実母はバリキャリ
「僕も妻も初めての子育てなので、わからないことだらけ。だから近くに住んでいるオフクロにいろいろ手伝ってほしいのに、子育てにあんまり関わってくれないんですよ。
僕としてはちょっとガッカリなんですよね。初孫だから、可愛いはずでしょ?」
コウスケさんの母親は、当時はまだ珍しかったシッターを雇いつつ、仕事と家庭を両立してきたバリキャリタイプ。
若くして出世し、勤務先の役員まで務めましたが、退職後は悠々自適に趣味を楽しむ毎日を送っているそう。
もっと面倒見てよ!
「どうせ暇しているんだから、もっと孫の教育を手伝ってほしい。妻に子育てを任せておくと、いろいろ不安なんです。
なのに、オフクロは『それは夫婦で解決しなさい』とか『親なのだから、あなたたちがやりなさい』って…。信じられないでしょ?
孫のことが可愛ければ、もっと積極的に育児に関わるはず。それなのに、突き放された気分ですよ」
妻の鈴香さんとは子育て方針や家事のことで定期的に言い争いが勃発。コウスケさんは「それもこれも全部、オフクロのせいですよ」と言います。
「もちろん全てをオフクロに任せるつもりはないですよ? でも僕はオフクロの息子なんだから、もうちょっと僕の希望に対して真面目に取り合ってほしいし、孫の面倒も見てほしい。
妻も育児と家事のストレスで前よりイライラしていて、家庭の居心地が悪くて。『僕のことを思うなら、オフクロが孫の世話をもっとしてくれ』と、頼み込んでもいつもダメ。なかなかうまくいかないです」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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