世の中がなんだか変
「杏里には杏里の人生があるし、俺には俺の人生がありますからね。ここまで10年間はたまたま俺らの人生が交錯したって話。
これから先もずっと混じり合う確証はないですから!
だけどねえ…俺、思うんですよ。コロナ禍を経てから、なんか社会の雰囲気が変わってきてません?
これまでの日本の良さみたいなのが、急速に失われつつあるっていうか…。
腹立たしい出来事が増えているし、俺らが若かった時代よりも社会を舐めている若者が多すぎる。
自分さえ良ければいい! 的な考えの人が増えていて、俺は常にイライラしてますよ!」
社会への不満の大きさと比例するように、自分の将来への不安も強くなっていると話すハルトシさん。しかし改善策が思いつかず、鬱憤を抱え続けている現状が「しんどい」とも打ち明けます。
寂しいけれど自分のスタイルを変えたくない
「実は俺、ぼちぼち杏里とも終わるのかなあ…って気がしているんですよね。
俺ね、もうまったく性欲がないんですよ。だから究極的には、これから先はひとりでもなんとかやっていけるんじゃないかな。そりゃあパートナーが居てくれたほうが心強いですけど。
俺には経済的に杏里の面倒を見る余裕はないので、そうなるとどこかで区切りをつけないといけないじゃないですか。
以前は還暦くらいがそのタイミングかなあって考えていましたけど、最近は杏里との会話も噛み合わなくなっているし、ぼちぼち潮時なのかもしれない。
長く付き合ってきたので別れると、相当寂しいだろうな。
だけどお互いにヨボヨボになったときに『介護どうしよう?』ってなるのも嫌だからね。
今まで貫いてきた『それぞれが自分に対して責任を持つ』スタイルを、絶対に変えたくないんです」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
関連記事
ラブ 新着一覧
