「考えておく」とは言ったけれど
「当時から、調子のいいオトコでしたけどね、そういうところはまったく変わっていないなって気がしました。
子どもは男の子なんですけど、パパの存在について一切説明していません。
だから彼が息子に会いたいって言ってきたとき、私からは『それは無理』と一度は断ったのですが…。
しつこいくらい何度も食い下がり、なかなか電話を切らせてくれないので、最終的には『考えておく』と言ってしまいました。
だけど…すでに別の女性と家庭を築いている上に、養育費だって1円ももらっていないのに『父親なんだから、会わせろ』って言うなんて…。ムシがよすぎると思いませんか?」
一方で、息子に対していつまでも父親の存在を隠すのは良くないのかもしれないと由香子さんは考えています。
息子のための最適解は?
しかし突如として目の前に現れた父親に息子はどんな思いを抱くのか、せっかく穏やかにスクスクと成長しているのに、父親のせいで悪影響が及ぶのではと話します。
「もともと未婚で産んでいますから、彼が父親役を担うとは思えませんし、期待もしていません。
もし今後、息子がグレたり問題を起こしたりすれば、父親に出てきてほしいって思う日もあるのかもしれない。でも、今のところそんな未来は想像できないし…。
それに、私にこれから彼氏ができればその人と結婚する可能性だってあります。
変に実の父親が出てこないほうが息子にとってもいいんじゃないかって思うんです。
でも…、そうは言ってもやっぱり息子にとっては生物学上の父親だし…。だからダイスケさんが会いたいと言っている今こそ、息子に会わせるべきなのか? っていう気持ちもあるんですよね」
これまで10年もの間、ダイスケさんからはっきりと「息子に会いたい」と言われたことがなかった由香子さん。
突然の申し出に対して、どう決断をするのか悩みは深まるばかりだとため息をつきます。
◇ ◇ ◇
では、息子の父親であるダイスケさんは、どんな考えを抱いているのでしょうか。実はダイスケさんは、親しい仲間たちに今の状況や気持ちを吐露していました。
次回に続きます。
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