お受験界隈が中居正広に激怒!? ACの「教育虐待」CMに一部で批判が殺到している理由

小政りょう ライター
更新日:2025-01-24 06:00
投稿日:2025-01-24 06:00

受験=悪? 偏見を助長する演出になっていないか

 このCMにおいて最後の「子どもの心を尊重していますか?」という点が一番の訴求ポイントでしょう。
 
 ですが、暗い勉強部屋、妙に怖い母親、そして子どもの精神的幸福度が低いのが「勉強をしているせい」だと言わんばかりのデータの出し方は、確かに受験に向かって頑張っている子どもや親を惑わしかねません。

 確かに実際に事件になっている通り、行き過ぎた教育虐待は問題ではあるものの、親子ともども一番神経質になっている時に流すものかという意見には一理あるのではないでしょうか。

「子どもは子どもらしくあれ」の幻想と学歴賞賛の矛盾

 このようなテーマのCMが作られること、そして受験戦争が加熱することへの批判がある一方で、昨今の日本のメディアは高学歴をもてはやす風潮が以前にもまして強くなっていると感じます。

 知識系のクイズ番組では出演者の名前の横に大学名が入ることもザラ、お笑い界でも高学歴の学生芸人が幅をきかせている。学歴をもてはやし、格差を煽っていたメディアが「子どもは子どもらしくあれ」「子どもは身体を動かしたいもの」と主張するのは、まるで手のひら返しのよう。

 そんな昔ながらの認識の元で「志望校に入りたい」という前向きな希望を持って、勉強をしてきた子を立ち止まらせるようなCMを流してしまうことには筆者も疑問を感じます。

 散々学歴社会を見せつけておきながら、CMでは相反するテーマが流れる矛盾。様々な意見や風潮があって然るべき世の中ではありますが、合格という目標に向かって真っすぐ進んでいる時期に流されると、親たちがクレームを入れるほど怒ってしまうのは当然でしょう。問題提起も逆効果です。

 とにかく放映時期が受験時期と奇しくも重なりバッドタイミングでした。「これで受験をすることに迷いを感じた子どもが落ちたら、この状況を作った中居さんのせい。引退したとしても一生許さない」という意見も中学受験界隈のグループ内で見られました。

2024年から放送されていたようだが

 ただ、批判の声があるものの、実際リアルタイムでそのCMを見た人は少なく、オープンチャットやSNSの問題提起からリンクを辿ってCM動画を見た人が多い模様です。

 クレームや反響で放映の自粛をしたのか、筆者自身も今のところ1回しか目にしていません。実際の中学受験生や、その親御さんはテレビ、特にフジテレビを見ていない人が多いからのようです。テレビを見る時間があれば勉強をしているか、最近はTverなどで番組を選んで視聴している人も多いですからね。

 ちなみに、このCMは制作された2024年からたびたび放映されていたそうですが、リアルタイムで目にした中学受験関係者の中でも、今回の騒動で初めて見たという声がほとんどでした。そのことは救いではありますが、本来訴求すべき人々に届いていないのはCMとして失敗なのかもしれません。

小政りょう
記事一覧
ライター
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【2025年中学受験最前線】教育のプロに聞く“飛ぶ鳥を落とす勢い”の意外な注目校は?
 今年も中学受験シーズンに突入した。勝ち抜くには情報入手は必要不可欠、来年度の傾向は?
ちゃんと「甘える」ことできてる? 頑張りすぎる女にこそ、スナックが必要なワケ
 みなさんは、後輩や年下の子に甘えるのって得意ですか? 私はめちゃくちゃ苦手なんですが、憧れの女たちはすごく上手に、年下...
「男友達が欲しい」40代女性はどうすればいい? 理想のオトコと夫の理解を得る方法
 40代既婚女性が「男友達が欲しい」と思うことに抵抗を感じる人もいるでしょう。でも、若い時から異性の友達が多かった人の場...
猫の楽園からお届け♪ 陽だまりでキラキラ輝く“たまたま”たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
節分にベストな「厄払い花」4種と“今っぽ”なスワッグ。2025年無病息災で生き抜くためのおまじない
 今回のテーマは今年1年無病息災で生き抜くためのおまじない、「植物の力を借りて邪気退散! 節分にオススメのお花」の解説で...
ポンコツ商店会「結束力・帰属意識の低さを痛感する」の巻。氏神様の参拝を企画しても参加者は2割以下…
 新年明けてから、もうすでに数週間が経過。はやい。  その上、今月は誕生日月のため、また1歳、年を取る。赤いちゃん...
年上が払う、おごる文化はご勘弁! 割り勘会計で気持ちよくいきませんか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
わが職場にも「承認欲求が強い女」ご降臨。偉い人ホイホイ? 痛すぎる6つの特徴
 職場にウジャウジャと潜んでいる、承認欲求モンスター女。あのモンスターたちがやることはみんな似通っているのが摩訶不思議。...
花粉飛散してるってよ!花粉症自覚歴3年の40代婦人が健康管理に投入する“三種の神器”で症状軽減なるか
 東京都は先週17日、8日からスギ花粉の飛散が始まっていた(!)と発表しました。例年が2月上旬~中旬のなか、1カ月ほど早...
「夫に近づきたくない!」年末年始9連休で痛感した“一人になれる空間”の大切さ。自室ナシ主婦が実践すること
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
“たまたま”の戦いごっこを特等席で観戦中! カッコよすぎて目が離せない
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「港区の遊びはやり切った!」アレン様を待ち受けにするギャラ飲み女子、私生活で各界有名人を総ナメ
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
あなたのものは私のもの!? 「友達を奪う女」の心理と対処法…略奪対象は彼氏だけじゃない
 自分の仲が良い友達を奪う女に悩んでいる方、必見! 今回は友達を奪おうとする女の心理と対処法を解説します。  人の男を...
聞こえてくる音は…
 長いトンネルの中を歩く。  かすかな音も振動となって耳に入り込み、心を震わせた。
【女偏漢字探し】「妹」の中に紛れ込んだ漢字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
LINE界隈の地味な嫌がらせ、どう撲滅する? 先輩部下からの休日鬼電、八方美人なママ友、嫉妬する女友達…
 地味〜に嫌がらせをしてくる相手、どう対処するのが正解なのでしょうか? 今回はLINEで受けている“地味な嫌がらせ”を3...