

立ちんぼと「ホス狂い」、「パパ活」の関わり

 東京最大級の歓楽街・新宿では、昔から街を歩く男性に対し、女性が性交渉を含む売春を目的に声かけを行う「立ちんぼ」が存在していました。

 立ちんぼの多くは風俗店に所属しにくい年配女性や、就労ビザを持っていないと思われる外国人女性たちでしたが、今新宿の立ちんぼエリアを歩いてみると、日本人、かつ見るからに若い女性が多いのです。

 景気の悪化とともに売春が横行するのは世の常ですが、そこにはどんな問題が潜んでいるのでしょうか。

  ◇  ◇  ◇

 今新宿に増えつつある若い日本人女性の多くには、いくつかの共通点があります。まず、その服装は「地雷系」または「量産型」といわれる若い女性に流行しているファッションの子がほとんど。ホストクラブに通う若い女性に好まれやすいファッションでもあります。

 新宿・歌舞伎町は日本でも有数のホスト街でもあり、4月27日には女性客に立ちんぼをするよう指示していたホストが逮捕されると共に、51人の立ちんぼ女性が検挙されました。

 ホストやスカウトから売春を指示されることもまた、歌舞伎町では昔からある風潮でしたが、昨今の売春方法は風俗店への所属ではなく、個人での立ちんぼに変化。長年業界に精通している関係者らの話に耳を傾けてみると、立ちんぼ女性の多くは、ホストやメンズアイドルへの「推し活」のために個人売春をし、数年前から横行する“パパ活”の存在が関わっているといいます。

女性にとっても男性客にとっても「コスパいい」と人気に…

 パパ活という言葉は2015年頃からメディアでも耳にするようになりました。若い女性が個人的なパトロンと愛人契約をしたり、売春行為を行うことで“お手当”をもらうのです。

 当初はマッチングアプリや合コンのような仕組みを利用し、パパなる男性と女性がマッチングしていました。しかし知名度の広がりとともに「パパ活攻略法」がまとめられたネット商材が多数生まれるように……。

 SNSではパパ活をする女子同士が情報交換をし、いい“狩り場”や損をしないための情報を入手しやすくなり、売春を行う女性たちの中に「個人で動いた方がコストパフォーマンスがいい」と考える人々が現れました。

「マッチングアプリに手数料を払うよりも、風俗店に仲介料を払うよりも、身ひとつで個人的に金額交渉をした方が、時間的にも手元に残る金額的にもパフォーマンスがいい」

 筆者も、Youtubeで立ちんぼを取材する動画内でそんな言葉を耳にしたことがあります。

 また立ちんぼを利用する男性客にとっても、風俗店より個人売春の方が都合がいいと考えるケースが存在するといいます。個人売春には店舗利用時のような明確な禁止ルールがなく、場合によっては男性客にとっても、より安い金額で売春サービスを受けられるというのです。

ミクニシオリ
記事一覧
フリーライター
フリーランスの取材ライター・コラムニスト。ファッション誌や週刊誌、WEBSITEメディアなどで幅広く活動。女性向けのインタビュー取材や、等身大なコラム執筆を積極的に行う。いくつになってもキュンとしたい、恋愛ドラマと恋バナ大好き人間。
XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


ホステス引退の理由、“年齢のせい”は意外と少ない?
 行けば毎回、楽しく明るく、時には厳しく接客をしてくれるホステスのお姉さんたち。でもそのお姉さんたちも永遠に居てはくれま...
食事は私と“推し”のデートだ。男たちよ、どうでもいい愛の言葉より目の前の寿司を見ろ
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
朝イチの奇跡! 国宝級の“たまたま”に感動。猫の完璧フォルムが美しい…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ヤバッ! 社会人の「失敗」エピソードが恥ずかしすぎ。カメラONのまま生着替え、上司に彼へのメール誤爆…
「仕事で取り返しのできないミスをしてしまった…」「職場でやらかしちゃって、もう出社したくない」と落ち込んでいる人はいませ...
マスク生活で惰性の肌ケア→顔イボ発症! “老人性”の言葉にショック。こりゃあかん…50代目前で決意したこと
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
女性事業者はとってもタフ! 微妙にズレてるおじさま役員との差よ…古い商店会の“これから”は?
 とうとう最終回、この10カ月、ポンコツ商店会話を長らく読んでいただきありがとうこざいました。  この商店会もポン...
大人に“ときめき”はいらない?『続・続・最後から二番目の恋』を見て感じた、私が中年恋愛に望むもの
 アラフィフ独女ライターとして日々を過ごす中で、「50代からの恋愛」って、いったいどういうものなんだろうと考えることがあ...
見るだけで幸福♡ 神々しい“神たま”から“にゃんたま”戦士まで元気いっぱい8連発!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年4月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
夫婦生活の頻度まで指示するか!? 義母の「妊娠アドバイス」がウザすぎる
 妊娠を望んでいてもなかなかできなかったり、タイミング的に妊娠を望んでいなかったり。あるいは、初めての妊娠で不安でいっぱ...
「ちょっと待ったー!」にゃんたちの恋のバトルを激写。勝利する“たまたま”は誰だ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ボスママにまず相談ってなんでやねん! 理解できない暗黙の「ママ友」ルール
 ママ友界でよくある暗黙のルール。「集団の意見をまとめるため」など必要不可欠かつメリットとなるルールもありますが、中には...
過去から未来へ続く景色
 過去から未来へ続く景色。  それはいくつになっても目の前に広がっている。  そう信じて、今晩の自分に、お疲...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第97回「筋肉質なヤンチャ坊主」
【連載第97回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【女偏の漢字探し】「娘」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
おいっ! 遅刻常習犯の笑える“言い訳LINE”集。許してもらえるうちが花ですよ?
 約束してた時間に相手が来ないと、イライラしたり心配したりするものですよね。そんなときに相手から送られてきたLINEに、...
さよなら…ドコモ“絵文字”終了の発表に「おつかれさま!」「青春がよみがえる」と懐かしむ声。「おじさん構文はどうすれば」と心配も?
「ドコモ絵文字」の提供終了が5月21日にNTTドコモより発表され、大きな話題を呼んでいます。  このたび提供の終了...