「アンパンマン嫌い」の親が“強要”するのは虐待? 炎上騒動に思うアンチと子育ての妥協点

小政りょう ライター
更新日:2024-11-28 06:00
投稿日:2024-11-28 06:00

ドラえもん、きかんしゃトーマスにも共通点が

 Mさんは続けます。

「また、生まれて間もない乳児の視力は、わずか0.01~0.02程度といい、視覚的な観点から見てもハッキリとした配色、しかも赤などの暖色の方が好感を持ちやすいと考えられています」

 ハッキリとした配色、赤…これもまさにアンパンマンそのものです。このことから、乳児の頃は、「好き嫌いがない、自己が形成されていない、物心ついていない」などと思われがちですが、アンパンマンで笑うというのもちゃんとした赤ちゃんの意志ということになります。

 考えてみれば、きかんしゃトーマスやドラえもんなど、乳幼児に人気のキャラクターは、まるくて、ハッキリとした配色のモチーフが中心のものが多いですよね。筆者は好み的にきかんしゃトーマスは「なぜ?」と感じていましたが、丸くてはっきりした配色で合点がいきました。

親の意志も大事だけど…

 最後に、Mさんに件のスレッズの投稿を見せたところ、言葉を選んだうえでこんなことをつぶやいていました。

「だけど、結局は親がお金を出すので、最近は親が欲しがるようなおしゃれなくすみカラーのおもちゃや服、アイテムも増えてきましたよね。その方が写真にも映えますから」

 きっと、制作者側の葛藤もあるのでしょう。育児で疲れたパパママが「自分がご機嫌になる手段として、子供周りを自分好みにおしゃれに染めたい」という意志も否定できません。ただ、アンパンマンに関しては、興味を持ちはじめた赤ちゃんのはじめての意思を尊重して欲しいなと筆者は思います。

 なぜなら今後何年も続く育児の中で、子供が親の意志に反する嗜好や希望を持つことはいくらでもある。だからアンチアンパンマンの新米ママさんもその練習だと思って、まずはワンアイテムだけでも受け入れてあげてもいいかもしれませんね。

 ちなみに、2025年春に開始されるNHK朝の連続テレビ小説は、アンパンマンの生みの親・やなせたかしさんの妻が主人公の『あんぱん』に決定しました。

「アンパンマンはダサい!」と嫌悪を持ったり、食わず嫌いの親世代も、朝ドラ効果でアンパンマンに理解が深まれば、だれもが笑顔のアンパンマンワールドのような優しい世界になるのかもしれませんね。

小政りょう
記事一覧
ライター
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

ライフスタイル 新着一覧


春節に欠かせない「柑橘類」は金運アップの鉄板アイテム!
 まもなく中国圏の方々にとってのお正月「春節」がやってまいります。中国のお正月はワタクシの旦那様がシンガポール駐在時に現...
菜の花を食べると「いけないこと」をしている気分がする
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。  動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシ...
添い寝&ストレス監視!ガーミンのスマートウォッチ「Lily 2」その腕前は
 ストレスや疲れが貯まってくると、口唇ヘルペスができて黄信号を発する我が身体。よくできたヤツめ、と感心しますが、そもそも...
後輩社員の「大丈夫かと」「可能性高いかと」“かとかと”語尾にもやもや!
 誰かと会話している時に、語尾にイライラもやもやしてしまうことはありませんか?  流行り言葉は目まぐるしく移り変...
2024-01-30 06:00 ライフスタイル
遠いあの子を思い出す…センチメンタルな“たまたま”にホロリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
こんな言葉を聴きたくて、僕らは旅に出るのかもしれない
 兵庫県神河町のサイクリングコース「越知川名水街道」にやってきた。  壮大な景色をバックに、あたたかいメッセージに...
P活、頂き女子…「パパ活」のことばも進化し続けている
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第66回「保護猫探偵ハッシー」
【連載第66回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
ホームパーティーの会費どうする?主催するメリット&お招き時のマナー
 気の合う仲間と自宅でゆっくり食事を楽しめるホームパーティー。コロナもひとまず落ち着き、ブーム復活の兆しです。  ホー...
中学受験のプロが推薦 御三家でも新御三家でもない将来安泰の「中堅校」
 今年の中学受験シーズンも真っ只中。首都圏では、1月10日に埼玉県、1月20日に千葉県、そして2月1日には東京都と神奈川...
アラフォー女性のリアルがここに! 元旦に誓った今年の目標
「一年の計は元旦にあり」とも言われるように、年のはじめに計画を立てることはとてもいいことです。でも、一年の目標に何を掲げ...
話し合い好きは平和主義?むしろ支配欲強め!一歩間違えるとモラハラに…
 話し合いで解決を図る人、みなさんはどんな印象がありますか? たぶん平和的とか、論理的なイメージが強いのではないでしょう...
美STの開運マスク付録ってなに?ドモホルンリンクルは一式試せて嬉しい
 今回ご紹介する雑誌付録は、「美ST」2024年3月 増刊号(松嶋菜々子表紙)の「開運&美肌見え! PITTA MASK...
なんて素敵な夫! ド近眼の妻にICLを提案した「永久保存版トーク」
 昨年の夏頃から計画して、お正月明けに眼内にレンズを挿入して視力を矯正するICLの手術を受けました。  小学生の頃から...
「正」の字に振り回されて…
 はいっ、新しい年が始まりました。みなさん、お正月は楽しく過ごせましたでしょうか。  お正月の「正」の字には、「あ...
YOUはどうしてバンザーイ?  全開“たまたま”にあれこれ妄想
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...