「アンパンマン嫌い」の親が“強要”するのは虐待? 炎上騒動に思うアンチと子育ての妥協点

小政りょう ライター
更新日:2024-11-28 06:00
投稿日:2024-11-28 06:00

スレッズで「アンパンマン」投稿がプチ炎上

 先日、Threads(スレッズ)において、生後6カ月の赤ちゃんを育てている女性が「(我が子に)アンパンマンを徹底的に避けている」と投稿。この発言が子育て界隈で波紋を呼び、プチ炎上状態になりました。

 その女性に寄せられたコメントには「かわいそう」「ある種の虐待」だという厳しい意見の他、「アンパンマンを避けるのは山奥で自給自足するぐらい難しい」「いつの間にか入り込んでいる」「(自分も避けていたけど)我が家の敗北」というアンパンマンが子供を惹きつける力には勝てない、というものが多く見られました。

【関連記事】40代“子育て女”キャリア再形成に苦戦中。専業主婦→パートを経たその先のハードルが高すぎる

新米ママにありがちな自意識と母性の葛藤か

 その女性がなぜアンパンマンを避けるのかという理由は、スレッズ上に詳しく明言されていませんでした。ただ、くまのプーさんなどのキャラはさほど好きというわけではなくても許容できているようです。

「嫌いってわけじゃない」とも言っており、子育て経験者の筆者が推測するに、新米ママにありがちな自意識と母性との間で揺れ動く複雑な心理状態からくるものだと思われます。

 理由は「派手でPOPなアンパンマンで家を支配されたくない」「アンパンマンはオシャレじゃない」「みんなと一緒じゃイヤ」「アンパンマン市場に取り込まれたくない」…あたりでしょうか。いずれにせよ、アンパンマンは、それだけ心をざわつかせる大きな存在なのでしょう。

 しかし、なぜ「アンパンマンを見せないのは虐待」と言われるほど、アンパンマンは乳児の心を掴むのでしょうか。

 偶然や単なる市場の刷り込みではないはずだと筆者は考え、長年いろいろな乳児や子供を見続け、嗜好を研究してきた、子供向けのファッションアイテムの企画・デザインに携わっているMさんに話を伺いました。

子供がアンパンマンに惹かれる理由

 Mさん曰く、ぼんやりとした不確かな世界の中で、赤ちゃんが意識的にはじめて理解できるのが「まるいかたち」なのだそう。

「乳児のアンパンマン好きには根拠があると聞きます。人間の脳にはニューロン(neuron)と呼ばれる情報の伝達と処理に特化した細胞神経細胞が張り巡らされており、最初に発達するのが円や丸を認知するニューロンなのだそうです。だからこそ、赤ちゃん向けの製品を企画制作する際は、まるいモチーフをどこかしらに入れることを心がけています」

 確かにアンパンマンは顔、ほっぺ、手、丸い形の集合体です。ばいきんまんも目が真ん丸。赤ちゃんがアンパンマンを見て笑ったり、手を伸ばすのは、好き、嫌い関係なく、「産まれて初めて何かを認識できる感動」に喜んでいる状態なのでしょう。つまり、赤ちゃんがアンパンマンで笑った時、それはまさに知的好奇心が育まれている状況なのだそうです。

小政りょう
記事一覧
ライター
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

ライフスタイル 新着一覧


伴侶、ペット…大事なパートナーの死の乗り越え方。花屋が痛感する「ほどほど」と「さっぱり」
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ギフトやデイリーユースの販売に加え、冠婚葬祭をはじめとした「ライフイベント」...
バツイチ女一匹、大学院での「ポンコツ商店会研究」が高評価! 学問と実践、どっちがムズイ?
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
グレイヘアは腰が引けるよね…。それでも中年女性の白髪はチャンスだと思えた“素敵な一言”
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
既婚者マチアプが大盛況。更年期=女の終わりにあらず、恋も人生もアップデートしたい40代女性の決意
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  今回は「更年期」...
ママ友の裏表に震えた3つの話。子どもつながりとはいえ、皆と仲良くする必要はない?
 子どもを通して接点を持ったママ友。仲良くなるにつれて、良くも悪くも「こんな人だろう」とイメージが固まるものですが、果た...
遊び疲れた帰り道…夕日の中、友達の声に耳を澄ませる“たまたま”君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
都電が走る風景もどんどん変わっているようだ
 歩行禅って知ってる?  歩きながら「ありがとう」や「ごめんなさい」を唱えると、ココロがすっきりするらしい。 ...
【異なる句読点探し】「!?」の中に隠れた異なる“一文字”は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますよう...
まだ40代?もう40代? 老いを痛感した切ない瞬間6選。夜の生活で途中休憩したくなるトホホ
 年齢を重ねると、体の老いを実感する瞬間が増えてきますよね。今回は、40代を過ぎて老いを実感した人のエピソードをご紹介し...
他人への「うらやましい」をやめられない人の対処法3つ。嫉妬心を少しでも手放そう
「なんで私はこんな生活をしているのに、友人ばっかり幸せそうなの…」「みんな毎日充実してそうなのに、私は全然充実していない...
40代の倖田來未が《全盛期と変わってない》と話題に…20年前と同系ファッションでも、なぜ痛くない?
 歌手の倖田來未(42)が23日、自身のインスタグラムを更新。4月13日に開幕する『2025年大阪・関西万博』関連のイベ...
猫になりたい! 春の訪れを教えてくれる自由奔放な“たまたま”8連発
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年2月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
「私もう〇〇じまいしました」解放感半端ない!40代女性がやめたこと6選
 あなたには「そろそろやめようかな」と思っている習慣はあるでしょうか? 今回は40代の女性たちに「やめたこと」を聞いてみ...
ゴミは減る、お金は減らない!100均の「使い捨てない」アイテム3つ。ティッシュ使いすぎ問題も解決かっ?
 ラップ、ウェットティッシュ、液晶クリーナーなど今までは使い捨てできるものを使っていましたが、何度も繰り返し使えるものに...
子供を傷つけるかもしれないNGワード7選。無意識に使いがち、SOSを見逃す可能性も
「愛する我が子を傷つける親はいない」と信じたいところですが、普段の何気ない一言で無意識に子供を傷つけてしまっている親がい...
オヤツ時間に3つの“たまたま”が大集合♡ みんな仲良くありがたま
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...