母の日の定番アジサイを長持ちさせるには?「伊予獅子てまり」が大注目

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-05-01 06:00
投稿日:2024-05-01 06:00
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋が位置する神奈川は、有名な温泉場がいくつも点在しているお土地柄。ワタクシが居を構える場も観光地ゆえ、GWの車通勤は一歩間違うと行きも帰りもド渋滞に巻き込まれます。毎度のことながらヒリヒリするぜw。

 お花屋のGWは、年中行事「母の日」直前weekです。春のガーデニング商戦と並行して準備に追われるわけですが、今年の母の日は5月12日。準備を通り越し、すでにGW前から母の日は始まっております~。

 母の日といえばカーネーションですが、切花とか鉢物とか、何ならカーネーションにもこだわらない方がすっかり増えて(日程もね)、目新しいものをご所望されるケースのなんと多いことか…。

 ハッキリ言って何を仕入れたらいいのかわからないから誰か教えてー! って思っておりますよ。ワタクシは。

 それでも、今では母の日のド定番となった「アジサイ」は不動の人気。残念ながら毎年母の日後にお問い合わせ続出の“勘違い商品”でもあります。

 今回は「いただいた気持ちは長持ちさせたい。アジサイの管理」の解説でございます。

人気だからこその多品種

 あたらしモノ好きのニーズに合わせてなのか、母の日前になるとアジサイは毎年、ワタクシの足りない頭では記憶が追いつかないほどの多品種で花市場も溢れかえります。

 実はアジサイの原産は日本で、本来日本に存在していた「ガクアジサイ」を品種改良したものですな。アジサイをさらに品種改良したのは“アジサイ大好きヨーロッパ”で、これを西洋アジサイ「ハイドランジア」と呼び、日本に逆輸入でござんす。

 あー聞いたことある! というアナタ。そりゃ結構なアジサイ通でござんすよ。

 いま、お花屋さんで並んでいる色とりどりのアジサイのほとんどはハイドランジアです。ハイドランジアの大きな特徴は豊富な色・花姿そして圧倒的なボリューム。品種により色の変化でそのままドライフラワーで“二度オイシイ”なんてものも。

 そのほとんどが花数がてんこ盛りな上に、どうやったら短くて細い枝にこんなにデカい花を咲かれられるんだ? とワタクシ、毎度花市場で叫んでおります。ん~逆に折れそうで不安w。ま、それぐらい大ボリュームなわりにお高くないのもハイドランジアの大きな魅力でござんすな。

大きな勘違い

 母の日が終わる頃にお問合せが増えるのが、「カーネーション鉢」と「アジサイ鉢」の管理方法。アジサイは品種により初期段階では置き場所が変わるので、迷うところ。で、だいたいが勘違いの連続で“死亡”させてしまうケースですな。

 まず、購入後まもないアジサイの鉢は「直射日光はアウト」でございます。もっといえば、外気に触れるのがアウトのものも。特にハイドランジアと呼ばれる種類(変わったアジサイねぇ~なんて思うのはビンゴ)は購入後まもなくは直射日光と冷たい空気で一発アウトになりかねません。

「なんか花がフニャってて元気ないわ」で冷たい水をあげようものなら“瀕死”の状態に。さらに元気がないからもっと水をあげる…でトドメの一撃でござんすな。

「変わってて大きな花で立派だわ~」なアジサイはハイドランジアと思ってくださいませ。お家に迎えてしばらくの間、その家の環境に慣れるまでは直射日光を避け、室内や軒下での管理をお願いしたいところでございます。

 一定期間を過ぎれば環境にも慣れ、お外に出しても大丈夫。大きな鉢に植え替えたり、お庭に降ろせば毎年楽しめます。

 ただし、ハイドランジアは肥沃な土を好みます。陽の当たらない痩せた土地では花付きもせずなんだかなぁ。ご留意を。…な~んて偉そうにつべこべ申し上げましたが、以前大失敗して仕入れたアジサイを全滅させたクチでござんす。

 母の日前にあれこれ仕入れすぎて店が大爆発してしまい、一旦戸外に置いたらすっかり夜で、アジサイもぐったり。すっかり頭が垂れて傷だらけになった経験が…。

「アジサイは戸外」は家に迎えてからしばらく経ってのお話。慣れるまではお姫様待遇でお願いいたします。

最近の人気者

 和風なイメージの小さな山アジサイの鉢も人気で、とりわけ洋風なイメージで小さな花房の「伊予獅子てまり」は赤丸急上昇! てまり咲きですが、5cmに満たない花房が株いっぱいにたくさん付いていて、メチャ可愛いわりに日本の風土にあって寒さ・暑さに強い。アジサイと呼ぶにはあまりにキュート。大人気でござんすよ~。

 母の日には何をあげようかなぁ~と迷ってらっしゃるアナタ。アジサイでも…なんてご予定でしたら差し上げる時、贈り主さまにこそっと教えてあげると幸せは長続きいたします。チェックしてみてくださいませ。

 母の日は一緒にのんびりと過ごすも良し、お食事を楽しむも良し。そんな大切な時間を花が素敵に演出してくれますことを…遠いお空の向こうから応援しておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


茜色に心和むひと時、だからこの時間が好きなんだ
 忙しない街にも訪れる特別な時間。  足早に歩く人々は顔を上げ、しばし空を仰ぎ見てから、また現実へと戻っていく。 ...
女+家=嫁…「嫁ぐ」と「結婚」の違いはある?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第68回「コウメばあちゃんはどこ?」
【連載第68回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
貸したお金を催促するのにこんな手が…! モヤモヤを解消するLINE3選
 人にお金を貸した後、なかなか返してくれなかったら、とても嫌な気持ちになりますよね。  とはいえ、お金の話は、言い...
電マの営業からラブホの清掃員へ…羞恥心とも戦うストリッパーが思うこと
『電マの営業・新井です!』(略して「電マの新井」)という新作が大変好評だ。  書店員にとっての新作といえば「新しく...
口喧嘩で負けたくない! 勝ちたい時に使えるマル秘戦術3選
 みなさんは誰かと口論になった時、どんな戦法で勝ちにいきますか?  方法は十人十色ですが、今回は代表的な勝ちパターン...
凍り付いた湖の夜が更けて
 もしも突然、この瞬間に、氷が解けたらどうなるんだろう。  そう思いながら、凍て付いた湖の上に立つ自分が結構好き。...
「レンジでゆたぽん」人気じわり..足を温めると眠りやすい!
「レンジでゆたぽん」を知ったのは、年末年始に長野県の義実家に行った時。寒がりな私を気遣って、義母が用意してくれたのです。...
青空にオレンジボディが映え“たまたま”の見返りメンチにキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
私って性格悪い? 自分のダークサイドを自覚した4つの瞬間
 誰の心にだって、優しい部分と優しくない部分が存在するもの。そうわかっていても、自分の心のダークサイドを自覚すると「もし...
卒入学、彼岸、送別会【花屋が教える】予算内で理想の花束を贈る7カ条
「斑目さん、今年こそは頑張って期限内にお願いしますよ!」  お正月がなんとなく終わったばかり、なんて思っていたら、我が...
「とにかく盛り上がるやつ頼むよ」ってさぁ 先輩の無茶ぶりLINEがすぎる
 お笑い芸人の松本人志とその後輩芸人たちによるアテンド飲み会が話題になっていますね。  ニュースの真偽はともかく、...
2024-02-21 06:00 ライフスタイル
仕事のサボりがバレた瞬間4選 リモートワークは意外と見られている!
 近年では、リモートワークやフレックスタイムなどの制度が導入されて、数年前よりも働きやすくなりました。  一方で、自由...
真似から始まったファッションも、いつか体に馴染むもの
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
年の差婚の弊害?夫の“昭和の価値観”を持つ息子の将来が不安すぎる件
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  私の夫は10...
仕事のモチベが上がらない!30女40女のやる気スイッチをONにするテク
 どんなに好きな仕事でもモチベーションが上がらない時だってありますよね。気持ちが乗っていない時は、ミスしたり、時間が永遠...