松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由

帽子田 芸人、ライター
更新日:2024-08-28 09:38
投稿日:2024-08-28 06:00

お笑い界の重鎮になった松本人志

「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る。

 一方で「最近の若手でダウンタウンに憧れている人は少ない」という声も聞かれる。これは真実なのだろうか? 現役のお笑い芸人・帽子田さんはその理由を以下のように分析する。

【関連記事】 なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察

若手人気は千鳥、オードリー、霜降り明星ら

「誰に憧れて芸人になったの?」という質問は、芸人がよく聞かれる質問のひとつだ。初めて会う先輩との飲み会や、ちょっとしたインタビューやラジオなどでは必ずと言っていいほど聞かれる。

 この前デビューからわずか数年の若手たちとご飯を食べている最中に、僕も例に漏れずに後輩たちに「誰に憧れて芸人になったの?」の質問を向けてみた。

 みんな口々に憧れの先輩芸人について教えてくれた。特に多く名前が挙がったのが霜降り明星、オードリー、千鳥、バナナマン、かまいたち、ニューヨーク。「M-1」で台頭した芸人が多く「M-1の影響力ってすごいな」なんて思っていたが、ふと気付いた。「ダウンタウン」の名前が一切挙がらない。

 僕がデビューした十数年前は「ダウンタウンに憧れた」という芸人もかなり多かったし、「芸人から憧れられている芸人」のイメージもいまだに強い。それなのになぜ、今の若手が「ダウンタウン」に憧れないのか。その場にいた後輩たちの意見をまとめつつ、僕なりに考えてみた。

「ダウンタウンのネタを見たことがない」

 理由その1。今の若手が「ダウンタウンのネタをみたことがない」。

 養成所生やでデビューから数年しか経っていない若手は20代前半の子が中心だ。テレビで見るダウンタウンは、たくさんの芸能人をMCとして回す姿やVTRを見て一言で笑いを取る姿ばかり。芸人というより、「テレビの人」というイメージが強いのだという。

 なんとなく「昔すごく面白い漫才をやっていた」というイメージはあるが、「どんなネタをやっていたのか」が一切わからない。実際に若い頃のダウンタウンの漫才を見た女の子も「正直面白さが分からないんです」と首をひねっていた。

「M-1」慣れした若手には物足りない

 ダウンタウンの漫才は立ち話がそのままネタになったようなスタイルで、それが革新的で面白かった。だが、今の漫才は「M-1至上主義」になっており、4分間でできるだけボケを詰め込み、アドリブより正確さが優先される、競技的な漫才が主流だ。

 きっと遅めのテンポで二人のセンスや言葉を楽しむダウンタウンの漫才は、若手にはなんだか物足りなく感じてしまうのだろう。

帽子田
記事一覧
芸人、ライター
別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


ハギャレンメンバーで唯一、ホンモノのギャルは誰でしょう?
 博多ギャル連合(ハギャレン)の総代でギャルのルーリー(みりちゃむ)から半ば脅迫された結(橋本環奈)は、書道部の風見先輩...
桧山珠美 2024-10-08 16:50 エンタメ
眞栄田郷敦離婚からの高良健吾×田原可南子“結婚&妊娠”Wおめでた報道に抱くもの
 あのゴードンが帰ってきました。「きかんしゃトーマス」のゴードンではありません。眞栄田郷敦のことです。  父親(千...
『極悪女王』は“嫌われ女”3人の逆襲か。ゆりやん、剛力彩芽、唐田えりかが必然だったワケ
 9月19日にNetflixでドラマ『極悪女王』(全5話)が配信開始されました。ゆりやんレトリィバァさん演じるダンプ松本...
【写真特集】上村愛子×皆川賢太郎 結婚発表会見は“白のペアルック”、満面の笑みでカメラ目線も
【この写真の本文に戻る⇒】“冬季五輪夫婦”上村愛子&皆川賢太郎離婚の衝撃。「円満離婚」するカップルは揉めてないのは本当か...
timelesz 菊池風磨に「優秀な面接官」と称賛。人事のプロはどう見た?
 9月13日より配信が開始されたオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(Netfl...
クズのくだりに違和感。マツケン演じる栄吉のカラオケは「おむすび」の名物シーンに?
 天神のゲームセンター近くでギャルたちに出くわした結(橋本環奈)が、しつこく博多ギャル連合(ハギャレン)への加入を求めら...
桧山珠美 2024-10-03 17:05 エンタメ
15分の放送がとても長く感じるのはなぜ?平成ギャルと視聴者の戦いかも
 書道部に入った結(橋本環奈)は、先輩の風見(松本怜生)の言動に心ひかれるようになり、青春を謳歌している気分になるが、ク...
桧山珠美 2024-10-02 17:10 エンタメ
そう来たか!橋本環奈の台詞「“朝ドラ”ヒロインか!」に込められたメッセージは…
 平成16年、福岡県糸島で農業を営む父・聖人(北村有起哉)、母・愛子(麻生久美子)、祖父・永吉(松平健)、祖母・佳代(宮...
桧山珠美 2024-09-30 17:30 エンタメ
菅田将暉『眉毛 なぜ』の話題で持ち切り。菅田3兄弟から目が離せない!
 菅田将暉(31)は見るたびに印象が違います。たとえば、先日の「あさイチ」(NHK)プレミアムトークに出演した際は、「デ...
ヒロインがすでに亡くなっている…! “地獄の道”を歩んだ佐田寅子は特別な女性だったのか?
 さまざまな仕事をかけ持ちし、多忙な毎日を送る優未(川床明日香)。花江(森田望智)もひ孫に囲まれ平穏に暮らす。航一(岡田...
桧山珠美 2024-09-28 06:00 エンタメ
ニコイチだった目黒蓮「海のはじまり」と松村北斗「西園寺さん」、株を上げたのは…?
 夏ドラマで“シングルファーザー”設定かぶりで話題となった、Snow Man・目黒蓮さん(27)主演の「海のはじまり」(...
こじらぶ 2024-09-28 06:00 エンタメ
なぜ『内村プロデュース』は伝説の番組に? 有吉弘行らから見える内P愛
 来たる9月28日、『内村プロデュース』(テレビ朝日系)が『祝!内村光良還暦祭り 内村プロデュース復活SP!!』と題して...
桂場の甘味好き、愛を語る家裁メンバー…「虎に翼」の登場人物は愛すべき人たちばかり
 最高裁大法廷では、いよいよ美位子(石橋菜津美)の事件の判決が出されようとしていた。寅子(伊藤沙莉)は早朝、よね(土居志...
桧山珠美 2024-09-25 17:10 エンタメ
期待はずれと面白かった夏ドラマを調査!『新宿野戦病院』をよそにアラフォー世代に刺さったのは…?
 2024年夏ドラマが続々と最終回を迎えています。今期も話題を振り撒いてくれた数々の作品がありましたが、みんなの率直な感...
ちちんぷいぷい返しを試みた航一は朝ドラヒロイン良き夫“ベスト5”に入る
 寅子(伊藤沙莉)の名前を知る少女の祖母・佐江子(辻沢杏子)が訪ねてきて、孫を助けてほしいと寅子にすがる。  そん...
桧山珠美 2024-09-23 17:25 エンタメ
『光る君へ』は吉高由里子、『スオミの話』には長澤まさみ…人気脚本家“お気に入り俳優”の傾向は?
 大石静氏脚本のNHK大河ドラマ『光る君へ』、クドカン節がさく裂するフジテレビ系『新宿野戦病院』など、昨今放映されている...