妻は僕をうまく利用してきただけ
「綾子は結婚してからずっと、そのときどきで僕をうまく利用しようとしてきたようにしか思えなくなってしまいました。ATM代わりだったり精子バンク代わりだったりと、僕は綾子にいいように使われただけなんじゃないかと虚しくなってきたのです。
コロナ禍にならなければ、そういうふうに過去を振り返って気づくことすらなかったかもしれないけれど、今、綾子との関係がおかしくなってきていて、これまでのことを思い返してみると結局僕は、いつも綾子にいいように利用されてきたなっていう思いが強くなったんですよね」
すでに妻への信頼は完全に崩れてしまったと、悲しい表情で話すコウスケさん。しかし息子のことを思うと離婚を切り出せず、今は毎日がとても虚しい日々だと話します。
解決の糸口が見つからない
「離婚するときって、こんな感じから始まるんでしょうか? まさか自分が離婚を真剣に考えるようになるとは思ってもいませんでしたけど、今の感情のまま綾子とずっと一緒にいるのはもう無理なんじゃないかって気がしています。
なんとかして夫婦関係を改善したいですけど、夜の営みにも応じてもらえませんし、もはや解決の糸口が見つかりません。
僕から離婚を切り出すべきなのか……、それとも、綾子が家から出て行ってくれるのを待つべきなのか……。壊れてしまった夫婦関係の後始末はどうするのが正解なのか、最近ではネットで検索ばかりしてしまっていますよ。でも、まだどうすればいいのか自分のなかで答えが出ていません」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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