梅丸少女歌劇団による山寺でのダンスシーンはニュースになった“アレ”

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-10-24 17:03
投稿日:2023-10-24 16:55

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第4週「ワテ、香川に行くで!」#17

 山寺でのストライキが続く中で、大和礼子(蒼井優)はスズ子(趣里)に自分の過去の話をする。両親に反対されて、縁を切ってまでも踊りを続けられたのは、梅丸の社長の大熊(升毅)に拾ってもらったからなのだと言う。

 しかしその頃、大熊はUSKの処遇について大きな決断をしていた……。

 そして、礼子に思いを寄せているピアニストの股野(森永悠希)もまた大きな決断をして、礼子たちがいる山寺へ向かうのだった。

【本日のツボ】

「今、それどころじゃないので」(礼子の台詞)

 ※※以下、ネタバレあります※※

「ぼくは……、ぼくは、大和さんのことが好きです」

 ようやく想いを伝えることができた股野ですが、礼子に「今、それどころじゃないので」と言われてしまいます。

 そりゃそうだ。てっきり、脈なしかと思いきや、今、伝えないともう二度と会われへん気がして、と言い訳めいたことを言う股野に対して、「そんなことはないと思います。お互い、どんなかたちになろうとこの道を続けていれば、いつかきっと、また会えるような気がします。だから頑張って欲しいです。簡単にはくじけないで欲しいです」と言葉をかける礼子。

 純情な股野も「はい」と。次に2人がどういう形で出会うのか、これは楽しみです。

子役出身の演技派

 股野役の森永悠希は子役出身で、10歳の時、映画「しゃべれども しゃべれども」に出演していました。

 記憶に新しいところでは、前クールの深夜ドラマ「癒しのお隣さんには秘密がある」(日本テレビ系)で、田辺桃子演じる主人公に宴会で優しくされたことからストーカーになるという勘違いクズ野郎を演じていました。

 ストーカーからの~、シャイなピアニストになりきるとはさすがです。

 さすがといえば、特技がピアノで、稽古場でのレッスンシーンのピアノは森永本人が弾いていると、蒼井優が「あさイチ」に出演した際に言っていました。素晴らしい。

【おまけのツボ】

もしや、あのお寺って……。(筆者の心の声)

 大和ら梅丸少女歌劇団の彼女たちがストライキで籠っている寺で思い出したのですが、半年ほど前に、「朝ドラ撮影中に重要文化財の床を破損」のニュースがありました。

 あのお寺ってもしや、と思って調べましたらやはりそうでした。滋賀県東近江市の百済寺(ひゃくさいじ)。

 記事によりますと、「本堂の濡れ縁で、出演者10人がダンスの練習をするシーンのリハーサルを始めた直後、床板を支える木材が折れ、床板約20枚が最大30cm沈んだ」とか。

 本堂は江戸時代前期に造られたものだそうですが、400年前、まさかこの場所でラインダンスを踊られるとは考えも及ばなかったことでしょう。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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