更新日：2024-05-31 14:10
投稿日：2024-05-24 06:00
初めて抱かれた夜のこと
全ての画像を見る初めて抱かれた時のことは今でも覚えています。中野の新居に引っ越して、家具やカーテン、ベッドカバーなどもそろえてささやかなお祝いをした夜のことです。
――正樹さん、素敵なお部屋と仕事も用意してくれてありがとう。
私たちはリビングのソファーで、ワインを飲みながらくつろいでいました。
――こっちこそありがとう。僕のために長年勤めた仕事も辞める決心をしてくれて感謝してる。必ず、妻とは別れるから。
――うん、信じてる。
気づけば、彼の顔が近づいて唇が重なっていました。これまで、ずっと私に触れなかった彼の「初めての接触」です。
彼の人柄を表わすように優しく温かなキスに、思わす私も唇を押しつけてしまって…。そんな私の腰を抱き寄せ、舌を絡ませながら濃厚な接吻へと流れていったんです」
ずっとこうなりたかった
――続けてください。
「ワインの味がするキスの後、順番にシャワーを浴びて、私たちは裸でベッドで抱き合いました。
――ずっと正樹さんとこうなりたかった。
私は彼の逞しい腕に抱きしめられながら呟きました。予想以上に筋肉質な体にうっとりしてしまって。
――僕もだよ。千鶴のこと、大切にするから。
彼の唇が私の耳たぶを優しく食（は）み、熱い吐息を吹きかけられました。次いで首筋から胸元にかけてキスの雨が降ってきて…。
初めて乳首を吸われた時の悦びと興奮は筆舌に尽くしがたく、それだけで軽いエクスタシーを感じてしまって…。
蒼井凜花
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