発達障害児の長男 児童精神科で勧められた「プレイセラピー」を受けたら

tumugi・ひでまる ツレ婚夫婦ライター
更新日:2024-02-05 06:00
投稿日:2024-02-05 06:00

親の心配とは裏腹に子どもは大満足!

『プレイセラピー』当日。臨床心理士に促されながら、長男は少し不安そうな顔でプレイルームへと消えていきました。

 長男を見送ると、私は一時外出の許可をとって駅前のカフェで優雅なお茶タイム。「ひとりでゆっくりとお茶を飲めるなんて…」と幸せをかみしめていたら、あっという間に50分経っていました。急いで病院へと戻ります。

 待合室で待っていると、長男が満面の笑みで出てきました。開口一番「楽しかった~!」と、ご満悦の様子です。

 診察に呼ばれるまでの間、「サッカーのボードゲームをした」「NINTENDO64(私世代に流行ったゲーム機)でマリオカートをした」「パズルをした」など、臨床心理士と一緒に遊んだゲームの数々を詳しく教えてくれました。

 イマイチどういうことをしているのかわからないため心配していましたが、長男にとっては非常に楽しい時間だったようです。一方で、自分の気持ちを聞かれたり、今までの問題行動について聞かれたり、治療的な質問はされなかったそう。

 その後はいつも通り状況の確認と、処方箋を出してもらい診察は終了。薬局で薬をもらい帰路へつきました。

長い時間をかけて治療していくため焦りは禁物

 それから診察の前に毎回『プレイセラピー』をしていますが、内容は初回と変わらず本当にただ遊ぶだけです。

 『プレイセラピー』の成果としては、長男のお気に入りの遊びが「マリオカート」だということが判明したくらい(笑)。

 家にもNintendo Switch版の「マリオカート」はあるのですが、オンラインプレイや兄弟同士で行うと勝ち負けで喧嘩になるため「あまり面白くない」と言っていました。

「マリオカート」が楽しいというよりは、臨床心理士と一緒に遊ぶのが楽しいのかもしれませんね。そこはさすが『プレイセラピー』の効果なのでしょう。

 おそらく臨床心理士が長男の自尊心をうまく刺激して、楽しい気持ちに変換してくれるのかもしれません。そこから徐々に仲良くなって、長男の本音を引き出していくのかなと期待しています。

 一方で『プレイセラピー』は即効性のあるものではありません。見守る親側は焦って余計なことを言わないように、長期戦で見守っていくのがポイントです。

 子ども本人が楽しそうに遊ぶ姿を見ているだけでも心穏やかになる不思議。

 長男の満足そうな顔を見るたびに「いつもあんなに怒ってばかりでごめんね」と胸がチクリと痛みますが、家族でも友達でもない、病院だからこその治療でゆっくりと心がほぐれていくのを待つばかりです。

 発達障害や問題行動でお悩みのお子さんも、一度『プレイセラピー』をやってみることで本音を引き出せるかもしれませんね。

tumugi・ひでまる
記事一覧
ツレ婚夫婦ライター
10代で結婚、20代で離婚した3人の子を持つ占い師ライターtumugiと、元妻に2回も不倫サレてバツイチとなった会社員のひでまるが出会い、ステップファミリー(子連れ再婚)に。夫婦ともにFPの資格を所持し、保険会社勤務の経歴を持つ。自らの体験から『ステップファミリーの本音』をテーマに情報発信をしている。ステップファミリーを目指す方の背中を押すべく占い×実体験のアドバイスを用いて活動中!
ブログYouTubeXInstagram公式LINE
◆相談はこちら

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


あの人気観葉植物が地震を予知!? 植物の異変から事前兆候を察知する話
 テレビ画面に映し出される南海トラフの「巨大地震注意」の文字…。不安で心が押しつぶされそうになりますな。ワタクシが生...
アプローチ中のおんにゃの子は塩対応? “たまたま”の恋の行方にドキドキ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
盆地を見下ろす丘で
 盆地を見下ろす丘で。  くるくると回る風に吹かれ、空に風の交差点を観た。
ほっこり癒し漫画/第79回「来るかな? ニャー」
【連載第79回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「女郎花と男郎花」読める? ヒント:ジョロウは間違い。初秋に愛でたい
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ミルクに難色、昭和育児の「母乳信仰」って何なん? 押しつけがましい上から目線LINEにイラッ
 初めての育児や、何人もの育児をしているお母さんは、とりわけ、毎日大変! そんなお母さんを追い詰める身内、どうにかならな...
セレブ妻が赤羽のサイゼリヤに落ちるまで 上流階級との「品格の差」に絶望
 悠々自適なセレブ生活を送っている医師の妻・大宮由香。ある日、お嬢様学校に通う娘のクラスメイト・愛舞(らぶ)とその母親・...
勝ち組ママ友が放った屈辱的な一言。私を「一般人」と一緒にしないで!
 四ツ谷・番町エリアに暮らす医師の妻である大宮由香は、娘・葵を名門お嬢様学校に通わせている。小学校に入った葵から友人がで...
嘘でしょ…娘の友達が「キラキラネーム」? 玉の輿セレブの大きな誤算
 都会の中心でありながらも、ハイグレードな住宅街として知られる四ツ谷・番町エリア。  大宮由香は、小学校に入ったば...
スメハラ? 90年代の出版社は“異臭”がプ~ン…男と香水と時代の変化
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
移住の思わぬ落とし穴。収入激減で大後悔!こんなはずじゃなかった…
 コロナ禍でリモートワークに対応する会社が多くなり、地方への移住を一つの選択肢として捉える人は増えました。でも、あまり調...
直木賞作家・荻原浩氏インタビュー 世にはびこる誹謗中傷「耳の痛い意見が人を成長させるとは言い切れない」
 パリ五輪でも選手や審判などに対する誹謗中傷は深刻な問題となっている。誹謗中傷は、他人への悪口(誹謗)と根拠のない出鱈目...
まるで最高級の餡子玉! 黒猫のプリプリ“たまたま”がキュートすぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
江角マキコ芸能界引退から7年、初めてデビュー作を語る(後編)父を亡くした喪失感を「ゆみ子」に重ね合わせた
 芸能界から引退している江角マキコさんが、7年ぶりとなるインタビュー取材に応じた。目的は、石川県輪島市を支援するために特...
2024-08-07 07:00 ライフスタイル
江角マキコ芸能界引退から7年、初めてデビュー作を語る(前編)伴走してくれた能登の人たちに「感謝と恩返し」を
 芸能界から引退している江角マキコさんが、7年ぶりとなるインタビュー取材に応じた。目的は、石川県輪島市を支援するために特...
2024-08-07 07:00 ライフスタイル