お花屋のGWは、年中行事「母の日」直前weekです。春のガーデニング商戦と並行して準備に追われるわけですが、今年の母の日は5月12日。準備を通り越し、すでにGW前から母の日は始まっております~。
母の日といえばカーネーションですが、切花とか鉢物とか、何ならカーネーションにもこだわらない方がすっかり増えて(日程もね)、目新しいものをご所望されるケースのなんと多いことか…。
ハッキリ言って何を仕入れたらいいのかわからないから誰か教えてー! って思っておりますよ。ワタクシは。
それでも、今では母の日のド定番となった「アジサイ」は不動の人気。残念ながら毎年母の日後にお問い合わせ続出の“勘違い商品”でもあります。
今回は「いただいた気持ちは長持ちさせたい。アジサイの管理」の解説でございます。人気だからこその多品種
あたらしモノ好きのニーズに合わせてなのか、母の日前になるとアジサイは毎年、ワタクシの足りない頭では記憶が追いつかないほどの多品種で花市場も溢れかえります。
実はアジサイの原産は日本で、本来日本に存在していた「ガクアジサイ」を品種改良したものですな。アジサイをさらに品種改良したのは“アジサイ大好きヨーロッパ”で、これを西洋アジサイ「ハイドランジア」と呼び、日本に逆輸入でござんす。
あー聞いたことある! というアナタ。そりゃ結構なアジサイ通でござんすよ。
いま、お花屋さんで並んでいる色とりどりのアジサイのほとんどはハイドランジアです。ハイドランジアの大きな特徴は豊富な色・花姿そして圧倒的なボリューム。品種により色の変化でそのままドライフラワーで“二度オイシイ”なんてものも。
そのほとんどが花数がてんこ盛りな上に、どうやったら短くて細い枝にこんなにデカい花を咲かれられるんだ? とワタクシ、毎度花市場で叫んでおります。ん~逆に折れそうで不安w。ま、それぐらい大ボリュームなわりにお高くないのもハイドランジアの大きな魅力でござんすな。
大きな勘違い
母の日が終わる頃にお問合せが増えるのが、「カーネーション鉢」と「アジサイ鉢」の管理方法。アジサイは品種により初期段階では置き場所が変わるので、迷うところ。で、だいたいが勘違いの連続で“死亡”させてしまうケースですな。
まず、購入後まもないアジサイの鉢は「直射日光はアウト」でございます。もっといえば、外気に触れるのがアウトのものも。特にハイドランジアと呼ばれる種類(変わったアジサイねぇ~なんて思うのはビンゴ)は購入後まもなくは直射日光と冷たい空気で一発アウトになりかねません。
「なんか花がフニャってて元気ないわ」で冷たい水をあげようものなら“瀕死”の状態に。さらに元気がないからもっと水をあげる…でトドメの一撃でござんすな。
「変わってて大きな花で立派だわ~」なアジサイはハイドランジアと思ってくださいませ。お家に迎えてしばらくの間、その家の環境に慣れるまでは直射日光を避け、室内や軒下での管理をお願いしたいところでございます。
一定期間を過ぎれば環境にも慣れ、お外に出しても大丈夫。大きな鉢に植え替えたり、お庭に降ろせば毎年楽しめます。
ただし、ハイドランジアは肥沃な土を好みます。陽の当たらない痩せた土地では花付きもせずなんだかなぁ。ご留意を。…な~んて偉そうにつべこべ申し上げましたが、以前大失敗して仕入れたアジサイを全滅させたクチでござんす。
母の日前にあれこれ仕入れすぎて店が大爆発してしまい、一旦戸外に置いたらすっかり夜で、アジサイもぐったり。すっかり頭が垂れて傷だらけになった経験が…。
「アジサイは戸外」は家に迎えてからしばらく経ってのお話。慣れるまではお姫様待遇でお願いいたします。
最近の人気者
和風なイメージの小さな山アジサイの鉢も人気で、とりわけ洋風なイメージで小さな花房の「伊予獅子てまり」は赤丸急上昇! てまり咲きですが、5cmに満たない花房が株いっぱいにたくさん付いていて、メチャ可愛いわりに日本の風土にあって寒さ・暑さに強い。アジサイと呼ぶにはあまりにキュート。大人気でござんすよ~。
母の日には何をあげようかなぁ~と迷ってらっしゃるアナタ。アジサイでも…なんてご予定でしたら差し上げる時、贈り主さまにこそっと教えてあげると幸せは長続きいたします。チェックしてみてくださいませ。
母の日は一緒にのんびりと過ごすも良し、お食事を楽しむも良し。そんな大切な時間を花が素敵に演出してくれますことを…遠いお空の向こうから応援しておりますよ~。
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