夏に日持ちする切り花オススメ7選、家庭で簡単にできる“延命対策”7カ条

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-07-17 06:00
投稿日:2024-07-17 06:00
 神奈川の片田舎にある猫店長「さぶ」率いる我がお花屋。夏の暑い昼間の来客はめっきり減りますが、夕方の若干涼しい時間帯になるとお誕生日などの定番ギフト、お仏壇やお玄関に飾る普段使いの花などを買い求めにいらっしゃる方々で途端に混み合ってまいります。

会話の内容が毎日同じ問題

 そんなお客様がたと「夏は花には厳しいよね」などと繰り広げられるこの会話…仕方ないなとは思っております、めまいがするほど暑い夏なんで。

 そして、最後に着地する内容が今回のテーマ、「結局、夏にはどんな花が長持ちなんだい? オススメな夏の切り花」の解説でございます。

【読まれています】命がけで庭の雑草駆除、今年もやるの?ローメンテを叶える夏の雑草対策

夏にオススメ切り花

 花の日持ちは正直お家の環境にもよります。

 日中ずっと留守&狭い密室であれば、灼熱地獄必至だと思われるので、そりゃ何を飾っても厳しいのですが、そんな中でも「これは?」と思うのがこちら。

1. ユリ

 お悩みポイントの花粉問題は、八重咲きやパウダーレスタイプも増えて、悩まされる機会がすっかり減りました。

 通常タイプのユリでしたら、花粉が出てくる前に除去してしまうことをオススメします。油分を含んだ花粉が衣服に付いて厄介になるのを防ぐばかりか、受粉そのものを防ぐので日持ちもグッと上がります。

 短めに茎をカットすれば、蕾もきちんと咲きます。

2. ひまわり

 夏の定番ではありますが、近年では白や黒、茶色の品種もあって、年間通して入手可能になりました。日持ちポイントは花瓶の水量5cm程度と毎日の水換え、1cm程度の切り戻しです。

3. 国産アンスリューム

 アンスリュームに限らず、トロピカル商材は文句なしに日持ちします。夏が旬のお花ですからね。この時期はアンスリュームだけでなくデンファレ、バンダ、オンシジュームなど国産が多く出回ります。

4. 宿根スターチス

 色とりどりの苞(ほう)がカサカサしていて、すでにドライフラワーみたい。

 特にカスミソウの代わりに使われる宿根スターチスは茎がへたれることもなく、いつの間にかドライフラワーになってますな。

5. 国産ヒペリカム

 夏時期になると国産のヒペリカムが出始めます。爽やかだけどどこか甘い香りも独特で、なんだかワクワクします。

 日持ちポイントは枝の切り口を5cm程度ナイフやカッターなどで皮を剥くと水揚げが良くなります。

 水揚げの鈍い枝物は皮を剥いちゃうといいですわよ。ワタクシのお店ではピューラーでバンバン剥いちゃます。

6. トルコキキョウ

 柔らかくか弱そうなイメージですが、意外にも夏が旬。花首が固くまっすぐしっかりしたものを選んでください。

 長持ちさせるポイントは切り口を貯めた水の中で斜めにカットする「水切り」。折れやすい枝であればハサミやナイフを使用しない水中での手折りもオススメです。

7. 枝物・葉物

 究極「花」にこだわらなくても…な展開ですが、夏場は葉物のバリエーションがグッと増えます。グリーンのグラデーションの組み合わせも素敵ですが、赤や黒、白などもあるので組み合わせは無限大。

 少ない水量で管理すれば下手すると根っこが生えてきて、日持ちを通り越して水耕栽培のレベルに達してしまうものまでw。

 枝物の場合、長持ちさせるポイントはたっぷりの水と霧吹きなどで行う「葉水」です。乾燥を防ぐだけでなく、ハダニも吹き飛ばしてくれます。

+αでナイスな長持ち方法

 まず大前提として「毎日の水替え」「茎のヌメリを洗って除去」「切り口をちょっと切り戻し」はマスト。手を洗うついでのルーティーンと思えば、たいしたご負担にはならないかなぁと思われます。

 そのほかに手軽でできることは以下の3つ。

1. 花瓶の消毒

 ヌメリがダメ。定期的に台所漂白剤に漬けときゃ綺麗になります。

2. 少ない水量

 水に浸かっている茎が腐っていくので、夏場の基本は花瓶の水量は少なめ。

3. 花を入れすぎない

 花瓶の口元がグラグラするぐらいでないと蒸れて劣化の原因になります。

そしてもしできるならコチラも効果的

1. 切り花延命剤を入れる

 今では入手も簡単。一番確実。

2. 炭酸水やサイダー

 ヌメリの原因はバクテリアによるものですが、バクテリアの発生の抑制が期待でき、サイダーは水溶性の糖質がさらに花の栄養にもなります。

 ただし、ペットボトルに直接口をつけたものでは効果も台無し。気が抜けた炭酸水でも効果が期待できます。

3. 水200mlに一滴の台所漂白剤

 200mlに一滴なんて驚くかもしれませんが、入れすぎはかえって植物には毒です。

4. 花瓶代わりにステンレスコップ

 保冷機能のあるステンレスコップに氷を入れてお花を入れるとだいぶ違います。

  ◇  ◇  ◇

 夏場でも効果が期待できるアクションですわよ。お試しあれ。元気な植物がアナタに心豊かな癒しの空間を演出してくれますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


セレブ妻が赤羽のサイゼリヤに落ちるまで 上流階級との「品格の差」に絶望
 悠々自適なセレブ生活を送っている医師の妻・大宮由香。ある日、お嬢様学校に通う娘のクラスメイト・愛舞(らぶ)とその母親・...
勝ち組ママ友が放った屈辱的な一言。私を「一般人」と一緒にしないで!
 四ツ谷・番町エリアに暮らす医師の妻である大宮由香は、娘・葵を名門お嬢様学校に通わせている。小学校に入った葵から友人がで...
嘘でしょ…娘の友達が「キラキラネーム」? 玉の輿セレブの大きな誤算
 都会の中心でありながらも、ハイグレードな住宅街として知られる四ツ谷・番町エリア。  大宮由香は、小学校に入ったば...
スメハラ? 90年代の出版社は“異臭”がプ~ン…男と香水と時代の変化
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
移住の思わぬ落とし穴。収入激減で大後悔!こんなはずじゃなかった…
 コロナ禍でリモートワークに対応する会社が多くなり、地方への移住を一つの選択肢として捉える人は増えました。でも、あまり調...
直木賞作家・荻原浩氏インタビュー 世にはびこる誹謗中傷「耳の痛い意見が人を成長させるとは言い切れない」
 パリ五輪でも選手や審判などに対する誹謗中傷は深刻な問題となっている。誹謗中傷は、他人への悪口(誹謗)と根拠のない出鱈目...
まるで最高級の餡子玉! 黒猫のプリプリ“たまたま”がキュートすぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
江角マキコ芸能界引退から7年、初めてデビュー作を語る(後編)父を亡くした喪失感を「ゆみ子」に重ね合わせた
 芸能界から引退している江角マキコさんが、7年ぶりとなるインタビュー取材に応じた。目的は、石川県輪島市を支援するために特...
2024-08-07 07:00 ライフスタイル
江角マキコ芸能界引退から7年、初めてデビュー作を語る(前編)伴走してくれた能登の人たちに「感謝と恩返し」を
 芸能界から引退している江角マキコさんが、7年ぶりとなるインタビュー取材に応じた。目的は、石川県輪島市を支援するために特...
2024-08-07 07:00 ライフスタイル
「夏の庭の花・植物の水やり問題」災害級の暑さで1週間留守に…対策は?
「災害級の暑さ」なるフレーズ、耳にする日が続いていますが、気付けば夏休みシーズン到来!  我が花屋は神奈川の片田舎の温...
深夜3時にメッセ連続投下!グループ脱退したい…常識知らず&KYなママ友のお騒がせLINE10連発
 保育園や幼稚園の保護者同士でやりとりするママ友LINE。同じクラスのママに誘われて断るわけにもいかず、半ば強制的にグル...
ふるさと納税について夫婦で考えたら、意見が食い違って爆笑の大喧嘩に…「特別vs日常」何が正解?
 選んだ自治体に寄付をしてお礼をもらうことができるだけでなく、一部の税金が還付または控除される、“ふるさと納税”。  ...
2024-08-07 06:00 ライフスタイル
「子どもの夏休み暇対策」どうしてる? 頑張るママのお助けアイデア7選
 子どもが小学生になると、夏休みの過ごし方で悩む大人がたくさんいます。近年では外遊びも猛暑による熱中症の心配があるので、...
【調香師解説】夏バテ解消アロマでフェロモンも復活!睡眠、胃腸、イライラを鎮める香りは?
 毎日暑いですね。フェロモンは最低限の生命力が維持されたうえで、余力から生まれてくるものです。うだるような暑さが続くと心...
【独自】大満足の新作すいか「夕焼けセレブ」を収穫! 白州のすいかばか'24~究極のレシピを求めて#3
 すいか生産量全国47位、ごくごくレアな山梨県ですいか作りに情熱を注ぐ「寿風土(こどぶきふうど)ファーム」代表の小林栄一...