文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

更新日:2025-08-17 17:03
投稿日:2025-08-17 17:00

【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】

 中居正広が元フジ女性アナに行った「性暴力」の全貌が分かったと週刊文春(8月14.21日号)が報じている。

 彼女は2023年6月2日の“事件”当夜、中居の住む目黒区のマンションに向かった。中居が仲間を集めて飲むはずだったが、急きょ、2人だけで飲む羽目になってしまった。出迎えた中居はTシャツに短パン姿。テーブルにはすでに「大丸」の高級肉や具材が並んでいた。

 缶ビールを飲みながら中居は次第に彼女との間合いを詰め、強引にキスしてきた。中居は強烈な力で彼女の顔を固定し、キスを続けた。さらに中居の行動はエスカレートしていく。

「衣類を無理やり脱がそうとして失敗すると、下着を捲し上げ、彼女の胸部に顔を埋めたのだ」(文春)。彼女の「やめてください」という悲痛な訴えを聞いた中居は、いったんやめた。

 だが再び彼女に襲いかかり、抵抗するのもお構いなしに触り続け、「欲望の赴くままに行為を遂げたのだった」(同)。直後、中居はこう言ったという。

「エッチ好きじゃないの? 何で泣いてるの?」

 断っておくが、これは被害女性X子が自ら語ったのではない。“事件”後、彼女の詳細なメモをもとに、代理人弁護士が中居側に損害賠償を求める「通知書」を作成した。その写しを彼女の仕事仲間の番組スタッフが7月上旬、文春に持ち込んだというのだ。

 X子は、示談交渉の前に、それを友人らに見せて意見を求めたと認めているが、いつも通り「自分には守秘義務があるから何も答えられない」といっている。思えば、最初に「中居が女性トラブルで解決金9000万円」と女性セブンに漏らしたのも、文春に事の詳細を話したのもX子の知人であった。

 今回は仕事仲間。彼女には自分の言い分を代弁してくれる友人がたくさんいるようだ。そして、自分は守秘義務の中に逃げ込む。彼女から事件の詳細を聞き出したい週刊誌は、友人、知人たちが小出しにする情報をもとに、中居の「性暴力」の実態やフジテレビの港社長らの「事件隠蔽」を暴き出した。中居を芸能界から追放し、フジの社長らの首をすげ替え、ドンといわれた日枝久を辞めさせ、赤字転落へと追い込んだ。

 大変な女傑である。しかも彼女は名前も顔も出さないでやってのけたのである。

 しかし、私には疑問がある。なぜ彼女は高額の示談金を手にしたのに、週刊誌に知人を介してリークしたのだろう。中居を許せない、彼と組んで“事件”を隠蔽したフジが憎いという気持ちは理解できるが、これだけ詳細に当夜の中居の“性暴力”を明かしてしまって、守秘義務違反にはならないのだろうか? 彼女側が明言していないのは一説に9000万円といわれる示談金についてだけである。

 もし今、故・岡留安則がやっていた「噂の真相」があれば、この事件が起きてすぐに、彼女についての具体的な情報を報じたに違いない。それがいいことだといっているのではない。だが、これまで雑誌のプライバシー侵害は枚挙にいとまがない。それが今回に限ってどこも動かなかったのは、X子のメディア操縦術がたけていたからだろうか。

 その役割はSNSが果たしているというだろう。だが、私のようにSNS情報に懐疑的な人間は、それを丸ごとうのみにはしない。

 私は決して中居がやった「不同意性交」をよしとする人間ではない。だが、X子が友人、知人の力を借りて中居を「空前絶後の極悪人」に仕立て上げるやり方には、やや懐疑的である。

 ここまで明かされた以上、中居は会見を開き、事実を認めた上で、「償うために3年間ボランティアをします。3年経ったら視聴者の皆さんに、テレビの世界に戻っていいかどうかを判断してもらいたい」と提案したらどうか。

 X子は納得しないだろうか? (文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

エンタメ 新着一覧


ニコイチだった目黒蓮「海のはじまり」と松村北斗「西園寺さん」、株を上げたのは…?
 夏ドラマで“シングルファーザー”設定かぶりで話題となった、Snow Man・目黒蓮さん(27)主演の「海のはじまり」(...
こじらぶ 2024-09-28 06:00 エンタメ
ヒロインがすでに亡くなっている…! “地獄の道”を歩んだ佐田寅子は特別な女性だったのか?
 さまざまな仕事をかけ持ちし、多忙な毎日を送る優未(川床明日香)。花江(森田望智)もひ孫に囲まれ平穏に暮らす。航一(岡田...
桧山珠美 2024-09-28 06:00 エンタメ
なぜ『内村プロデュース』は伝説の番組に? 有吉弘行らから見える内P愛
 来たる9月28日、『内村プロデュース』(テレビ朝日系)が『祝!内村光良還暦祭り 内村プロデュース復活SP!!』と題して...
桂場の甘味好き、愛を語る家裁メンバー…「虎に翼」の登場人物は愛すべき人たちばかり
 最高裁大法廷では、いよいよ美位子(石橋菜津美)の事件の判決が出されようとしていた。寅子(伊藤沙莉)は早朝、よね(土居志...
桧山珠美 2024-09-25 17:10 エンタメ
期待はずれと面白かった夏ドラマを調査!『新宿野戦病院』をよそにアラフォー世代に刺さったのは…?
 2024年夏ドラマが続々と最終回を迎えています。今期も話題を振り撒いてくれた数々の作品がありましたが、みんなの率直な感...
ちちんぷいぷい返しを試みた航一は朝ドラヒロイン良き夫“ベスト5”に入る
 寅子(伊藤沙莉)の名前を知る少女の祖母・佐江子(辻沢杏子)が訪ねてきて、孫を助けてほしいと寅子にすがる。  そん...
桧山珠美 2024-09-23 17:25 エンタメ
『光る君へ』は吉高由里子、『スオミの話』には長澤まさみ…人気脚本家“お気に入り俳優”の傾向は?
 大石静氏脚本のNHK大河ドラマ『光る君へ』、クドカン節がさく裂するフジテレビ系『新宿野戦病院』など、昨今放映されている...
斎藤元彦知事は謹んで却下! イケメン知事5の存在を脅かす“大本命”は…
 わたくしたちイケメン愛好者の間で、常々イケメン知事と注目しておりましたのが、北海道の鈴木直道知事、青森県の宮下宗一郎知...
「虎に翼」大団円へ…ブレない寅子、桂場、航一の名場面をありがとう
 桂場(松山ケンイチ)に真っ向から意見した航一(岡田将生)だが、心ならずも寅子(伊藤沙莉)にまで心配をかける事態に陥って...
桧山珠美 2024-09-21 06:00 エンタメ
悪評だらけの天才、平手友梨奈が遅刻やドタキャンを繰り返す本当の理由
 2022年12月に、鳴り物入りで韓国大手事務所「HYBE」傘下の「NAECO」に移籍したものの、今年8月、2年も経たず...
堺屋大地 2025-01-03 10:01 エンタメ
【写真特集】魔性の女こと葉月里緒奈の色っぽい流し目…
【この写真の本文に戻る⇒】真田広之も“シタ夫”経験者…裏切られたサレ妻が離婚後も「また一緒にいたくなる男」にある共通点
寅子フリーズ! 美佐江くりそつな美雪登場、意味深な微笑が恐怖をあおる
 元明律大学女子部の一同が、久しぶりに寅子(伊藤沙莉)の家で顔を合わせる。涼子(桜井ユキ)は司法試験に挑戦していた。皆、...
桧山珠美 2024-09-18 16:35 エンタメ
芸人はランジャタイ伊藤から学べるか 「地雷女」を避けるたった一つの方法
 ランジャタイ・伊藤幸司(38)が未成年との不適切な関係を持ったことを暴露され、芸能活動を休止した。過去を振り返れば、伊...
帽子田 2024-09-18 10:08 エンタメ
老眼鏡かける寅子。「最後はいい方に流れていく」発言にトラツバロス一歩手前…!
 香淑(ハ・ヨンス)は、原爆被害に遭った外国人への支援を始めることを決意する。一方、寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は...
桧山珠美 2024-09-16 14:00 エンタメ
秋元康との共通点も? 柏木由紀がすがちゃん最高No.1に惹かれた理由を考察
 9月11日、NEWSポストセブンが、元AKB48のゆきりんこと柏木由紀さん(33)と、お笑いトリオ・ぱーてぃーちゃんの...
伊藤健太郎は破局して正解! “小栗旬軍団”加入でバーター出演の機会にも恵まれる
 伊藤健太郎が帰って来ました。これは朗報です。あの不祥事からかれこれ4年。本人も充分反省しているようですし、そろそろ許し...