橋幸夫は芸能活動を"続行"宣言 芸能人の「認知症」がオープンになった背景と活躍の場
20日、認知症を発症していることが公表されたのが、歌手の橋幸夫(82)。所属事務所「夢グループ」の石田重廣社長が記者会見を行い、症状を説明。それよると、橋は2020年ごろから認知症の症状が出始め、22年に12月に軽度の「アルツハイマー型認知症」、昨年12月に中等度の「アルツハイマー型認知症」と診断されたという。
自身の80歳の誕生日である23年5月3日に歌手活動を引退していた橋だが、24年4月15日に復帰。石田氏やスタッフが異変に気付いたのは昨年夏ごろからだったようだ。
「橋さんに『何度も同じことを言う』などの"異変"が見られたそうです。今年に入ってからは歌を忘れるようになって、2月に橋さんの妻に相談したところ診断書を確認したことを明らかにしています。ただ、本人にやる気があることと医師の助言も踏まえて、症状の進行を抑制する一環で可能な範囲の芸能活動をサポートするといいます」(スポーツ紙芸能記者)
橋のように事務所が活動継続を明確にするケースは珍しいが、近年は芸能人本人や親族が「認知症」を公表することは少なくない。
■蛭子能収や山本學は公表後も数年にかけて活躍中
現役で活動中といえば、20年7月にテレビ番組の特番で軽度の認知障害と診断された漫画家・タレントの蛭子能収(77)だろう。その後、レビー小体病とアルツハイマー型認知症の合併症であることも判明したが、周囲のサポートを受けながら、テレビ番組の出演や書籍、個展などを行う。
またテレビドラマ「白い巨塔」をはじめ、映画や舞台など数多くの作品に出演してきた俳優の山本學(88)も22年に「軽度認知障害」と診断。実際にないものが見える「幻視」の症状を訴えて自ら受診したことも明かしている。現在は、体験を広く知ってもらいたいとテレビ番組や新聞のインタビューなどに積極的に応じている。
今年3月に亡くなった喜劇役者の芦屋小雁さん(享年91)は、18年にテレビ番組で自らの認知症を公表。昨年亡くなったテレビアニメ「ドラえもん」などの声優・大山のぶ代さん(享年90)も認知症を患っていると、15年に夫の砂川啓介さん(享年80)がラジオ番組で明らかにしていた。
「女優の朝丘雪路さん(享年82)はアルツハイマー型認知症で亡くなったことを家族が公表。タレントのエスパー伊東さん(享年63)が若年性認知症を患っていたことは芸人仲間が伝えていました。かつては、認知症の公表はタブー視されていました。タレントの現役時代を知るファンや視聴者を考えるとイメージを崩しかねないからですが、『人生100年時代』が謳われ始めたこの5~10年くらいは、認知症自体が身近な病気になった。ファンの間にも当事者が増えていることから、現役で表舞台に出る姿が励みになるという声もありますし、公表しやすくなりました」(芸能リポーター)
蛭子や山本のように「軽度」のタイミングで公表し、認知症と付き合いながら活動をするケースは今後も増えるとみられる。
「社会問題にもなっている認知症という当事者の多い病気は、オープンにすることで共感や応援も得られやすい。最近は、認知症を患う家族の介護を公表するタレントも増えていますが、医療関係や保険会社などCMや講演会、イベント登壇など需要も大きい」(広告代理店関係者)
橋は21日、神奈川・小田原三の丸ホールで開催された「夢グループ」の20周年記念コンサートに登場し、ソロ歌唱もした。認知症の芸能人の活躍も当たり前の時代になってきた。
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