「万太郎と竹雄のイチャイチャ」は過酷な試練を見守った視聴者へのご褒美

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-08-09 15:00
投稿日:2023-08-09 15:00

NHK朝ドラ「らんまん」~第19週「ヤッコソウ」#93

 万太郎(神木隆之介)のもとへ、竹雄(志尊淳)、綾(佐久間由衣)がやってきて、峰屋ののれんを下ろしたことを詫びた。そして、夜、銭湯の帰り、「1人でも植物学を続ける」と決意を語る万太郎を心配する竹雄だが、「でも寿恵ちゃんはワシの背中を押してくれた」と万太郎。

「笹のようなお人じゃ。笹は飛び抜けて生きる力が強い」と寿恵子(浜辺美波)を笹にたとえた。「初めて博覧会で会うたとき、可愛いとは思うたけんどそこまでの女子(おなご)じゃとは」と竹雄も納得し、安心した様子。その頃、寿恵子は綾に「里見八犬伝」の話をしながら、綾も万太郎も八犬士のようだと、と語る。

 竹雄と綾が佐川に帰る前日、十徳長屋は総出で恒例のドクダミ抜き。自由に楽しく生きる長屋の人たちの姿に、綾もまた「どこでも生きていけるがじゃね」と勇気を貰った。

【本日のツボ】

「よかったじゃろ。ワシが横恋慕せんで」(竹雄)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 8日の放送で、綾を伴って十徳長屋にやってきた竹雄を歓迎する長屋の面々。その歓迎ぶりで、いかに竹雄が長屋の人たちに愛されていたか、綾にも伝わったことでしょう。

 そして、銭湯帰りの石段でのシーンです。竹雄が寿恵子のことを「初めて会うたときは可愛いと思った」と言うと、「ん? 竹雄、可愛いと思っちょったがか?」とすかさず万太郎のツッコミ。

 そして、「そりゃあ、のう。よかったじゃろ、ワシが横恋慕せんで」と竹雄。

「そうじゃのう。体の半分以上が脚(あし)の竹雄には敵わんきの」

「なんでじゃ」

「9割5分か。ハハハ」

 という掛け合いからの「ハクション」と万太郎がくしゃみをして「ハハハ」と笑えば、「ほら、湯冷めじゃ」と竹雄は首にかけていた手ぬぐいをはずし、「お前はちっとも変わらんき」と言いながら竹雄の濡れた頭をゴシゴシ。

 一連の万太郎と竹雄のイチャイチャは、万太郎の試練を見守ってきた視聴者へのご褒美といったところでしょうか。久しぶりにほっこりさせていただきました。

 と、思ったら、今度は田邊が……。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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