「娑」「婆」の部首は「さんずい」ではなく、どちらも下にある「おんな(へん)」なのです。これまで、「姿」や「委」など紹介してきたので、そろそろ慣れてきたころでしょうか。
この娑婆は、古代インドの標準文章語である梵語(サンスクリット語)のsahāの音訳です。意味は、
1. 苦しみが多く、忍耐すべき世界の意。人間が現実に住んでいるこの世界。
2. 自由を束縛されている軍隊・牢獄・遊廓などに対して、その外の自由な世界。俗世間。
この世界でも、苦しみがあり、忍耐の世の中らしいです。はあ、今ですかね。
出典元:「広辞苑」(第7版)、「なるほど 語源辞典」
(日刊現代校閲/タダ美)