不倫相手と夫と3人で食卓を囲む⁉
「先生が訪れたのは、レッスン後の午後5時半ごろ。夕食は美和子先生の好きなパスタやチキン料理、温野菜サラダとワインです。
スタイルを気にする彼女のためにグルテンフリーの豆粉パスタで作り、オリーブオイルはスペイン産の高級なもの。家に入るなり『おいしそうな匂い』と笑顔を見せてくれて、そんな時『やっぱり美和子先生が好き』と恋心を確信てしまって…。
夫にはどんな風に紹介しようと気が気じゃないのに、彼女の顔を見ると不安が消えてしまう(笑)。不思議ですよね。
テーブルで向かい合って食事を楽しみ、程よく酔ったタイミングで夫が帰宅したんです。一瞬、緊張が走りましたが、リビングに来た夫は、美和子先生に笑顔を見せ、『いつも妻がお世話になりありがとうございます。僕は仕事で構ってやれないんで、どうぞゆっくりしてください』と、丁寧に挨拶をしてくれました。
美和子先生もイスから立ち上がり『初めまして。今夜はありがとうございます。弥生さんと仲良くさせていただいています』とクールな微笑。ほんの数秒でしょうが、私にはかなり長く、息苦しさを感じました。
その上、美和子先生が『よろしければ、ご主人もご一緒にお食事しません?』と誘ったので、びっくりしてしまって…」
弥生さんは「3人で食卓を囲むなんてありえない!」と肝を冷やしたという。だが、夫は『食事は済ませましたし、これからリモートワークなので』とやんわりと断って自室に向かった。
元カノへの復讐心? それとも…
「ヒヤッとしましたが、夫が同席しなくて本当に良かった。私の動揺をあざ笑うように、美和子先生は『思った以上にダンディな旦那さまね。スーツが似合って、いかにも仕事ができるって感じ』とワインをあおって…。
さらには『でも、まさか私たちが付き合っているなんて思いもしないでしょうね。知らぬが仏。ふふっ』と挑発的な笑みを浮かべたんです。
この時、美和子先生の心の内が透けて見えた気がしました。男との結婚に走った元カノへの復讐心です。いえ、もしかしたら『男』そのものへの憎しみがいっそう強まったかもしれません」
元カノへの執着を悟った弥生さんの心はざわめいた。
「美和子先生の言動に『せっかくだから、今日は泊まってほしい』と誘ったのは私です。いつまでも元カノの亡霊に心をかき乱されたくなかったのと、美和子先生と一夜をともにしたかったから…。
これまでお泊りはNGだったので、スペシャルな夜にしたかったんです。夫に許可を得て、私の部屋に客用の布団を運びました」
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