三代目JSB今市隆二と中居正広氏の「示談で芸能活動継続」に潜むリスク…紀藤正樹弁護士が解説

更新日:2025-08-11 10:58
投稿日:2025-08-11 10:55

 三代目 J SOUL BROTHERSの今市隆二(38)が4月5日、酩酊状態でタクシー運転手に対し、「殺すぞ」と脅し、腕を引っ張り、運転席と後部座席の間のアクリル板を叩くなどの暴行と脅迫をおこなった疑いで、警視庁に書類送検されていたことが7月30日に明らかとなった。

 これを受け、所属事務所LDHは「当該行為は、本人が同乗者との間で感情的になったことに起因」とし、「現在、当該会社様との間では既に示談が成立しております」と、タクシー会社とは示談が成立している声明を出した。

 一方、タクシー運転手側の代理人弁護士であるレイ法律事務所は、「今市氏から一方的に行為を受けました」「代理人弁護士を通じて、謝罪及び示談提案がありましたが、現時点において示談は成立しておりません」と、LDH側と認識の異なるコメントを出している。

 またLDHは、今市に対して報酬返上と自宅謹慎を含む厳正な処分を実施したと述べているが、事件発生からの3カ月間、活動を自粛することなく、5月から7月にかけて開催されたライブツアーに出演していたことで批判が殺到。

 8月1日、LDHは改めて今市の当面の活動自粛を発表したが、この後手の対応や声明文が、被害者の処罰感情を強める悪手だったと指摘するのは、弁護士の紀藤正樹氏だ。

■声明文で被害者感情を逆撫でする悪手

「タクシー会社との示談は物損部分の被害と考えられますので、示談はすぐにできたのでしょうが、暴行、脅迫の損害賠償に関して被害者との示談はまだ済んでおらず、被害者が弁護士に依頼していることから、今市さんへの処罰感情はかなり強いと考えられます。そこに加えて、事務所が出した声明には、加害者側である今市さん側の認識を前提として『本人に対して報酬返上と自宅謹慎を含む厳正な処分を実施』とつづられていますが、4月の事件以降、活動の自粛はしてきておらず、被害者の感情を逆なでしてしまった可能性も高いです。また示談交渉をしていたということで、今回の事案の公表タイミングは難しかったとは思いますが、送検されるタイミングは事前にわかっていたはずなので、その前に公表しておけば、結果的に活動自粛に至るまでの批判が殺到する事態にはならなかったのではないでしょうか」

 紀藤弁護士いわく、事案発覚後の声明文では、長文は避けて、端的に責任を素直に認め、被害者への謝罪を明言し、自らの責任を回避しようと感じさせるような表現は避けるべきだという。

中居正広氏は拒む被害女性の服を脱がし、そのまま…

 今市と同様に、声明文によって、被害者だけでなく世論感情も逆なでしてしまったのが、元フジテレビの女性アナウンサーとのトラブルが報じられた中居正広氏(52)だろう。

 中居氏といえば、8月7日発売の週刊文春で、事案当日の被害の詳細について書かれた「通知書」の内容が報じられた。記事によると、被害女性は中居氏からの行為を拒み、衣服を着直した。しかし中居氏は、その後また女性の服を脱がし、そのまま事に及んだという。

 被害女性は、中居氏の家から帰宅する途中で、友人に電話をかけ「このまま警察に行こうかな」と相談していたといい、被害女性の負った心身のダメージは計り知れないことがうかがえる。

 にもかかわらず、中居は騒動発覚後の今年1月9日、事務所の公式サイトで、「お詫び」と題し「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」という一文を掲載。被害女性をさらに傷つけると、世間から批判を集める要因となった。

「示談によって、被害者側を黙らせるというやり方にも問題はありますが、それでも示談は被害者にとっても早期解決や、プライバシー保護の観点からも救済になり得るもので、示談そのものは決して悪ではありません。ただ、加害者側が示談しても、お金を出して終わりというわけではなく、一生かけて償い続けるという誠意を見せ続けることが大切であり、示談できたから、事件をなかったことにできる、または被害はなくなったと思う感覚を加害者側がもってしまうことは問題です」(紀藤弁護士)

 両者の最初の声明文では、自己保身と取られかねない記述も多く、被害者の気持ちを無視したものとして、大衆の処罰感情を強めてしまった側面は否めない。

 示談したからといって、被害者の心の傷が、消えるわけではないのだ。

(SALLiA/歌手、音楽家、仏像オタク二スト、ライター)

  ◇  ◇  ◇

 中居正広氏だが、正直、詰んでいるようだ。関連記事【もっと読む】中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後…では、進退窮まった本人の現状について伝えている。

エンタメ 新着一覧


『極悪女王』は“嫌われ女”3人の逆襲か。ゆりやん、剛力彩芽、唐田えりかが必然だったワケ
 9月19日にNetflixでドラマ『極悪女王』(全5話)が配信開始されました。ゆりやんレトリィバァさん演じるダンプ松本...
timelesz 菊池風磨に「優秀な面接官」と称賛。人事のプロはどう見た?
 9月13日より配信が開始されたオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(Netfl...
【写真特集】上村愛子×皆川賢太郎 結婚発表会見は“白のペアルック”、満面の笑みでカメラ目線も
【この写真の本文に戻る⇒】“冬季五輪夫婦”上村愛子&皆川賢太郎離婚の衝撃。「円満離婚」するカップルは揉めてないのは本当か...
クズのくだりに違和感。マツケン演じる栄吉のカラオケは「おむすび」の名物シーンに?
 天神のゲームセンター近くでギャルたちに出くわした結(橋本環奈)が、しつこく博多ギャル連合(ハギャレン)への加入を求めら...
桧山珠美 2024-10-03 17:05 エンタメ
15分の放送がとても長く感じるのはなぜ?平成ギャルと視聴者の戦いかも
 書道部に入った結(橋本環奈)は、先輩の風見(松本怜生)の言動に心ひかれるようになり、青春を謳歌している気分になるが、ク...
桧山珠美 2024-10-02 17:10 エンタメ
そう来たか!橋本環奈の台詞「“朝ドラ”ヒロインか!」に込められたメッセージは…
 平成16年、福岡県糸島で農業を営む父・聖人(北村有起哉)、母・愛子(麻生久美子)、祖父・永吉(松平健)、祖母・佳代(宮...
桧山珠美 2024-09-30 17:30 エンタメ
菅田将暉『眉毛 なぜ』の話題で持ち切り。菅田3兄弟から目が離せない!
 菅田将暉(31)は見るたびに印象が違います。たとえば、先日の「あさイチ」(NHK)プレミアムトークに出演した際は、「デ...
ニコイチだった目黒蓮「海のはじまり」と松村北斗「西園寺さん」、株を上げたのは…?
 夏ドラマで“シングルファーザー”設定かぶりで話題となった、Snow Man・目黒蓮さん(27)主演の「海のはじまり」(...
こじらぶ 2024-09-28 06:00 エンタメ
ヒロインがすでに亡くなっている…! “地獄の道”を歩んだ佐田寅子は特別な女性だったのか?
 さまざまな仕事をかけ持ちし、多忙な毎日を送る優未(川床明日香)。花江(森田望智)もひ孫に囲まれ平穏に暮らす。航一(岡田...
桧山珠美 2024-09-28 06:00 エンタメ
なぜ『内村プロデュース』は伝説の番組に? 有吉弘行らから見える内P愛
 来たる9月28日、『内村プロデュース』(テレビ朝日系)が『祝!内村光良還暦祭り 内村プロデュース復活SP!!』と題して...
桂場の甘味好き、愛を語る家裁メンバー…「虎に翼」の登場人物は愛すべき人たちばかり
 最高裁大法廷では、いよいよ美位子(石橋菜津美)の事件の判決が出されようとしていた。寅子(伊藤沙莉)は早朝、よね(土居志...
桧山珠美 2024-09-25 17:10 エンタメ
期待はずれと面白かった夏ドラマを調査!『新宿野戦病院』をよそにアラフォー世代に刺さったのは…?
 2024年夏ドラマが続々と最終回を迎えています。今期も話題を振り撒いてくれた数々の作品がありましたが、みんなの率直な感...
ちちんぷいぷい返しを試みた航一は朝ドラヒロイン良き夫“ベスト5”に入る
 寅子(伊藤沙莉)の名前を知る少女の祖母・佐江子(辻沢杏子)が訪ねてきて、孫を助けてほしいと寅子にすがる。  そん...
桧山珠美 2024-09-23 17:25 エンタメ
『光る君へ』は吉高由里子、『スオミの話』には長澤まさみ…人気脚本家“お気に入り俳優”の傾向は?
 大石静氏脚本のNHK大河ドラマ『光る君へ』、クドカン節がさく裂するフジテレビ系『新宿野戦病院』など、昨今放映されている...
斎藤元彦知事は謹んで却下! イケメン知事5の存在を脅かす“大本命”は…
 わたくしたちイケメン愛好者の間で、常々イケメン知事と注目しておりましたのが、北海道の鈴木直道知事、青森県の宮下宗一郎知...
「虎に翼」大団円へ…ブレない寅子、桂場、航一の名場面をありがとう
 桂場(松山ケンイチ)に真っ向から意見した航一(岡田将生)だが、心ならずも寅子(伊藤沙莉)にまで心配をかける事態に陥って...
桧山珠美 2024-09-21 06:00 エンタメ