恋人より娘にお金を使ってきた
しかし娘に、亜紀さんと結婚を決めたとを話したあたりから、態度が急変。ノリアキさんは困惑していると言います。
「亜紀さんと結婚をするって言ったら、娘の顔色がみるみる変わったんですよ。
『パパの財産目当てなんじゃない?』って言い出して、僕が否定をしても、娘はまったく納得してくれませんでした。
確かに亜紀さんは資産を持っていないし、生活もそこまで余裕がありそうには見えません。
だけどこれまで僕に対してお金をせびってきたこともなければ、何か高額なものをねだられたこともありません。むしろ僕は亜紀さんと付き合ってからも、娘のほうにお金を使っているんですよ。
それなのに、亜紀さんとの結婚を猛反対してくるなんて本当に想定外でしたね」
恋人も娘もどちらも必要
すでに娘は成人しているので、反対意見を聞き入れる必要はないと思いながらも、結婚を強行できないとノリアキさんは打ち明けます。
「亜紀さんと結婚したいです。ですが、娘との縁が切れてしまうのも怖いんですよ。
ワガママに聞こえるかもしれないけれど、僕はこれから老後に向かって、少しでも“安心”を増やしておきたいんですね。
結婚相手を探していたのも、老後の安心のためだし、娘との関係を良好にしておきたいのも同じです。
だからどちらが欠けるのも、僕にとっては困るわけです。
僕はもうすぐ60歳です。安心材料をどれだけ多くしておくのかっていうのが、今後の人生のテーマになると考えているんです。
娘を説得するか、が納得する亜紀さんではない誰かを探したほうが早いのか。僕のなかでは、まだ答えが出ていません」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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