【おむすびにモヤっと】最終週は最後の顔見世? 糸島移住“言い出しっぺ”の愛子さん台詞を深読みすると…

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-03-24 17:20
投稿日:2025-03-24 17:20

最終週「おむすび、みんなを結ぶ」第121回

 福岡・糸島に移住することが決まった聖人(北村有起哉)と愛子(麻生久美子)。ヘアサロンヨネダを翔也(佐野勇斗)が継ぐことになり、翔也の母・幸子(酒井若菜)があいさつに来る。愛子がイチゴを育てるつもりだと話すと、幸子は教えるからいつでも呼んでと言う。

 一方、病院で働く結(橋本環奈)は、新しく赴任した外科医のやり方に反発を覚える。

【こちらもどうぞ】【おむすびにモヤっと】懐かしの風見先輩降臨でも願わくば…最終週はナベベ×詩のご対面?

【本日のモヤっと】

「でも、ホントに大丈夫? 無理してない?」(by愛子さん)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 先週の風見先輩(松本怜生)に続き、翔也の母・幸子が久々に登場しました。今週はこんなふうに懐かしい人たちが次々と最後の顔見世で登場するかたちかもしれません。

 どこぞの離島に行ってしまった管理栄養士の西条(藤原紀香)や、岩手在住のギャル・アキピー(渡辺直美)の再登場もあるのでしょうか、これは見ものです。

 そんなわけで、聖人と愛子の糸島移住により、翔也がヘアサロンヨネダを継ぐことになったわけですが、そんな翔也に、「でも、ホントに大丈夫? 無理してない?」と気遣うふうの愛子にどの口が言っているのか? と思いました。愛子が糸島に移住したいと言い出したからこんなことになっているわけで…。

 翔也にしてみれば、尊敬するおやっさんの元で一緒に働けると思っていたのに、内心、「そりゃないよ~」という感じなのでは。それを「無理してない?」ですからね。それなのに「おやっさんと愛子さんの思いが詰まったあの店をオレが守りてぇんす」って、なんていいやつなのでしょう。

 糸島でイチゴを育ててみたい、という愛子。「聖人さんもイチゴを作るの?」と幸子に聞かれ、「いやいやあ。俺はヘアサロンヨネダの2号店を出します。向こうで」という聖人の言葉に、最初から糸島で散髪屋をやっていれば、神戸に戻ることもなく、ずっと糸島で暮らせていたのに…とも思いましたが、それではこの半年間はなんだったんだ? になりますので、言わないでおきましょう。

 さほど客が入っていないで、商店街のひとたちのたまり場になっているヘアサロンヨネダも、いままで潰れることなくやれてきたのだから、なんとかなる! 翔也のことだからそんなふうにお気楽に考えているのかもしれませんが。

 幸子と愛子の“イチゴ同盟”が結ばれました。そして、翔也がおやっさんの髪を切るという儀式も終了し、めでたしめでたし。なんといっても最終週のタイトルは「おむすび、みんなを結ぶ」ですから。これからどんどん結ばれていくことでしょう。

 ところが、です。病院のほうはもう一波乱起きそうな気配です。理事長がスカウトした東京からやってきた若いけど優秀な井上晴哉(井上拓哉)先生という新たな敵(?)が投入されました。

 役名と芸名が一文字違いというところに、テキトーというか投げやり感が見え隠れしますが、これがまた絵にかいたようなヤな奴でした。大腸がんのステージ3で手術を1週間後に控えているのに食欲のない患者に対し、「ゼリーやジュースで栄養強化をしていきたい」という結たちの提案に対して、「どうせ何も食べないでしょ。点滴で栄養補給してりゃいいことぐらい薬剤師さんならわかりますよね」と。さらに、人員不足でNST解体の危機に!?

 アユ(仲里依紗)のところには、真紀ちゃんそっくり詩(大島美優)がやってきて、「しばらく泊めてください」と言います。自立援助ホームを抜け出したのでしょうか。詩とナベベ(緒形直人)のご対面があるやなしや…。


桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


春ドラマの評判を調査!『最後から二番目の恋』は令和の鬼渡?『あんぱん』『対岸の家事』の感想は
 2025年4月期も話題のドラマが続々スタート! 多すぎてどれを見るのか迷ってしまう…。そんな人のために忖度なしでドラマ...
「あんぱん」千尋(中沢元紀)は本当に良い子…史実どおりの展開なのか。しょくぱんまんのようなイケメンだ
 けんかした嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)に、寛(竹野内豊)は改めて後継ぎはいらないと告げる。そして、何をしながら生き...
桧山珠美 2025-04-23 17:51 エンタメ
こうでなくちゃ! 志尊淳の正解を「恋は闇」で見た。いい人よりも“妖しい姿”に妄想が駆り立てられる
 新ドラマ「恋は闇」(日本テレビ系)の志尊淳が良きです。  前クールの「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった...
「あんぱん」なんて贅沢!今が旬、河合優実の“目で語る”表現力と色気に驚く。俳優・ソニンのEE JUMP感を消した演技も見事
 なりたい夢を見つけたのぶ(今田美桜)は、女子師範学校合格に向けて猛勉強をし始めるが、成績が思わしくなく頭を抱える。同じ...
桧山珠美 2025-04-21 14:23 エンタメ
怪演・市原隼人に「ヤバい超大物」2人が熱烈ラブコール。迫真すぎる“ガンギマリ”の演技がモテる理由か
 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にて、盲目の大富豪にしてゾクッとする異様な雰囲気を放つ鳥山検校を怪演...
堺屋大地 2025-04-21 06:00 エンタメ
ラランド・サーヤは「名誉男性」なのか? お笑い界の“女すぎる”という悪口に思うこと
 ラランド・サーヤが参加するバンド「礼賛」が大阪で行ったライブで、痴漢行為が発生。被害女性がSNSで被害を訴えたことで発...
帽子田 2025-04-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」松嶋菜々子の“毒”さえチャーミングにする厄介な美しさ。ドキンちゃんにも見えてしまった
 8年間音沙汰のなかった登美子(松嶋菜々子)が突然帰ってくる。登美子に対してわだかまりが残ってはいるものの、自分の漫画を...
桧山珠美 2025-04-19 06:00 エンタメ
「あんぱん」登美子(松嶋菜々子)の登場が不穏…色っぽいけど。貴島中尉(市川知宏)は“あのキャラ”を意識?
 新聞社に出した漫画で賞金をもらい、ご機嫌の嵩(北村匠海)。一方のぶ(今田美桜)は、パン食い競走で転びそうになったところ...
桧山珠美 2025-04-17 16:02 エンタメ
カトパンへの嫌味に物議…新井恵理那は承認欲求のカタマリか、悪役を演じる聖人か?
 昨年3月、8年間出演して総合司会も務めていたテレビ朝日系の朝の情報番組『グッド!モーニング』を降板したフリーアナウンサ...
堺屋大地 2025-04-17 06:00 エンタメ
【募集】春ドラマ何見る? 面白かった&ガッカリを教えて!『最後から二番目の恋』『あんぱん』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「期待している」「面白...
笠松将、柳楽優弥を超えなければと思っていた。俳優業の“わからなさ”は「自分自身にビビッている感覚」『ガンニバル』シーズン2インタビュー
“この村では、人が喰われているらしい……”    2022年の年末にディズニープラス スターにて独占配信がスタートす...
望月ふみ 2025-04-15 06:00 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった
 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使う...
桧山珠美 2025-04-14 19:03 エンタメ
15分の朝ドラで高揚感を得られるんだ! のぶ&嵩の“子役最終回”が見せた未来の夫婦関係
 久しぶりに登美子(松嶋菜々子)の顔を見て胸がいっぱいになる嵩(木村優来)だったが、登美子は困惑した表情を浮かべる。のぶ...
桧山珠美 2025-04-12 06:00 エンタメ
旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ