ホットフラッシュvsニット。“セーター”に恋焦がれる更年期世代から「エアリズムニット」の提案

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-02-05 06:00
投稿日:2025-02-05 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第16話は「vsニット」。

暑くて怖いぞ、ニット

 今冬、クローゼットからほぼ出動していないアイテムがある。まずは白のニット。そして水色のニット素材のセットアップに、グレーの裏起毛パーカ。どれもふんわりと肌触りが良く、保温性に優れている。保温性、これが更年期のおばさんにとっては問題なのだ。

「最近、全然セーターとか着てないわ。だって着てる最中に急に暑くなったら怖いじゃない」

 私と同年代の主婦の友人がこう言っていた。昭和生まれ世代は「セーター」と呼称するのはさておき。なぜ私や彼女がニットなどを着ていないかといえば、理由は更年期によって、体に抱えた熱に尽きる。更年期症状とは神出鬼没。いつのぼせるのか、ホットフラッシュが現れるのかは、更年期の神のみぞ知る。

 例えばニットを着用していて、打ち合わせ中に突然暑くてどうしようもなくなったら? 満員電車で急に暑くなったら、逃げ場がない。車内で倒れてしまうことも想定しなくてはならなくなる。

 とはいえ私がニットを購入したのはほんの3〜4年前。当時はふつうに着ていたことを思い出すと、自分の症状がひどくなったのか、はたまた…?

【こちらもどうぞ】まさか痴漢に遭うとは…更年期真っ最中のおばさんの身に降りかかった「性的な危険」

日本の国内の空調はもっと低くても…?

 更年期障害によって自律神経が乱れ、自分で体温コントロールが難しくなり、気づいたのは国内の施設の暖房が効き過ぎていること。出版社、テレビ局、オフィスビルで仕事相手から何度かこんなことを言われた。

「会議室、暑くないですか。空調を下げますね」

 当初はこちらの更年期を心配してもらったのかと思ったが、更年期バッジがついているわけでもない。私のプライベート情報を相手は知る由もない。

 これは私の推測だが、酷暑が続き、10月まで夏物を着るような異常気象が続いた昨年と、始まったばかりの今年。12月から急激に寒くなったことを覚えている。そして最近、やっと冬らしい気温になった。とはいえ、約10年前に11月くらいからダウンジャケットを着ていたことを思い返すと、そこまでの寒さではない。

 ビルシステムが空調管理をしているとはいえ、アップダウンの激しい外気と室内の温度調整が噛み合っていないのではないかと思う。

 それを実感したのが2025年の正月。私は地元のFM局にて、3時間半の生放送に出演をした。ライフワークになりつつある、テレビドラマについてあれこれ話す放送回だ。

“保険”としてシャツを持参したが…

 新年一発目の仕事というのは気合いが入る。少しだけ危惧もしたが、願掛けも兼ねて赤いニットを着ていった。もし暑くなったら着替えればいいと、念のためシャツも持参。

 ところが暑くなることは全くなかった。館内に暖房は効いていたけれど、正月のため人気はほとんどない。通常であれば多くの人が往来するラジオ局も、最小限のスタッフで動いていたおかげで、ビル特有のモアっとした暑さはなかった。この温度を体感しながら「他の暖房調整もこんなもんでいいんだが」と、心でぼやく。少し寒いかも? くらいが長く室内で過ごすにはいいのかもしれない。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


茜色の街に思うこと
 茜色の街はまるでスクリーンの中のようだ。  ほんの少し、立ち止まって、世界観に没入する幸せ。
【動物&飼い主ほっこり漫画】第89回「お散歩行くでゴザル」
【連載第89回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【女偏漢字探し】「嫐」の中に紛れ込んだ漢字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
LINEで話を聞いてほしいだけの人への対応3カ条。真剣に考えた時間の分だけガッカリしないために
 友人からLINEで相談を受け、親身になってアドバイスをしたのにまったく聞いてくれなかった…なんて経験はありませんか? ...
想定外のひとり旅。「クリスマスに仕事がない」って恥ずかしいこと?
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
仕事ができない風に見えるLINE3選。沈黙やだんまりを決め込むには理由がある?
 仕事ができるかどうかは、見た目だけでは判断できません。世間では仕事ができない風に見えるLINEを送ってくるのに、実は超...
【2025年中学受験最前線】教育のプロに聞く“飛ぶ鳥を落とす勢い”の意外な注目校は?
 今年も中学受験シーズンに突入した。勝ち抜くには情報入手は必要不可欠、来年度の傾向は?
お受験界隈が中居正広に激怒!? ACジャパンの「教育虐待」CMに一部で批判が殺到している理由
 先日引退を発表した元SMAPの中居正広(52)の女性トラブルにフジテレビ社員が関与していたとする一部メディアの報道や、...
ちゃんと「甘える」ことできてる? 頑張りすぎる女にこそ、スナックが必要なワケ
 みなさんは、後輩や年下の子に甘えるのって得意ですか? 私はめちゃくちゃ苦手なんですが、憧れの女たちはすごく上手に、年下...
「男友達が欲しい」40代女性はどうすればいい? 理想のオトコと夫の理解を得る方法
 40代既婚女性が「男友達が欲しい」と思うことに抵抗を感じる人もいるでしょう。でも、若い時から異性の友達が多かった人の場...
猫の楽園からお届け♪ 陽だまりでキラキラ輝く“たまたま”たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
節分にベストな「厄払い花」4種と“今っぽ”なスワッグ。2025年無病息災で生き抜くためのおまじない
 今回のテーマは今年1年無病息災で生き抜くためのおまじない、「植物の力を借りて邪気退散! 節分にオススメのお花」の解説で...
ポンコツ商店会「結束力・帰属意識の低さを痛感する」の巻。氏神様の参拝を企画しても参加者は2割以下…
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
年上が払う、おごる文化はご勘弁! 割り勘会計で気持ちよくいきませんか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
わが職場にも「承認欲求が強い女」ご降臨。偉い人ホイホイ? 痛すぎる6つの特徴
 職場にウジャウジャと潜んでいる、承認欲求モンスター女。あのモンスターたちがやることはみんな似通っているのが摩訶不思議。...
花粉飛散してるってよ!花粉症自覚歴3年の40代婦人が健康管理に投入する“三種の神器”で症状軽減なるか
 東京都は先週17日、8日からスギ花粉の飛散が始まっていた(!)と発表しました。例年が2月上旬~中旬のなか、1カ月ほど早...