15キロ太ったからつまんないの? “サイズ44”に教えられた自分の本音

コクハク編集部
更新日:2023-10-19 06:00
投稿日:2023-10-19 06:00
 2度の出産と加齢と腰のヘルニアを経て、5年をかけて15キロ太りました。実はそれについては人が思うほどは気にしていない……と思っていたのですが、あるとき、体型とファッションについての自分の「本当の気持ち」に気づかされる出来事がありました。

ショッピングモールに助けられている

 天気が悪い日の行き先はもっぱらショッピングモールです。広いし、車は走っていないし、キッズスペースはあるし、オムツ替えスペースやトイレもきれいで便利だし、食事も済ませられるし、子育て世帯に必要なものが全部揃っているからです。

「なんで家族そろってわざわざショッピングモールなんて来るんだろ。週末なのに他に行くとこないのかな?」なんて思っていた独身時代の自分の頭を押さえつけて、「すいませんでしたぁあ!!」と謝りたいくらいお世話になっています。

 ショッピングモールに行ったからって毎回買い物するわけではありません。我が家の子どもたちが通う保育園は制服があるので、そこまでたくさんの洋服を必要としません。

 加えて、私自身はもう何年も前からリモートワークなので、ここしばらく「人に会うため」の服を買っていません。もちろん、太ったからというのもあります。

 最近は一般的な女性服のLサイズも入らなくなってしまいました。もともと背も高めで肩幅も腰骨もバーン! と威勢よく張っている、いわゆるガタイのいい体型なので、私のようなタイプの人間が太ると、本当に着られる服がなくなっちゃうんですよね。

 なので服を買い足すとしたらサイズが豊富なユニクロやザラ、メンズブランド、あとはスポーツブランドです。それ以外の服屋さんでは、気に入ったものがあってもまず自分のサイズがないと思っているので、好きかどうかよりも「着られるか?」を基準に選んでいます。

 でも、やっぱりそういう視点で服を見ても全然楽しくなく、リアル店舗での買い物からはしばらく足が遠のいていました。

夫がくれた1時間

 この日も雨で、日中どこにも連れていけなくて子どもたちが退屈していたので、夕方から前に一度だけ訪れたことのある有料の子どもの遊び場を併設したショッピングモールに行くことにしました。

 遊び場は子ども1人につき、1時間600円。夫が「子どもは見ておくから、ひとりで何か見てきたら?」と言ってくれたので、ひとり館内を歩いていると、とあるメーカーのアウトレット店舗が目に入りました。シーズン遅れのアイテムやB級品、サンプル品を売っているようです。

「大きめサイズ」と書かれたラックの服をめくっていたら、サテン生地のネイビーのスカートを発見。微妙に糸がとび出している箇所があり70%オフ、割引後の値段は7000円くらい。

「大きめサイズっていうくらいだから入るかな」

 店員さんに声をかけて試着室に入り、鏡の前で体を入れてみたらびっくり。

「なんていうか……あれ、すっごく美人さんにみえるんですが!?」

 光の当たり方によってネイビーにも黒にも見えるサテン生地の質感が上品で、ひざ下の広がり過ぎないAラインで、タテのラインがほどよく強調されて少しナロースカートのような印象もあります。裏地に縫い付けられたサイズを見たら「44」と書いてありました。号数でいうと15号~17号にあたるサイズです。

 試着室でのこの感覚。もしかして人にとっては当たり前かもしれません。かつて36や38サイズの服を着ていた自分もそうでした。

 世の中にはすてきな服がたくさんあって、もちろんそのすべてを手に入れることはできなくても、すてきな服を身に着ければすてきに見えるはず。その当たり前を疑っていませんでした。

 だけど、このところ「好きな服」ではなく「着られる服」で妥協することが多かった私にとっては、ちょっとした衝撃だったんです。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「美的GRAND」が大サービスすぎて大丈夫? 1,870円→15,233円相当の付録ってウソでしょ
 今回もなにやらすごそうな『美的GRAND 2025年秋号 通常版』。  本屋で雑誌を手に取ったときに付録の厚みに...
「一緒にトイレ行こ!」40代でそれはキツい。“大人の自覚ゼロ”な女のイタイ言動。謝らないって中身は5歳児?
 40代は立派な大人。だからこそ言動には注意したほうがよいかもしれません。あなたも普段、こんな言動していませんか!?
グサッときたぜ…「孫の顔も見れずにあの世行き?」未婚ガチ勢の心をエグる“親からのLINE”3選
 結婚するかどうかは自分で決めること。でも親から「結婚はまだ?」なんて言われると、モヤモヤしたり焦ったりしちゃいますよね...
神かよ…つら~い生理中、男性にされて感動したエピソード6選「喧嘩ばかりの弟がナプキンを買ってくれた」
 女性にとって、心身ともに負担が大きい生理中。あなたの周囲の男性は、どんな風に寄り添ってくれますか?  今回の記事...
親と“SNS共有”が裏目に! 教えて「我が家のスマホルール」。リアルな成功&失敗エピソード6選
 制限がないと、いつまでも触れ続けてしまいがちなスマホ。今回は夫婦間、親子間などで決めている「我が家のスマホルール」にま...
増える通り魔的事件、現代人の「狙われやすい」歩き方。危険時に身を守る方法とは【元警部が解説】
 神戸市のマンションで24歳女性が刺殺された事件は、見知らぬ男に50分間つけ回された末の凶行だった。犯人は数日前から神戸...
「色恋営業」は人を選ぶ? スナック嬢が教える“地味に長続きする”接客テクニック
 夜の世界は接客業。来ていただいたお客さんになるべく気持ちよく、そしてなるべく多くのお金を継続的に落としてもらわなければ...
元芸能人「売れるため覚悟を決めた」“暗黙の関係”を選んだ女の後悔。スポットライトの裏で失ったもの
 芸能界の華やかさに憧れて飛び込む若者は多い。しかし、その裏には語られにくい現実がある。元タレントのAさん(仮名・30代...
見返り猫が尊すぎる!神聖なる“たまたま”を近くで拝める幸福よ…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
なぜおばさんは“早朝ウォーキング”するのか? 運動音痴の私が中年になって実感した朝
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
ふわぁ~眠すぎる…でも寝ちゃダメ! 一瞬で覚醒できる「私の目覚まし対策」6選
 仕事中、急な眠気に襲われて意識が飛んでしまう…。社会人なら誰しも一度は、もしくは日常的に経験しているのではないでしょう...
不安体質は性格のせいじゃない、変えられない自分を責めないで。穏やかな生活を送るコツ【専門家監修】
 2012年に59歳で亡くなったロック歌手・桑名正博さんとアン・ルイス(68)の長男でミュージシャンの美勇士さんや、タレ...
なぜ『鬼滅の刃』は心に響く?ボロボロだった女が“ある台詞”で救われた話「雷に打たれたような衝撃でした」
 最終決戦が描かれる映画三部作の第一章が公開され、アニメの歴史を塗り替える伝説を打ち出し続けている『鬼滅の刃』(フジテレ...
SNSだらだら、安物を爆買い…全部やってる! やめらない“ムダ習慣”7つがじわじわ刺さる
「やめたいのに、なぜか続けてしまう」そんな“惰性の習慣”に心当たりはありませんか? 毎日の行動の中には、「なんとなく」「...
生きる伝説、“スター★にゃんたま”の貫禄あふれるポージングを見よ!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「自慰行為」の語源になった人物の悲劇。“悪いこと”と罰された本当の理由
 職場や近所、SNS界隈に現れる「残念な人」、いますよね。実は今から約2000年前から現在に伝わる「聖書」にも「残念な人...