豪快豪傑みのもんたさん顔面蒼白に 女性アシスタントとの不倫報道の前日、不安そうな表情で…
【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】
みのもんたさんが亡くなった(享年80)。
僕はワイドショーの仕事をしていて、メーク落としの時に次の番組の準備をするみのさんとよく話をしたものだ。
みのさんは早朝とお昼の生放送のキャスターを掛け持ちしているのに、毎晩のように銀座で酒を飲んでいたというが、本当なのだ。昼の番組前に顔を合わせると、「まだ酔ってるよ」と笑っている。僕が「早朝も司会をやってたじゃないですか」と言うと、「あの時間は(酔ってるのではなく)完全な酔っぱらいだよ」とガハハ笑いで、僕も笑うしかなかった。ただ、しゃべりはシラフのようにしっかりしていた。
凄いと思ったのは、ある地ビールの発表会にゲストでやってきた時のこと。挨拶に立って「まずは乾杯しなくちゃ」と大きなグラスのビールを一気飲み。「皆さんも飲んで」と言いながら、つがれたビールをまたも一気飲み。みのさんの酒を用意する係が次々にビールをつぐのだが、結局、小一時間のイベントで1ケース、24本のビールを飲み干していた。5分で2本のペース。しかも、まったく乱れるところがなく、僕らマスコミを相手に談笑していた。
実はその時、僕はみのさんから「マネジャーに住所を教えて」とささやかれていた。後日、地ビールが僕の自宅に届けられてきた。
これには多分、理由があったと思う。そのしばらく前のことだ。みのさんには珍しく、スキャンダルが報じられた。お昼の番組のアシスタント女性と“夜遊び”しているところをキャッチされたのだ。
その週刊誌が出る前日、僕はみのさんの番組プロデューサーに呼ばれた。そこには、とても不安そうな表情のみのさんの姿があった。経験のないことで「どうしていいのかわからない」という様子がありありだった。年上のプロデューサーは「何もないんだったら、そう言えばいい。アシスタントを降板させることもしない」と話していて、僕は報道陣から想定される「質問はこうだ」「答え方はこうだ」と説明した。
みのさんはそれを理解した上、発売日に彼が姿をあらわす場所を一部マスコミにそれとなく流した。それが夕方の赤坂の料亭だった。
やってきたみのさん。あのガハハ笑いで、「遊んでますよー。今日もここからスタート。あの記事? 何もないよ。今日も遊ぶぞ」とうそぶいていた。
その様子を見た僕は前日との違いに大笑いするしかなかった。豪快な姿を見せながら繊細な部分も同居。彼はとても気遣いの人で、銀座での豪遊もどこまでが自己演出だったろうか。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)
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