松井愛莉主演「子宮恋愛」の女性蔑視に視聴者ドン引き…原作改悪によぎる「セクシー田中さん」の悲劇

更新日:2025-04-29 17:03
投稿日:2025-04-29 17:00

 松井愛莉(28)が主演を務めるドラマDiVE「子宮恋愛」(読売テレビ・日本テレビ系)の作中描写が“女性蔑視”だと、一部視聴者から苦言が呈されている。

 放送前からタイトルや「私の子宮が恋をした。けれどそれは夫とは別の人でした。」というキャッチコピーが、物議を醸していたが、今作は、佐々江典子氏による同名漫画(ぶんか社刊)の実写化作品。原作では、繊細な不倫に至るまでのそれぞれの苦悩や感情の揺れ動きなどが、しっかり描かれ、読者からの共感も得ていた話題作だったが、実写化にあたり、原作で描かれていた登場人物のバックボーンや、不倫に至る心理描写、背景などがカットされているのだ。

 登場人物の心理描写の代わりに、不倫相手となる上司への気持ちの高鳴りを表現するかのような、主人公の下腹部がアップになるシーンが描かれ、全面的に“子宮で恋をし、不倫に至る女性”というニュアンスを出す形となっている。

 その描写に対し、視聴者からは《子宮恋愛観て喜んでる女性いんの? あれガチモンの女性蔑視映像じゃん》《子宮恋愛とか子宮が恋に落ちたって表現は女性蔑視だと思うんだけど》と、厳しい指摘も散見されていた。

■「セクシー田中さん」と重なる制作会社と演出家

「原作では、モラハラの夫に尊重されず、子供が欲しいのにレスが続いているという不倫に至る過程がしっかりと描かれていますが、ドラマではそういった描写も少なく、全体的に説明不足な印象です。あとは、不倫相手も原作のような夫のモラハラで悩む主人公の理解者ではなく、いきなり既婚者に同意もなくキスをする“性欲にまみれた、ただのヤバい人”というような残念な描写になっており、作中人物の中で共感できる人がいないということも、ドラマとしては致命的だと言わざるを得ないでしょう」(ドラマ制作関係者)

 原作の、生理や子宮があることにより嫌でも自分が女であることの業を感じてしまうというニュアンスから、ドラマでは子宮=性欲で相手を好きになるというようなニュアンスの描写に変化しており、その描写自体が、女性を馬鹿にしている女性蔑視と感じてしまう人もいるようだ。

 さらに、今作の原作改変に対し、視聴者からの厳しい目が向けられているのには、もう一つ理由がある。

「3人いる監督の中の1人が、原作改変によるドラマ制作側とのトラブルにより、原作者の芦原妃名子氏が非業の死を遂げた2023年10月期放送の日本テレビ系ドラマ『セクシー田中さん』の演出も担当していたことや、制作会社が『セクシー田中さん』と同様であることから、《セクシー田中から何も学んでないどころかさらに改悪してるってことやん》と、視聴者からの強い嫌悪感が示されています」(前出のドラマ制作関係者)

 4月10日に放送された第1話は、TVerでの再生数が100万回を突破し、賛否も含め、話題にはなっているようだが、あまりに行きすぎた原作改変を行い続ければ、視聴者からの信頼が、さらに損なわれていく可能性もありそうだ。

   ◇   ◇   ◇

 なぜ原作の改悪は起きてしまうのか? ■関連記事もあわせてご覧ください。

エンタメ 新着一覧


【おむすびにモヤっと】コロナ禍を描いた1週間。結の不可解な言動が目につく中、ピークだったシーンは?
 結(橋本環奈)は職場で、医療従事者の子どもたちが学校で除者(のけもの)扱いされる現状を同僚たちと嘆く。  それを...
桧山珠美 2025-03-15 06:00 エンタメ
NHKの峰不二子・中川安奈のフリー転身で恐れる女子アナら。森香澄との「あざと女」対決で勝つのはどっち?
 3月いっぱいでNHK退局を発表している「NHKの峰不二子」こと中川安奈アナウンサー。  彼女が世間から注目を集め...
堺屋大地 2025-04-03 10:41 エンタメ
【おむすびにモヤっと】コロナ禍でもスタンドプレイの結。本編以上に“制作の舞台裏”に興味が湧くばかり
 コロナによる緊急事態宣言で飲食店が営業自粛に追い込まれる中、ヘアサロンヨネダを営む聖人(北村有起哉)は店を開けていいの...
桧山珠美 2025-03-12 18:59 エンタメ
審査員・粗品とM-1審査員の決定的な違いは? 忖度しない芸人ゆえの「ブレない目線」と「ムカつかれる覚悟」
 若手芸人の登竜門である「ytv漫才新人賞」(読売テレビ)が3月2日に開催された。霜降り明星の粗品が初めて審査員を務め、...
帽子田 2025-03-12 06:00 エンタメ
Kōki,が鼻につくのは宿命か。両親から学んだ「2代目キムタク」としてアンチを無視するブランディング
 木村拓哉と工藤静香の次女という“十四光り”で注目を集めて来たKōki,。先月は主演映画『女神降臨』の宣伝を兼ねて、『世...
堺屋大地 2025-03-12 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】弁当開発に「病院の管理栄養士」の売りはもう不要? “新型コロナ編”にも懸念が…
 新型コロナウイルスの感染が日本で初めて確認されて病院で警戒感が漂う中、コンビニ弁当の開発をしないかという幼なじみの菜摘...
桧山珠美 2025-03-10 17:30 エンタメ
火曜深夜が熱い!FANTASTICS冠番組の対抗馬は純烈? 映画ぼくまほの八木勇征は大スクリーンで観るべき
 映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』(ポニーキャニオン配給)を観て来ました。タイトルに“魔法”がつくと、まるで魔法...
【おむすびにモヤっと】なっちゃん抜け駆けで「栄養はエエヨ~」は結(橋本環奈)に相談しなかった?
 コンビニ弁当の開発案を豊岡部長(隈本晃俊)にプレゼンする菜摘(田畑志真)は、今の説明ではダメだと言われ、結(橋本環奈)...
桧山珠美 2025-03-08 06:00 エンタメ
「芸人=女とギャンブル」の時代は終わった。M-1王者・高比良くるまの謹慎がもたらすもの
 吉本芸人の相次ぐ「オンラインカジノ」問題。M-1王者令和ロマンをはじめ、ダイタクや9番街レトロなど劇場の人気者たちが次...
帽子田 2025-03-07 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】商品開発7年目なのに、なっちゃんの知識不足設定と結への謝罪が不憫すぎる
 結(橋本環奈)と菜摘(田畑志真)は、考案したコンビニ弁当がなぜダメだったかを製造担当の管理栄養士から聞き、開発を断念す...
桧山珠美 2025-03-05 18:15 エンタメ
【おむすびにモヤっと】変顔炸裂の第22週。名も無き管理栄養士が大手コンビニで商品共同開発の“ミラクル”
 結(橋本環奈)は仕事柄、栄養指導をする立場にあるため、患者から怖いとか厳しいと言われ、そのことに複雑な気持ちになってい...
桧山珠美 2025-03-03 17:30 エンタメ
大倉忠義“授かり婚”でますます追い風…イクメン俳優花盛り! 林遣都は赤ちゃん言葉で子育て奮闘
 大倉忠義(39)、結婚! またひとり独身イケメンが旅立ってしまいました。お相手は<一般女性>とのこと。またしても<一般...
【朝ドラおむすび】通夜の親族席最前列に知らない中年女2人…永吉の娘? 一言の台詞もなく忽然と姿を消した
 聖人(北村有起哉)の大学進学用のお金を勝手に人に貸した永吉(松平健)の行為が、米田家の呪いである人助けだったのかどうか...
桧山珠美 2025-03-01 06:00 エンタメ
【朝ドラおむすび】気の毒過ぎる委託会社の栄養士・柿沼。大鶴義丹チョイ登場で気になる“大鶴の恩返し”
 結(橋本環奈)は、聖人(北村有起哉)に永吉(松平健)が大学進学用のお金を何に使ったのかを話し始める。結は米田家の呪いの...
桧山珠美 2025-02-26 17:30 エンタメ
SNSで目立つ「新生timelesz」への厳しい声 オーディション番組なぜ荒れる? マニアでも予想不能な展開に
 話題のオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)が最終回を迎え、待...
【おむすび】米田家4代食卓トークにモヤっ。盛り上がらないドラマで盛り上がらない万博の“宣伝”効果は?
 福岡・糸島に住んでいる永吉(松平健)と佳代(宮崎美子)が神戸にやって来る。結(橋本環奈)はてっきり聖人(北村有起哉)の...
桧山珠美 2025-02-24 17:30 エンタメ