【おむすびにモヤっと】コロナ禍でもスタンドプレイの結。本編以上に“制作の舞台裏”に興味が湧くばかり

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-03-12 18:59
投稿日:2025-03-12 18:55

第23週「離れとってもつながっとうけん」#113

 コロナによる緊急事態宣言で飲食店が営業自粛に追い込まれる中、ヘアサロンヨネダを営む聖人(北村有起哉)は店を開けていいのかわからず、市役所勤めの若林(新納慎也)に教えを請う。

 一方、オリジナルブランドを立ち上げた歩(仲里依紗)は、在庫を抱えて落ち込んでいるかと思いきや、ネット通販で商品が爆売れして威勢がいい。

【こちらもどうぞ】弁当開発に「病院の管理栄養士」の売りはもう不要? “新型コロナ編”にも懸念が…

【本日のモヤっと】

ドヤ顔結がまたもやスタンドプレイ!?

 ※※以下、ネタバレあります※※

「あの、柿沼さん。コロナの患者さんのカルテをみたら、食事の摂取量が少ない人が多くて、免疫機能の低下が心配なんです。それで、ちょっと献立を見直してみたんですが…」

 委託会社の管理栄養士・柿沼(しまずい香奈)に話しかけ、なにやら資料を渡す結。この時、一瞬、塚本科長(濱田マリ)が結のほうを見ました。その目は、明らかに「えっなになに? うち聞いてないよ」という目でした。何度かパチクリしていたので。

 そんな塚本科長の驚きはさておき、結は、その資料をイシダッチ(吉田剛明)や塚本科長にも手渡し、「献立の栄養価を見直したら、ビタミンDは食材変更でもう少し上げられそうなんです」とドヤ顔。「たとえば…。鱈をビタミンDの多い鮭に変更するとか」と続ける結。その資料を食い入るように見つめる塚本科長、「うんうんうん」と細かく頷き、そして、「柿沼さん、どう思う?」と柿沼に話を振りました。

 いやいやいや。献立を見直しは、管理栄養科にとってかなりのトピックだと思いますし、結もまず塚本科長に話をもっていくのが筋ではないのか、と。またもや結のスタンドプレイ。塚本科長、人が良すぎますって。というか、ここは、「米田さん、そういうのはまず、うちに相談してな」と諫めるべきところではないでしょうか。

 個人病院ならともかく予算的なことも含めて、いくらコロナで緊急事態とはいえ、改革するのならそれなりの手順を踏まなければならないのは、組織に属したことのある人間なら誰でもわかることです。

「少しでも食べて貰って体力を回復していただきたいんです」。結が柿沼に訴えますが、管理栄養士なら誰もが思っていることで、いまさら結にドヤ顔で訴えられても…。なんか“仕事してます感”を前面に押し出していますが、スタンドプレイにもほどがあります。

「それやったらコロナの患者さんだけやなくて、全患者さんの献立、見直しませんか?」と柿沼。「ありがとうございます」と結。柿沼にそんな権限があるのかとモヤモヤしましたが、次の瞬間には、もう試食になっていました。ヒロインが栄養士だからなのか、「おむすび」というドラマはなにかと試食のシーンが出てきますが、今回も話し合いからどのくらいの時間を経て新メニューが出来上がったのか全くの謎でした。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


スキャンダル続出の花田優一、美女にモテまくるのは何故? 不誠実男に学ぶ「悪名は無名に勝る」メリット
 元横綱・貴乃花光司と元フジテレビアナ・花田景子を両親に持つ“親の十四光り”の花田優一。  現在、元テレビ東京アナ...
堺屋大地 2025-08-17 11:45 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)、“何か”が始まっちゃう? 嵩は作詞能力をいつ見抜かれたのか
 舞台公演は成功裏に幕を閉じる。数日後、なぜかぼんやりした様子の嵩(北村匠海)。そこに、また一緒に楽しい仕事をしようとた...
桧山珠美 2025-09-04 12:26 エンタメ
カズレーザー、山里亮太…芸人はなぜモテる? 業界人が分析する「メロい」現象が起こりやすい納得の理由
 カズレーザーさんと女優の二階堂ふみさんが結婚した。週刊誌にも撮られなかったどころか、噂すらなかったので世間はびっくり&...
帽子田 2025-08-15 11:45 エンタメ
島崎遥香31歳、40代を迎えても「幸せの更新」方法は変わらない。カテゴライズせず“ぱるる”として生きていく
 昨年、初めての著書『ぱるるのおひとりさま論』(大和書房)を出版するなど、このところ「ひとりが好き」「結婚願望はナシ」と...
望月ふみ 2025-08-14 11:45 エンタメ
ドラマ『しあわせな結婚』の奇妙な違和感。松たか子らの“ちぐはぐさ”は計算どおりなのか?
『光る君へ』『ふたりっ子』『大恋愛』などで知られるベテラン脚本家・大石静さんの完全オリジナル作品として、夏ドラマの中でも...
「あんぱん」六原永輔=永六輔の“言葉”に違和感が…。いせたくや(大森元貴)らの記憶力も凄すぎる
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は互いに隠していたことを打ち明け、新たに前を向く。それから7年の歳月が流れ――、未だ漫...
桧山珠美 2025-08-13 18:06 エンタメ
【芸能クイズ】ヒントは有名コンビ!「佐藤嘉彦・粋子」が本名な芸人は誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
空前のオカルトブーム! 大人も楽しめる「夏のホラーアニメ」3選。平成の“トラウマ級”作品が令和にリメイク
 近年、小説や映画を中心に巻き起こっているホラーブーム。Web記事から単行本化された小説を原作とし大ヒット映画となった「...
ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ
 日本を代表するYouTuber・HIKAKIN(以下、ヒカキン)が、パクリ動画を公開したことで炎上しました。  ...
堺屋大地 2025-08-14 10:37 エンタメ
「あんぱん」のぶの不器用設定はどこへ? ボツ原稿を持ち歩く嵩…まだまだあるクエスチョン
 独立した嵩(北村匠海)は独創漫画派という集団に所属し、そこで割り振られた仕事をこなしていた。だが、決して順調とは言えな...
桧山珠美 2025-08-11 17:03 エンタメ
キンプリ岩橋玄樹、A.B.C-Z戸塚祥太ら夏の深夜ドラマ、極上イケメン4選。“フェミ男”の二世息子も俳優デビュー
 常夏の国、ジャパン 日本列島沸騰中です! 連日、熱中症警戒アラートが発令し、無駄な外出はしないようにと呼びかけます。コ...
1位の道枝駿佑を抜いた!2025年上半期「国宝級イケメン」を検索数でランキング。最も調べられた日の出来事は
 7月15日、「ViVi国宝級イケメンランキング 2025年上半期」(以下、「ViViランキング」)が発表されました。N...
こじらぶ 2025-08-10 11:45 エンタメ
「あんぱん」手嶌治虫(眞栄田郷敦)と運命の出会い…だけど。“靴紐”シーンは何かの伏線なの?
 嵩(北村匠海)はカフェで打ち合わせをしていた手嶌治虫(眞栄田郷敦)に声をかけられる。いたたまれない気持ちで会社に戻った...
桧山珠美 2025-08-09 10:38 エンタメ
山田裕貴、“気持ち”を考え続けて撮影に挑んだ。W主演の堤真一に「恥ずかしくて聞けないこと」とは?
 太平洋戦争末期の沖縄で、アメリカ軍に追い詰められて木の上に身を潜めた日本兵が、終戦を知らないまま2年間にわたって潜伏生...
望月ふみ 2025-08-08 11:45 エンタメ
「あんぱん」健太郎(高橋文哉)闇市→ディレクターへ謎すぎる大出世。スピンオフに期待していい?
 嵩(北村匠海)の漫画が入選し、大喜びののぶ(今田美桜)。嵩はのぶの笑顔がうれしくてたまらない。そんな中、蘭子(河合優実...
桧山珠美 2025-08-05 16:53 エンタメ
お受験界隈が「神回」と絶賛。藤本美貴、澤部ら芸能人はなぜ私立を目指す?『しくじり先生』で語られた“二世”息子の壮絶エピソード
 実業家の岸谷蘭丸(24)さんが7月25日深夜に放送された『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(ABEMA・テレビ朝日...